2014年のブログです
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尾崎新さんの『対人援助の技法-「曖昧さ」から「柔軟さ・自在さ」へ』(1997・誠信書房)を読みました。
尾崎さんのことはボランテアでおじゃまさせていただいている精神科デイケアの本棚で偶然,尾崎さんの『臨床・精神科デイケア論』(1992・岩崎学術出版社)を見つけて読んでみたところ,これまでにいくつか読んだデイケア論の中で一番おもしろく読めてファンになりました。
ウィニコットさんを中心に「ほどよさ」を論じているところが新鮮でした。
続けて読んだこの『対人援助の技法』も,対人関係の「援助」について丁寧な論考がなされていて参考になります。
精神分析の考え方も参考に深い考察がなされており,援助者が陥りがちな陥穽に警告をしていると思います。
今後に大切な一冊になりそうだと思いました。 (2014.4 記)
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2023年12月の追記です
尾崎さんのこの本、久しぶりにパラパラとめくってみました。
なかなか難しい本で、今のじーじの力でもまだまだ理解が十分とは言えない感じです。
当時、よくチャレンジしたものだと感心します(?)。
サブタイトルにあるように、曖昧さや多様さは奥の深さや幅の広さに繋がり、柔軟さや自在さに繋がるようです。
そして、そのしなやかさを支えるものがゆとりや自由さのようであるとおっしゃっています。
おそらく、そこには、ウィニコットさんのいう、遊ぶこと、の大切さがあるようにじーじには思われます。
もっと、もっと、勉強をせねばなりません。 (2023.12 記)