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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

小林隆児『あまのじゃくと精神療法』2015・弘文堂-本の帯に、甘えられない子どもが危ない!とあります

2024年12月04日 | 精神療法に学ぶ

 2022年12月のブログです

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 児童精神科医の小林隆児さんの『あまのじゃくと精神療法』(2015・弘文堂)を数年ぶりに再読する。

 本棚を見るたびに気になっていた本だが、なかなか読めずにいた。

 じーじもかなり「あまのじゃく」なほうだと思う(?)が、そういうところがじゃまをしていたのかもしれない。

 本書は、土居健郎さんの「甘え」理論を下敷きに、主に子どもの心理やこころの病気を論じたもの。

 「甘え」理論で重視されるアンビヴァレントなこころの状態をさらに展開し、「あまのじゃく」という概念に結びつけていて、なかなか興味深い。

 とはいえ、けっこう難しい本でもあって、じーじなどは何割理解できたのかあやしい。

 もっとも、数多くの症例が示されていて、それを読むだけでも勉強になる。

 不安性障碍、不登校、摂食障碍、抜毛症、パニック障碍、その他もろもろ。

 子どものこころのいろいろな症状の底に、甘えたいのに甘えられない、という「あまのじゃく」の状態を見て取るのがすごい。

 難しい症例が多いが、小林さんはほんの少しの精神療法でもって、ほんの少しだけの改善をめざしている、ように見える。

 そこには、少しの改善がやがて大きな改善に繋がるような人間への信頼がある、ように見える。

 精神療法におけるエヴィデンスの問題にも触れられていて、言語化やそれへの共有化を進めることがエヴィデンスに繋がると明快に述べる。

 それへの一例が「あまのじゃく」という概念なのだろう。

 まだまだ理解不足で、誤解もあろうかと思うが、さらに勉強を深めたいと思う。          (2022.12 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com  

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子どものSNS利用を禁止することについて考えてみる-じーじのじいじ日記(2024・12・4)

2024年12月04日 | じいじ日記を書く

 2024年12月4日の日記です

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 オーストラリア政府が16歳未満の子どもがSNSを利用することを禁止する法律を成立させた。

 これについて、世界中で賛否両論の意見が出ているようだ。

 日本でも、テレビのインタヴューで、中学生が、SNSがないと生きていけない、などといっている映像が映って、じーじなどは、何を言っているんだ!と中学生の頭を叩きたくなった(?)。

 中学生が、SNSがないと生きていけない、などというのは異常ではないか!

 じーじにはよくわからないが、今や日本の世の中は、そんな事態になっているのだろうか?

 子どもたちがSNSを使ったり、ゲームに夢中になっていることは知っているが、それほどとは思わなかった。

 ニュースを見ていると、子どもたちのいじめがSNSを使って行われていたり、子どもたちがゲームに熱中しすぎていることが出てくる。

 おとなだって、たとえば、闇バイトの犯罪はSNSによる募集が原因の一つになっている。

 受験の時に、スマホでカンニングをして捕まった受験生のニュースを見たこともある。

 SNSは便利なのかもしれないが、使い方によってはとても危険な道具でもある。

 じーじがもっと怖いのは、少数のSNSの情報によって世論が動かされていること。

 先日の兵庫県知事選挙も一部の悪意のあるSNSの情報によって左右された疑いがある。

 SNSを運用する会社は、悪意のある情報の遮断に留意をしなければならない義務があるだろう。

 情報や言論の自由は守らなければならない最低限のルールだが、犯罪行為や悪意による行動は抑えなければならない社会的な責任もあるだろうと思う。

 警察の動きも鈍い。

 言論弾圧はあってはならないことだが、犯罪行為の摘発には勇気をふるってほしい。

 国民を守ることは大切なことであるし、判断能力が十分ではない子どもたちを守ることはなおさらである。

 それが、警察や政府のちからによるのか、それともおとなたちが自主的にできるのか、おとなたちの成熟度が試されている時代なのかもしれない。       (2024.12 記)

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