毎日が好奇心

まずはやってみよう。そこからなにかが、生まれるかな?

スピーカー用2Wayフィルターネットワークの設計と自作。フィルターネットワークに使う空芯コイルの設計と作り方。

2023-07-30 01:57:26 | オーディオ

スピーカーを低域と高域の2Wayにするため、LC回路で2Wayフィルターネットワークを自作しました。2Wayフィルターネットワークの回路設計方法、2Wayフィルターネットワークに使う空芯コイルの設計と作り方を紹介します。(当方の忘備録を兼ねています。)

経緯
バックロードホーンのスピーカーを交換したのだが、高域が不足しており、2Wayフィルターネットワークを自作し、2チャンネル化した。
2Wayフィルターネットワーク回路の設計、コイルの設計と製作には、たくさんのWEBサイトを利用させていただいた。そのWEBサイトを紹介しながら、設計と作り方を紹介します。

1. 2Wayフィルターネットワークの回路設計
フィルター回路には、動作が確実で製作が容易な”12dB/Octave(-6dBクロス)”のLCフィルタとした。”12dB/Octave”とは、周波数が2倍になると、レベルが12dB下がる(レベルが1/4)特性。
また、"-6dBクロス"とは、クロスオーバー周波数で6dB下がる特性。このLCフィルタは高域側、低域側共に同じ位相変化(同相)をする。そして同相なのでクロスオーバー周波数では電圧和の+6dBの合成出力となり、周波数特性はフラットとなる。

1.1 ウーハとツイーターのインピーダンス(抵抗値)と音圧を読み取る。
・ウーハとツイーターのデータシートに掲載されている周波数特性、インピーダンス特性を見て、クロスオーバー周波数を決める。
ツイーターは中域周波数でインピーダンスが大きく上昇している場合があるが、コイルが大きくなるのでクロスオーバー周波数をずらすのが良い。なお音圧は、ツイーターの方がウーハより高いのが原則だ。
・ウーハとツイーターのクロスオーバ周波数でのインピーダンス(Ω)と、利用する帯域の音圧(dB)を読み取る。

1.2 L,Cの値を決める。
計算サイトは複数見つかるが、同じ値を示した次の2サイトで値を決めた。
各種ネットワークの計算 12dB/Oct(-6dBクロス)
ネットワーク設計プログラム 各種ネットワークの計算(下の方)

1.3 アッテネーターの値を決める。
ウーハとツイーターの出力音圧を同じにするために、ツイーター側にアッテネーターを入れる。
パッシブネットワーク計算 アッテネーター量とツイーターのインピーダンスを入力し、アッテネーターの R1,R2を求める。


2. 空芯コイルの設計と製作
低域用、高域用で2チャンネル分、合計4個のコイルを製作する。

2.1 銅線
低域用のフィルターでは、常にコイルがアンプとスピーカの間に接続されるので、ダンピングファクターを下げる。従い最低でも、直径1mmの銅線にしたい。4個のコイルの全長は100mを超える。
エナメル線 直径1.0mm 1kg(約140m)
Amazonサイト1
Amazonサイト2

2.2 銅線を巻くスプール(ボビン)
WEBで、スプールを探したが、理想とするものは見つからなかった。結局以下を選択した。
moonfarm 手芸用 スプール  直径60mm、幅27mmの製品、内径(直径)d:39mm、内幅l:27mm
力を加えても外れないように、プラスチック枠と筒を接着剤で固定する。

2.2 コイルの巻数Nと全長を求める。
WEBでは巻数NからインダクタンスLを求めるサイトは有るが、インダクタンスLから巻数Nを求めるサイトは無かった。
ソレノイドコイルのインダクタンスL コイルの直径d:スプールの内径、コイルの長さl:スプールの内幅
下の"巻線の長さ"が全長だが、1層のみに巻いた長さで、実際には複数の層に重ねて巻くのでこれより長くなる。。

長岡係数Kの計算 2R/L=スプールの内径d/スプールの内幅l

(参考用)インダクタンスLと巻数Nを求める計算式  単位 インダクタンス:H 長さ:m
インダクタンスL=K・((π・d・N)^2÷l) x10^-7  [H] (^2は二乗、^-7はー7乗を示す)
巻数N=√(L・l÷( K・π^2・d^2 x10^-7))

計算値例 (全長は、層が増すと1巻きで2mm長さが増えるのでその分を加えている。)
2.26mH 巻数265回 スプール内の層数9+α 全長34m
0.87mH 巻数165回 スプール内の層数6+α  全長23m
実際には、インダクタンスLを測定しながら巻いていくので、どのくらいの規模になるかの参考値。

2.3 コイルの製作
容易にスプールにエナメル銅線を巻くために、釣り用のスプール巻き器を利用した。エナメル線ボビンを床に置いて、1層ずつ重ねていく。

第一精工 高速リサイクラー

2.4 インダクタンスLの測定
インダクタンスを測れるメータはこれのみ。(特許を保有しているのかな?)
Proster デジタル LCRメーター

巻数を数えても良いのだが、大変なので層数を数えていく。内幅:27mmなので、1層に1mmの銅線が27回巻ける。
・インダクタンスの測定: 規定の層数を超えたら、そこのエナメルを紙やすり等で小さく剥がし、開始部分とエナメルを剥がした部分とのインダクタンスを測定する。足りなければ巻き増し、越えていれば戻す。また、スプール巻き器を利用している場合は、外して再測定する。(規定値になるまで、銅線は切断しない。)

規定値を示したら、20cm程余して、銅線を切断する。
巻線の固定には、長さ30cmのインシュロック(ケーブルタイ)を2本使用した。

3. コンデンサー
耐圧100V以上の製品を選ぶ。複数のコンデンサーを組み合わせ、LCRメータで測定しながら規定の値に近づける。

4. LCR部品の実装
2個のコイルは互いに影響し合うので、出来るだけ離して実装する。
部品の固定、振動防止は、100円ショップのプラスチック用接着剤(透明)を使った。



バックロードホーン関連
スピーカーを2チャンネルにする、2Wayフィルタの設計と作り方
バックロードホーンスピーカーを、2Wayシステムにしました。
バックロードホーンのスピーカをFE208SS-HPに交換、高音域改善のためにツイーターを追加
バックロードホーンのスピーカーを、FE-208NSに交換しました。
スーパーツィーターを、バックロードホーンスピーカーに追加しました。
バックロードホーン(BH)スピーカーの製作

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バックロードホーンスピーカーを、2Wayシステムにしました。

2023-07-19 00:46:50 | オーディオ

1.7KHzをクロスオーバー周波数にした2Wayフィルターネットワークを自作し、バックロードホーン用スピーカ:FE208SS-HPが低域、ツイーターが高域の2Wayシステムに変更しました。また、ツイーターのホーンを変更して、中域を強化しました。2Wayシステムバックロードホーンの音質を以前と比較し、メリット、デメリットとして評価します。

経緯
新しいバックロードホーン用スピーカを購入し、入れ替えてみたのだが、低域は力強くなったが、中高域は不足している。そこで、今まで使っていたスーパーツイーターをツイーターとして利用して、不足する中高域を補間していた。しかし、バックロードホーン用スピーカーとツイーターの両方から音が出ているので、ぼやけた音が聞こえる。

1. 1.7KHzをクロスオーバー周波数とした2Wayフィルターネットワークを自作

低域側がクロスオーバー1.7KHzのLとCのローパスフィルタ、高域側が1.7KHzのCとLのハイパスフィルタ、減衰量が12dB/Octave、クロスオーバー周波数で-6dBの減衰となる2Wayフィルターネットワークとした。
この2Wayフィルターネットワークは高域側、低域側共に同じ位相変化(同相)をする。そして同相なのでクロスオーバー周波数で+6dBの合成出力となり、周波数特性はフラットとなるようだ。


上半分が低域用LPF、下半分が高域用HPF。空芯コイルは自作した。180x120mmのプリント板の上に端子を立て、配線している。

2. ツイータードライバーD220Tiのホーンを変更
中域も担当するので、ホーン長が長い”HL11-25”に変更した。アルミ製で重さも有り、高級感も有る。
HL11-25 Datasheet:https://www.jbl.com.br/on/demandware.static/-/Sites-masterCatalog_Harman/default/dw491761d0/pdfs/JBL_CORNETA_HL11-25_TRIO_28056047_manual_portuguese.pdf
購入先は”Casa do Som”:https://casadosom.jp/。リーズナブルだ。ドライバーD220Tiも販売している。


3. 2Wayフィルターネットワークの設置場所はスピーカーボックスの上部後方
2Wayフィルターネットワークは、音出しまでスピーカーボックスの上部後方に置いてテストしていた。最終的な設置場所として、スピーカー後部の床上を選んだのだが、ガラリと音が変わってしまった。低域は歪のない低域のみ聞こえ、高域は勢いよく聞こえる。
"なぜだ"と床から離してみると、元に戻る。床下の鉄骨が影響して、空芯のコイルが鉄芯のコイルに変化し、コイルのインダクタンスが大きく増えてしまったようだ。
設置場所をスピーカーボックスの上部後方に戻した。2Wayフィルターの周辺に鉄製品は厳禁だ。

4. 2Wayシステムバックロードホーンの音質
・メリット
中高域がスッキリした。女性ボーカルがボケて聞こえていたのが無くなった。
高域はチタニウム振動板のドライバーを使用しているので、繊細なシンバルの音が再現できるようになった。
十分な低域と、フラットで伸び切った高域が特徴の音だ。

・デメリット
マルチスピーカにして、無くなった音がある。低域の力強さと、楽器等の鳴り初めの瞬間の音だ。
低域は十分に出力されているが、十分に制御されたゴリゴリとした低音ではなく、普通に”ウーン”と鳴る低音になってしまった。
原因は、2Wayフィルターのローパス側に使われているコイルL(2.26mH)だ。低域信号は常にこのコイルを通過するのだが、このコイルの抵抗値が0.9Ωもある。(銅線直径1mm、長さ34m)
パワーアンプのダンピングファクターは500以上となっているから、500とするとパワーアンプの出力抵抗は8/500=0.016Ωとなる。コイルの抵抗値:0.9Ωがいかに高いかが分かる。
FE208SS-HPは大型フェライトマグネットを二枚使用して磁気回路を強化しているが、そのメリットを弱めてしまった。

楽器等の音は複数の帯域の音で形成されているが、鳴り初めの複数の帯域の音が同位相で発音されると、バックロードホーンでは柔らかな瞬間音から始まるが、マルチスピーカーでは乾いたザラつきのある瞬間音から始まる。
ホーンツイーターを使用しているので、発音部分を同じ垂直平面位置に持ってくるのは難しい。また、2Wayフィルターを利用する限り、クロスオーバー周波数に近づくに従い遅れ位相になるから、すべての帯域で同位相で発音するのは不可能だ。



バックロードホーン関連
スピーカー用2Wayフィルターネットワークの設計と自作。フィルターネットワークに使う空芯コイルの設計と作り方。
バックロードホーンスピーカーを、2Wayシステムにしました。
バックロードホーンのスピーカをFE208SS-HPに交換、高音域改善のためにツイーターを追加
バックロードホーンのスピーカーを、FE-208NSに交換しました。
スーパーツィーターを、バックロードホーンスピーカーに追加しました。
バックロードホーン(BH)スピーカーの製作

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バックロードホーンのスピーカをFE208SS-HPに交換、高音域改善のためにツイーターを追加

2023-04-21 15:16:28 | オーディオ

バックロードホーンのスピーカを、フォステクスのFE208NSからFE208SS-HPに交換して、2週間が経ちました。FE208SS-HPの音質をFE208NSと比較して評価します。そして音質改善のためにツイーター機能を加えました。

経緯
昨年末にFE208NSが生産を終了し、そして3月にFE208SS-HPの発売が発表された。値段も高価だし、これはFE208NSを上回る音質のスピーカーの発売だと期待した。WEBで受付が始まるのを待って註文。3月末の出荷品をゲットできた。

外観
FE208SS-HPをスピーカボックスに取り付けた、

いかつい顔をしている。見るからに力強い音が出そうだ。

FE208SS-HPの音質評価
早速試聴です。3時間聞いて、まともになってきた。3日経って安定したようだ。

・低域
力強くなった。体で感じられる。
現在使用しているDAC(SMSL D300)は、低域が硬い絞まった音を出すので、相乗効果が生じている。

さらに、今までブーンと聞こえていたベース音の、ブの部分が弱まりウーンと聞こえる。低域の歪が消えている。
レコードを再生しても同様だ。低域の歪が消えている。
このスピーカーの最大の改良事項で、アピールポイントだと思う。

・高域
足りない。5.5KHzにピークを持っているので、そこに引掛った音が時々聞こえる。
FE208NSでは普通に聞こえていたので、大きな違和感がある。

スーパーツイータの追加
当方のスーパーツイータは、1KHzまで再生可能なツイータをコンデンサC1:0.22μFでハイパスフィルタリングして利用している。
スーパーツイータを付加すると、高域が大幅に改善するのが判る。
FE208NSの時は、同じスーパーツイータを付加してもほとんど変わらなかった。FE208SS-HPの高域がいかに不足しているかが判る。

この状態で暫く聞いていたが、女性ボーカルの艶、しっとり感が感じられない。中音域までの補正が必要なのでは と考えた。

ツイーター機能の追加
現状、スーパーツイータとしてツイータを使っているので、早速試してみる。

ツイータの音圧レベルはFE208SS-HPより10dB高いので、試しに減衰用抵抗R1:75ΩをコンデンサーC1に並列に付加してみる。中音域から高域までツイータの音が支配した。FE208SS-HPはベース音のみ聞こえる。しかし、音に艶がある。ツイータ機能付加の効果があることがわかった。

FE208SS-HPの低域とつり合いを取る為、抵抗R1の値を高くしていき、結局300Ωとした。
すると、時々音が乱れる。2個のスピーカーから同じ音が出ているからだ。コンデンサC2:0.2μFを抵抗R1に直列に付加し、ツイータ出力を5.3KHz以上とした。

音に艶を感じ、聞き慣れた音になった。音量レベルも下げて聞くようになり、低音域のレベルも下がり、聞きやすい音が復活した。応急処置として、当分これで行こう。

まとめ
FE208SS-HPの購入価格が安かったら、FE208NSに戻していたと思う。今回は、しばらく使ってみよう。
1.7KHzあたりをクロスオーバーにして、2Wayにするのが良さそうだ。



バックロードホーン関連
スピーカーを2チャンネルにする、2Wayフィルタの設計と作り方
バックロードホーンスピーカーを、2Wayシステムにしました。
バックロードホーンのスピーカをFE208SS-HPに交換、高音域改善のためにツイーターを追加
バックロードホーンのスピーカーを、FE-208NSに交換しました。
スーパーツィーターを、バックロードホーンスピーカーに追加しました。
バックロードホーン(BH)スピーカーの製作



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ROHMのMUS-IC:BD34301EKVを搭載した、SMSL社のD300を購入しました。

2022-04-28 00:36:34 | オーディオ

すでにESSテクノロジーや旭化成のDAC ICが、性能(S/N、歪み率等)で高性能を極めており、そこで競うのではなく、音楽性を主題と捉えたDAC ICを日本の電気部品メーカ ROHMが開発した。そのROHMのDAC ICチップ BD34301EKVを搭載したSMSLのDAC D300が販売されている。

現状はESSテクノロジーのICチップ(ES9038PRO)を搭載したSMSL SU-9を利用しているが、音楽性重視ということでどんな音なのか、SMSL DAC D300で聴きたくなった。SMSLのSU-9とD300の音質の比較、評価も含めて報告します。



・ROHMのICチップ:BD34301EKV関連
ROHMのIC開発コンセプト:「クラッシック音楽の鑑賞で重要な3要素(空間の響き、スケール感、静寂性)を表現することに重きを置いて開発」
開発理念 "MUS-IC"
製品紹介資料
BD34301EKV データシート

・Audio Science Review
SMSL D300 Review


・D300はエージングが必要だ。
最初は、1音1音に付随音が聞こえ、覇気のない音が出力される。だが、4時間聴くとマトモになってきた。さらに、二日目から、低域も十分に出てきた。

・D300の音質評価
上記のように、開発コンセプトが明確なDAC IC:BD34301EKVを搭載したD300が、SMSLのSU-9と比較して、どのように違うのかを探ってみた。
・エージング1週間後
SU-9とD300を比較しての評価だが、全然音質が違う。
SU-9が音楽データをそのまま再生するキレキレのDACだとすると、D300は音楽を聴きやすい優しい音で再生する。
抑揚の激しい曲では、D300はレンジが抑えられ聴きやすくなる。
ボーカルは、SU-9が単純な一つの音の音声とすると、D300は複数の音の絡み合った密度の高い音声として聞こえる。

・エージングその後
「優しい音」との傾向は消えた。むしろ硬い音になった。
低域は、SU-9は豊かな無歪み(単音)のベース音が聞こえるが、D300は硬い締まった複数音からなるベース音だ。
ボーカルは、変わらず複数の音の密度の高い音だ。

「複数音から構成された密度の高い音」が、D300の最大の特徴だ。

・電気的特性測定値は、SU-9が少し上回る。
Audio Science Revieで両方の電気的特性を比較できるが、周波数特性は両方ともフラットで、S/N比、歪み率、混変調歪、ジッター抑圧比等の数値は、SU-9がわずかに上回る。しかし、充分にに低いレベルであり、両方ともに不純物(高調波、混変調波、ジッター歪)による音の発生は無いだろう。

・音楽性は次のステップ
ROHMが電気的特性を満たした上で、音楽性の高いDAC ICを出してきた。ESSテクノロジーや旭化成はこれ以上の電気的特性の向上は無意味だと判っているので、音楽性に独自の特色を持たせたDAC ICの開発を進めるだろう。特に、ESSテクノロジーは、ES9038PROの上位レベルのICを長らく出していないので期待したい。

・おすすめの設定:出力レベルを可変に
D300はデフォルトで、出力レベルが"固定"となっている。当方の場合、DAC出力をスイッチを介してパワーアンプに直接入力しているので、出力レベルを"可変"に設定した。
操作は、MENU押しボタンでメニュー表示させ、丸ノブでメニューを選択し、MENU押しボタンで選択を決定する仕様となっている。

メニューボタンを押して、PRE MODE/VOL VARIABLE を選択する。
丸ノブを回すと、出力レベルが変更できる。

・板金の筐体
これまでSMSLから購入した製品の筐体は、アルミのブロック筐体だったが、D300は板金で作られている。従い、上面、下面を叩くと振動音が聞こえる。
音の再生には向いていない。事実、上に重いものを乗せると、低音域の膨らみが減少する。

Amazonで幅5cmX長さ1mの鉛板を購入し、上面、下面に貼り付けた。

これでも、上面を叩くと振動音がする。もう1列追加するかな。



DAC関連
パソコンで、ハイレゾ音源ファイルと同様に、CDの音楽ファイルを高音質で再生する。
ROHMのMUS-IC:BD34301EKVを搭載した、SMSL社のD300を購入しました。
ES9038PROを使用したDAC端末 SMSL SU-9を、購入しました。
ESSテクノロジーのES9038Q2Mを実装した、SMSLのSU-8 DACを購入しました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パワーアンプをアメリカ・CROWN社の XTi1002にレベルアップしました。

2022-04-21 22:49:42 | オーディオ

パワーアンプをレベルアップしました。
今までは、CROWN社の XLS1002を利用していましたが、同じCROWN社のXTi 1002 を購入しました。(購入先はサウンドハウスです)


CROWN XTi1002 パワーアンプの仕様
・出力
275W /8Ωと、現状のCROWN XLS1002に比べ60W増加した。
そして、レベルアップしたXTi1002には出力リミッター機能があるので、出力が70Wになるとリミッターが掛かるようにした。前段の自作真空管フォノイコライザーアンプは、誤操作すると10Vや20Vの出力電圧は軽く出るので、出力リミッター機能は本当に助かる。

・音質
低域は締まっている。また、駆動力が大きいのか、量感が増した。
中高音域は明るく、刺激を感じない音だ。
当方にとって理想とする音質に近い。CROWN社の中核を成している製品だけある。

・入力端子はXLRのみ
XTi1002は、RCA入力端子が無く、バランス型のXLR端子入力のみとなっている。
ハイレゾ、CDの再生を担うSMSL SU-9 DACはXLR出力があるので問題がないが、レコードの再生を担う自作真空管フォノイコライザーアンプはRCA出力のみだ。

結局、RCAとXLRの入力を切り替えて、XLRで出力するスイッチを、Amazonで探した。
3-IN-3-OUT XLR バランス/RCA ステレオコンバーター オーディオセレクターボックス MC3

スイッチ背面のケーブル接続

3入力と3出力が切り替えられる。

・出力端子
普通のスピーカー用端子(バインディングポスト)が実装されているが、バナナプラグを使うには穴に蓋があるので取り除く必要がある。
スピーカー用端子にバナナプラグを使う方法

・DSPによるオーディオ信号処理
XTi1002はデジタルアンプだ。デジタルアンプは回路の電源電圧を入力レベルに応じたPWM(パルス幅変調)波に変換して増幅する。
現在、PWM波に変換する方法として2種類ある。
1. 三角波を用いて、入力信号レベルに応じたPWM波出力
2. 入力信号をA/D変換して、デジタル信号処理(DSP)によりPWM波出力

1.は、SMSL SA-98E等の古いデジタルアンプに使われている。現在ではアナログ方式と呼ばれているが、PWMへの精度が低く歪が多い。

XTi1002は、2.のデジタル信号処理方式で、A/D変換したデジタルデータに様々なオーディオ信号処理を行った後、最後にPWM波へ変換する。オーディオ信号処理として、マルチスピーカ用フィルター機能、周波数特性、左右の出力ディレイ、最大出力リミッターの制限などが可能だ。
それらの信号処理を行うには、XTi1002とUSB接続したパソコンに、専用のソフト:Band Managerをインストールして行う。

・Band Managerのインストールと立ち上げ
CROWN XTi1002のサイトから、Software/HiQnet Band Manageをクリックし、Band Managerをインストールする。

XTi1002とパソコンをUSB接続し、XTi1002の電源を入れ、スタートメニューのHarman Proフォルダー内のBand Managerを立ち上げる
左上に「Please wait...」と、アンプを検出中とのウインドウが現れる。Band Managerソフトの左下のラック内にXTi1002のアイコンが表れると、正常にXTi1002とUSB接続されたので、ウインドウの"Finish Noww"をクリック。これで、Band ManagerからXTi1002が設定可能となる。

・おすすめの設定
普通に使っていても、やっておくべき設定を2件紹介する。
・入力レベルの設定
XTi1002は入力信号をそのままA/D変換するので、入力レベルをA/D変換可能な範囲に収める必要がある。

Band Managerを立ち上げ後の表示画面だ。左下のラック内にXTi1002のアイコンが表れ、その右に入出力の制御盤が表示される。制御盤の中央に入力レベルのレベルメーターがある。音楽を再生し、最大レベルで"CLIP"が点灯しないように、前段のアンプ/DAC等の出力レベルを調整する。

なお、本体の前面にボリュームがあるが、入力レベルを絞るのでは無く、デジタル信号処理により出力レベルを変化させている。

・アンプ出力リミッターの設定
最大出力が275Wあるので、ミス操作によるスピーカー破損が怖い。その不安を無くすために、出力にリミッターを掛ける。

左下のラック内のXTi1002のアイコンをクリックすると、制御パネルが表示される。複数のオーディオ信号処理がアイコンで示されている。制御パネルの右にあるLIMITアイコンをダブルクリックして設定する。


CH1とCH2の両チャンネルの設定が必要だ。
単位がdBFSとなっているので、最大出力(FullScale)からどれだけ下げるかを入力する。
出力を70Wに制限すると、最大出力は275Wだから、10log(70/275)=-5.9dB となって、-5.9dBFSに設定する。

・XTi1002の電源立ち上げ時のノイズ
パソコンとUSB接続して、電源を入れると、ノイズ音が生じ、その後ピロロンと音がでる。

テスターでパワーアンプの出力端子の電圧を測ると、プラス端子から40mVの電圧が出ていた。スピーカを接続しないと、この電圧は出力されないので、スピーカの接続の有無を判断しているのだと思う。スピーカ未接続で、アンプ回路が壊れるのを防止しているのだろう。

アンプの1W出力は、電圧にすると8Vppの出力電圧となるので、40mVの出力電圧は問題ないレベルだ。なお、ピロロンの音は、パソコンとUSB接続されているのを知らせているようだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする