たぶん2017年のブログです
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遊戯療法家の田中千穂子さんの『障碍(しょうがい)の児(こ)のこころ-関係性のなかでの育ち』(2007・ユビキタスタジオ)を再読しました。
この本もずいぶんいい本なのにかなりのひさしぶりで、自分の勉強不足を反省させられます。
この中では、知的障碍で何らかのご事情から困難に陥ってしまった人たちへの田中さんの心理相談などの援助の様子が描かれています。
かなりの事例が描かれ、その困難さを障碍者の人と一緒に少しずつ解決をしていく、あるいは、馴染んでいく田中さんの粘りとていねいなアプローチは感動的です。
また、何かとたいへんなご家族にもていねいにより添う田中さんの姿もすばらしいです。
そして、それらの援助活動の底には、やはりユーモアの力の大きさを感じさせられる場面が数多く描かれています。
たくさん学ぶべきところがあった中で、今回、じーじが一番、すごいと思ったのは、ある障碍者の女の子とのプレイセラピー。
女の子がカウンセラーの田中さんを刀で切り刻むというプレイをした時に、田中さんがその凄惨な場をユーモアで笑いに変えようと、手足をわざと間違えて再生し、プレイルームを笑いの場に変えてしまい、再生の物語に変えていくというプレイをしたところでした。
どんなに苦しい場面であっても、ユーモアで切り抜け、生き残り、クライエントを守るという治療者としての田中さんの姿に感動しました。
あらためてユーモアの力のすごさを考えさせられました。
もっともっと勉強と経験を積み重ねようと思います。 (2017?記)
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2024年12月の追記です
ご紹介した事例は、女の子の行動が激しくて、さすがの田中さんも困難さを感じますが、田中さんの機転のきいたユーモラスな対応で、笑いが生じて、すごく生き生きとしたセラピーになっています。
田中さんの即興性やユーモアのすごさがとても印象的な事例です。 (2024.12 記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。
1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com