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ROHMのMUS-IC:BD34301EKVを搭載した、SMSL社のD300を購入しました。

2022-04-28 00:36:34 | オーディオ

すでにESSテクノロジーや旭化成のDAC ICが、性能(S/N、歪み率等)で高性能を極めており、そこで競うのではなく、音楽性を主題と捉えたDAC ICを日本の電気部品メーカ ROHMが開発した。そのROHMのDAC ICチップ BD34301EKVを搭載したSMSLのDAC D300が販売されている。

現状はESSテクノロジーのICチップ(ES9038PRO)を搭載したSMSL SU-9を利用しているが、音楽性重視ということでどんな音なのか、SMSL DAC D300で聴きたくなった。SMSLのSU-9とD300の音質の比較、評価も含めて報告します。



・ROHMのICチップ:BD34301EKV関連
ROHMのIC開発コンセプト:「クラッシック音楽の鑑賞で重要な3要素(空間の響き、スケール感、静寂性)を表現することに重きを置いて開発」
開発理念 "MUS-IC"
製品紹介資料
BD34301EKV データシート

・Audio Science Review
SMSL D300 Review


・D300はエージングが必要だ。
最初は、1音1音に付随音が聞こえ、覇気のない音が出力される。だが、4時間聴くとマトモになってきた。さらに、二日目から、低域も十分に出てきた。

・D300の音質評価
上記のように、開発コンセプトが明確なDAC IC:BD34301EKVを搭載したD300が、SMSLのSU-9と比較して、どのように違うのかを探ってみた。
・エージング1週間後
SU-9とD300を比較しての評価だが、全然音質が違う。
SU-9が音楽データをそのまま再生するキレキレのDACだとすると、D300は音楽を聴きやすい優しい音で再生する。
抑揚の激しい曲では、D300はレンジが抑えられ聴きやすくなる。
ボーカルは、SU-9が単純な一つの音の音声とすると、D300は複数の音の絡み合った密度の高い音声として聞こえる。

・エージングその後
「優しい音」との傾向は消えた。むしろ硬い音になった。
低域は、SU-9は豊かな無歪み(単音)のベース音が聞こえるが、D300は硬い締まった複数音からなるベース音だ。
ボーカルは、変わらず複数の音の密度の高い音だ。

「複数音から構成された密度の高い音」が、D300の最大の特徴だ。

・電気的特性測定値は、SU-9が少し上回る。
Audio Science Revieで両方の電気的特性を比較できるが、周波数特性は両方ともフラットで、S/N比、歪み率、混変調歪、ジッター抑圧比等の数値は、SU-9がわずかに上回る。しかし、充分にに低いレベルであり、両方ともに不純物(高調波、混変調波、ジッター歪)による音の発生は無いだろう。

・音楽性は次のステップ
ROHMが電気的特性を満たした上で、音楽性の高いDAC ICを出してきた。ESSテクノロジーや旭化成はこれ以上の電気的特性の向上は無意味だと判っているので、音楽性に独自の特色を持たせたDAC ICの開発を進めるだろう。特に、ESSテクノロジーは、ES9038PROの上位レベルのICを長らく出していないので期待したい。

・おすすめの設定:出力レベルを可変に
D300はデフォルトで、出力レベルが"固定"となっている。当方の場合、DAC出力をスイッチを介してパワーアンプに直接入力しているので、出力レベルを"可変"に設定した。
操作は、MENU押しボタンでメニュー表示させ、丸ノブでメニューを選択し、MENU押しボタンで選択を決定する仕様となっている。

メニューボタンを押して、PRE MODE/VOL VARIABLE を選択する。
丸ノブを回すと、出力レベルが変更できる。

・板金の筐体
これまでSMSLから購入した製品の筐体は、アルミのブロック筐体だったが、D300は板金で作られている。従い、上面、下面を叩くと振動音が聞こえる。
音の再生には向いていない。事実、上に重いものを乗せると、低音域の膨らみが減少する。

Amazonで幅5cmX長さ1mの鉛板を購入し、上面、下面に貼り付けた。

これでも、上面を叩くと振動音がする。もう1列追加するかな。



DAC関連
パソコンで、ハイレゾ音源ファイルと同様に、CDの音楽ファイルを高音質で再生する。
ROHMのMUS-IC:BD34301EKVを搭載した、SMSL社のD300を購入しました。
ES9038PROを使用したDAC端末 SMSL SU-9を、購入しました。
ESSテクノロジーのES9038Q2Mを実装した、SMSLのSU-8 DACを購入しました。

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パワーアンプをアメリカ・CROWN社の XTi1002にレベルアップしました。

2022-04-21 22:49:42 | オーディオ

パワーアンプをレベルアップしました。
今までは、CROWN社の XLS1002を利用していましたが、同じCROWN社のXTi 1002 を購入しました。(購入先はサウンドハウスです)


CROWN XTi1002 パワーアンプの仕様
・出力
275W /8Ωと、現状のCROWN XLS1002に比べ60W増加した。
そして、レベルアップしたXTi1002には出力リミッター機能があるので、出力が70Wになるとリミッターが掛かるようにした。前段の自作真空管フォノイコライザーアンプは、誤操作すると10Vや20Vの出力電圧は軽く出るので、出力リミッター機能は本当に助かる。

・音質
低域は締まっている。また、駆動力が大きいのか、量感が増した。
中高音域は明るく、刺激を感じない音だ。
当方にとって理想とする音質に近い。CROWN社の中核を成している製品だけある。

・入力端子はXLRのみ
XTi1002は、RCA入力端子が無く、バランス型のXLR端子入力のみとなっている。
ハイレゾ、CDの再生を担うSMSL SU-9 DACはXLR出力があるので問題がないが、レコードの再生を担う自作真空管フォノイコライザーアンプはRCA出力のみだ。

結局、RCAとXLRの入力を切り替えて、XLRで出力するスイッチを、Amazonで探した。
3-IN-3-OUT XLR バランス/RCA ステレオコンバーター オーディオセレクターボックス MC3

スイッチ背面のケーブル接続

3入力と3出力が切り替えられる。

・出力端子
普通のスピーカー用端子(バインディングポスト)が実装されているが、バナナプラグを使うには穴に蓋があるので取り除く必要がある。
スピーカー用端子にバナナプラグを使う方法

・DSPによるオーディオ信号処理
XTi1002はデジタルアンプだ。デジタルアンプは回路の電源電圧を入力レベルに応じたPWM(パルス幅変調)波に変換して増幅する。
現在、PWM波に変換する方法として2種類ある。
1. 三角波を用いて、入力信号レベルに応じたPWM波出力
2. 入力信号をA/D変換して、デジタル信号処理(DSP)によりPWM波出力

1.は、SMSL SA-98E等の古いデジタルアンプに使われている。現在ではアナログ方式と呼ばれているが、PWMへの精度が低く歪が多い。

XTi1002は、2.のデジタル信号処理方式で、A/D変換したデジタルデータに様々なオーディオ信号処理を行った後、最後にPWM波へ変換する。オーディオ信号処理として、マルチスピーカ用フィルター機能、周波数特性、左右の出力ディレイ、最大出力リミッターの制限などが可能だ。
それらの信号処理を行うには、XTi1002とUSB接続したパソコンに、専用のソフト:Band Managerをインストールして行う。

・Band Managerのインストールと立ち上げ
CROWN XTi1002のサイトから、Software/HiQnet Band Manageをクリックし、Band Managerをインストールする。

XTi1002とパソコンをUSB接続し、XTi1002の電源を入れ、スタートメニューのHarman Proフォルダー内のBand Managerを立ち上げる
左上に「Please wait...」と、アンプを検出中とのウインドウが現れる。Band Managerソフトの左下のラック内にXTi1002のアイコンが表れると、正常にXTi1002とUSB接続されたので、ウインドウの"Finish Noww"をクリック。これで、Band ManagerからXTi1002が設定可能となる。

・おすすめの設定
普通に使っていても、やっておくべき設定を2件紹介する。
・入力レベルの設定
XTi1002は入力信号をそのままA/D変換するので、入力レベルをA/D変換可能な範囲に収める必要がある。

Band Managerを立ち上げ後の表示画面だ。左下のラック内にXTi1002のアイコンが表れ、その右に入出力の制御盤が表示される。制御盤の中央に入力レベルのレベルメーターがある。音楽を再生し、最大レベルで"CLIP"が点灯しないように、前段のアンプ/DAC等の出力レベルを調整する。

なお、本体の前面にボリュームがあるが、入力レベルを絞るのでは無く、デジタル信号処理により出力レベルを変化させている。

・アンプ出力リミッターの設定
最大出力が275Wあるので、ミス操作によるスピーカー破損が怖い。その不安を無くすために、出力にリミッターを掛ける。

左下のラック内のXTi1002のアイコンをクリックすると、制御パネルが表示される。複数のオーディオ信号処理がアイコンで示されている。制御パネルの右にあるLIMITアイコンをダブルクリックして設定する。


CH1とCH2の両チャンネルの設定が必要だ。
単位がdBFSとなっているので、最大出力(FullScale)からどれだけ下げるかを入力する。
出力を70Wに制限すると、最大出力は275Wだから、10log(70/275)=-5.9dB となって、-5.9dBFSに設定する。

・XTi1002の電源立ち上げ時のノイズ
パソコンとUSB接続して、電源を入れると、ノイズ音が生じ、その後ピロロンと音がでる。

テスターでパワーアンプの出力端子の電圧を測ると、プラス端子から40mVの電圧が出ていた。スピーカを接続しないと、この電圧は出力されないので、スピーカの接続の有無を判断しているのだと思う。スピーカ未接続で、アンプ回路が壊れるのを防止しているのだろう。

アンプの1W出力は、電圧にすると8Vppの出力電圧となるので、40mVの出力電圧は問題ないレベルだ。なお、ピロロンの音は、パソコンとUSB接続されているのを知らせているようだ。


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