2017年のブログです
*
松木邦裕・東中園聡編『精神病の精神分析的アプローチ-その実際と今日的意義』(2008・金剛出版)を再読しました。
この本もかなり久しぶりの再読で、しかも、最初に読んだ時にはじーじの力量がとても貧弱だった時で、あまり理解をできずに終わってしまったという記憶がありました。
今回、精神科デイケアでのボランティアも5年目に入り、以前よりは少しだけ精神病のことや精神分析的アプローチのことが理解できるかもしれないという淡い期待を持って読みました。
しかし、やはり精神病という病いはなかなか難しい病いで、そのアプローチも並大抵のことでは難しいということを再認識させられました。
そんな中、本書の著者らは、本当に地道な努力と患者さんとの協同作業で、一歩一歩患者さんの治療に当たっていることが読み取れます。
今回、改めて勉強になったことはたくさんあるのですが、たとえば、精神病状態のこころの状況(これは解体・破滅不安といわれるようですが…)の理解とか、妄想の意味やそれへの対応の方法、転移と逆転移の読み取り、不安のコンテイン、その他もろもろ、です。
これらの考え方が、具体的な事例をもとに述べられているので、じーじのような初級者でも多少は理解ができます。
中級者であれば、さらに深く理解できるのではないかと思われます。
現場でいろいろ経験していることと照らし合わせると、頷けることも出てきました。
ケースが見える人は、本当にいろいろ見えて、いろいろな対応ができるんだな、と改めて感心をしました。
少しでもそういうレベルになりたいですし、メンバーさんと協力作業ができるようになりたいものだ、とつくづく思いました。
年寄りだからとあきらめないで、さらに少しずつでも勉強を積み重ねていこう、と思いました。 (2017 記)
表面的には、幻覚・妄想や不安などで普通の生活ができにくい状態といことになるでしょうか。
しかし、精神分析では、誰のこころの中にも分裂・妄想の状態を抱えていると考えますので、誰でもが程度の差はあれ、精神病の状態になりえます。
精神科医もそんな自らのこころの状態を利用して、困難な治療に当たっているということではないでしょうか。
さっそくにお応えくださり、ありがとうございました。
中井久夫さんの本などを参考にしてみてください。