ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

「挿絵本の世界」展

2010-06-07 01:45:56 | 美術[さ]
「挿絵本の世界―きれい、カワイイ、怖い―本と版画のステキな関係展」@国際版画美術館

 ひさびさの町田、駅前がグンと様変わりしていた。ぐるっとパスで最終日に入場。学芸員によるギャラリートークがあったが、40分の予定のところを70分かけてみっちりトークしてくれた。

 15世紀末頃の印刷技術が無かった頃の手描きの書物から活字印刷本、そしていきなり19世紀以降の書籍の中の版画に飛ぶ。「きれい・カワイイ・怖い」がテーマだが、「怖い」はいまいち「怖くない」展開に終わった。エッチングに手彩色したファッション雑誌の挿絵のような優雅なものや、童話の絵本的な子供が飛びつく「カワイイ」もの、デューラー、ミュシャ、マネ、ビアズレー、ルドン、ピカソ、シャガールなどの版画を入れたいろいろな書物などが展示してあった。

 初期のころの印刷書物は綴じずに売っていて、どんな背表紙をつけるかは買った人が決めていたらしい。だから書物を買うたびに同じ装丁の背表紙をつけて製本して、「我が家の書籍」として揃えて書棚に並べていた金持ちもいたようだ。

 製本はそれぞれ勝手にやっていたので、同じ書物でも見た目だけでなく、大きさも同じでなかったり、切り揃える時に切りすぎて下端の文字が端っこに寄っちゃってたりするものもあったようで、そんな危なげなおまぬけ本も展示してあった。
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下落合の佐伯祐三

2010-05-06 00:01:33 | 美術[さ]
新宿区立佐伯祐三アトリエ記念館

 西武新宿線「下落合」から徒歩10分、佐伯が暮らしていたアトリエ付き住宅のあった場所が、4月28日にアトリエ記念館として一般公開された。真ん中にあった母屋は既に無く、テラスになっている。三角屋根のアトリエと、テラスを挟んだ向かい側にあった東屋を再現した管理棟が立っている。アトリエの周辺は小さな公園となっている。パネルや地図などの資料の展示だけで、ここには作品は展示されていない。入場無料。


「佐伯祐三展 - 下落合の風景 -」@新宿区立新宿歴史博物館

 佐伯祐三アトリエ記念館の開館を記念して開催された佐伯祐三展。佐伯がパリから戻り、再びパリに行くまでの間に描いた、下落合風景14点に、同じ場所から見た現代の風景写真を並べて展示している。ポーラ美術館所蔵の山手線のガードの絵は、現代の風景でも、ああなるほどと思えるが、ほかの作品と現代の風景のあまりの変わり様には笑うしかない。下落合だけでなく、滞船やパリの風景などもいくつか展示されている。
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栖鳳 & 大観

2010-02-14 22:28:55 | 美術[さ]
「大観と栖鳳 - 東西の日本画 -」@山種美術館

 豪華なビッグネーム2人。所蔵品の中からこの2人を中心に、東西のいろいろな作家の作品も展示している。大観は《心神》という富士山の絵、《楚水の巻》《燕山の巻》という巻物2品ほかいろいろ展示。

 栖鳳は、外人っぽいグリーンの瞳で、上目遣いに毛づくろいをする《班猫》が2年ぶりに登場。これはやっぱいい。

 スピード感のある白リスを描いた橋本関雪の《霧の朝》も好き。橋本関雪は洋犬30匹、ペルシャ猫十数匹、テナガザル、アンゴラウサギなどを飼っていたらしい。

 前田青邨の《腑分》も面白い。横たえた女性の遺体を解剖するべく集まったテカテカ頭のおっさんたち二十数人の絵。
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仏像マニアックス3 & G-Tokyo

2010-02-01 08:31:38 | 美術[さ]
「仏像マニアックス3」@TOKYO CULTURE CULTURE

 今回は9人集まって仏像お笑いトークショー第3弾に行ってきた。

 前半は今回初登場の郡正夫さんによる、インターネットラジオ「コーリーの仏像でGO!」にまつわるトークにまんじまるさんが絡むという感じ。

 後半はクロスケさんと小嶋独観さんが「あの世のテーマパーク」地獄極楽めぐりを紹介するというもの。

 いつものように笑わせてもらったけれど、今回は仏像が出足りなかったんじゃないかと、ちょっと食い足りない気分の人もいたようで、「仏像マニアックス」を聞きにきたら「地獄マニアックス」になっちまった。その上、日曜日の昼間っからこんな所に寄り集まって、罰当たりなお笑いトークを聞いてるほうも喋っているほうも地獄に落ちるに違いないと、クロスケさんが結論付けていた。なるほどそのとおりである。



 2時間半のトークショーが終わってから、少しでも地獄から遠ざかるために、パレットタウンの大観覧車に乗って、下界のちっぽけな人間どもを見下ろしてきた。まあ、降りた途端に自分も見下ろされるノミの十二指腸くらいちっぽけな人間に逆戻りしたわけだが。



「 G-Tokyo 2010」@森アーツセンターギャラリー

 その後、有志3人で六本木ヒルズに遠征。15のギャラリーが集まって、売出し中の現代アート作家の作品を展覧会形式で見せるアートフェアに行ってきた。これはこの土日だけの企画だった。それぞれのギャラリーが割り当てられた展示ブースの中に、自由なレイアウトで作品を展示していた。アーティスト名も書いてない所や、値段を掲示している所などさまざまで、すでに売約済みになっているものもあった。

 ミズマアートギャラリーは山口晃1本で、1本だけあって、電信柱も1本。これは「柱華道」という新作で、電信柱がお馴染みの和洋折衷の妙な按配になっているもの。リアル立体電柱と、ドローイング作品が展示されていて、ふと振り返ると、受付の椅子には山口さん本人が澄ました顔で座っていた。

 シューゴアーツには金氏徹平の霜降り立体作品が3個くらいドデンと居座っていた。売約済みと思われる赤いシールが貼ってある作品の値段は数百万円。

 SCAI THE BATHHOUSEには名和晃平のビー玉粘着作品があったが、中には仏像が安置されていた。

 そんなこんなで、大きな会場で展覧会的雰囲気の中、いろいろなアーティストの新作などがサラっと見て歩けてなかなかよかった。もっと長い期間やればいいのに、事情があってそうもいかないのかな。
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七宝 SHIPPO展

2009-09-12 23:55:19 | 美術[さ]
「七宝 SHIPPO 展――色と細密の世界」@INAXギャラリー1

 日曜日は休館というINAXギャラリー、平日は仕事となればチャンスは土曜日しかない。

 涛川惣介は2点しかなかったが、並河靖之は10点ほど展示してあった。ちっこいのばかりだったけど、虫眼鏡付き展示もあって、あまりの繊細さに背筋も凍るようないい気分だった。

 INAXギャラリーのすぐそばにある「宝満堂 銀座店」でも「明治の七宝展」をやっていたので、ついでに行ってみた。ここは販売店なので、でかい壺からちっこい花瓶まで、いろいろ展示してあった。そして当然、値札が付いている。七宝がいくらくらいで買えるのかがわかって面白い。でもすごく高いのだ。安いのは6万円くらいからあるのだが、6万円は安いとはいわない。

 並河靖之も小品が3点売っていた。いちばん精密な有線七宝が120万円とか (;´o`)

 でも金線を貼った有線七宝は作者不詳でちっこいくせに330万円なのだそうだ。俺と住む世界の違う人たちが買うのだなぁ。
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Stitch by Stitch

2009-08-23 23:41:31 | 美術[さ]
Stitch by Stitch -針と糸で描くわたし@東京都庭園美術館

 針と糸で縫いもの的なイメージがあったので、どちらかといえば女性向きな展示だろうと思って。あまり気にいていなかったが、見てみると、いろいろインパクトのある作品も展示されていて、予想外に面白かった。

 入っていきなり登場するのは、手塚愛子「落ちる絵」。刺繍の裏事情を目撃したかのような、ピンクの糸によるディスプレイが印象的だった。

 村山留里子「Untitled」:真っ黒な女性の体の内部が花畑のような不思議なというか不気味な立体。

 清川あさみ作品は、写真にビーズなどを直接刺繍してしまう剛力作品。きれいでもありグロテスクでもあり。そして、造花にまで刺繍を施すツワモノ。刺繍された葉っぱは、別の生き物のように妙な模様をつけてキラキラ輝いている。
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ジョン・レノン・ミュージアム

2009-08-22 22:43:20 | 美術[さ]
 さいたまスーパーアリーナの4、5階に2000年にオープンした「ジョン・レノン・ミュージアム」に行ってきた。ジョン・レノン、ビートルズにまつわる品々やメッセージが展示されている。

 「Play It By Trust. 信頼して駒を進めよ」

 アーティスト オノ・ヨーコの作品で「ホワイトチェスセット」というものが展示してあって、これはなかなかよかった。白いチェス盤の両陣営共に白いコマが並べてある。どちらも同じ色なのだから、敵ではない。これは戦争ではない。だから安心して前に進め。平和を願っていたジョンとヨーコならではのメッセージとなっている。
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シアトル美術館展

2009-08-16 21:21:12 | 美術[さ]
美しきアジアの玉手箱―シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展@サントリー美術館

 シアトル美術館所蔵作品から東洋美術品を展示している。いちばんの目玉は、本阿弥光悦書、俵屋宗達画による《鹿下絵和歌巻》であろう。シカがおおぜいさんお集まりになった22メートルの巻物。昭和10年に半分にちょん切られて、後ろ半分はシアトル美術館に買い取られた。前半分はさらにさらにちょん切られて、あっちゃこっちゃに分散されてしまった。今日は、山種美術館、五島美術館、MOA美術館から、掛け軸になったものと、シアトルから10メートルくらいの巻物が展示してあった。ぞろぞろ集まったシカや、呑気にぴょんぴょん跳ね回るシカなどが宗達によって描かれ、その上から光悦の文字が書かれているお馴染みの構図。このあたりだけ、微妙に展示替えもある。

 《蜻蛉・蝶図 市河米庵・狩野晴川院ほか70名の詩と画》が面白い。チョウチョとトンボの寄合書というもの。総勢70人が、バタフライコーナーとドラゴンフライコーナーに思い思いの絵や文字を寄せ書きしている。だれか転校するお友達がいたのだろうか。

 その他、ネパールの《インドラ坐像》、懐月堂派の《遊女立姿図》、北斎の《五美人図》、清時代の《紅釉瓶》、桃山時代《織部亀甲縞文水注》などもよかった。




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写楽 幻の肉筆画展

2009-07-18 21:43:15 | 美術[さ]
「写楽 幻の肉筆画 ギリシャに眠る日本美術~マノスコレクションより」@江戸東京博物館

 両国駅から江戸東京博物館にテケテケ歩いて行くと、駐車場に観光バスが何台も止まっていてびびった。な、なんじゃこりゃ!? 会場の中はまあ、押し合い圧し合いというわけでもなかったが、けっこう賑わっていて、小さい版画の前は牛歩になっていた。

 すべて、ギリシャ国立コルフ・アジア美術館所蔵作品。コルフ島の王女ナウシカアが島に漂着した主人公オデュッセウスを救ったという神話があって、ん? ジブリか? と思ったら、「風の谷のなにがし」は、この王女ナウシカアを元にした名前だそうだ。

 写楽はいったい誰なのか、については、お笑いアートテラーとに~さんのブログでも見てもらうこととして。

 今回の目玉は、扇子に描いた写楽の肉筆画ということで、なかなかちっこい目玉だな。この辺りに来るとまだ空いていて、ちっこいわりに見やすかった。ちっこいくせに、なんだか御利益がありそうで、つい拝んでしまいそうな雰囲気である。

 写楽展と言っても、120点以上の展示のうち、写楽は3作。あとはいろんな浮世絵師のめずらしい作品が並んでいる。懐月堂派 「立美人図」、 鈴木春信 「母と子と猫」、 鈴木春信 「見立菊慈童」、 鈴木春信 「唐子と布袋」、 歌川豊春 「浮画源頼光土蜘変化退治図」、 菊川英山 「風流夕涼三美人」などがよかった。特に、喜多川歌麿 「歌撰恋之部 深く忍恋」の繊細な美しさが好き。

 そういうわけで、写楽はどうでもいい、という人でも浮世絵が好きな人にはお薦め。
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佐伯祐三とフランス

2009-01-01 23:35:44 | 美術[さ]
佐伯祐三とフランス ブラマンク、ユトリロ、日本の野獣派@ポーラ美術館

 雲ひとつない青空の中、元旦そうそう、実家からひとっ走り、箱根千石原のポーラ美術館に行ってみた。元旦にそんなところへ行く人はいないと思ったらそうでもなくて、普通の賑わいができていた。行ってから知ったのだが、明日1月2日は無料観覧日なのであった(-_-;) だからと言って明日にするのもなんなので、それに、無料なら今日の数倍混みそうだし、明日は箱根駅伝絡みの車両で道も混雑しそうな噴霧器であるし。

 別に野獣派マニアではないけれど、佐伯祐三、ブラマンク、ユトリロは3人とも好きな画家なので、展覧会としては満足できるものだった。ほかには、荻須高徳、里見勝蔵など、日本の野獣派と呼ばれる画家の作品も展示。53点ほどなので、大展覧会ではないが、正月気分でまったりするにはちょうどいい感じだった。

 常設展では、黒田清輝の《野辺》を見ることができた。長い髪をなびかせて草原に横たわる裸婦像が美しい(*^.^*)

 レオナール・フジタの《小さな職人たち》シリーズから36点の展示もあった。

 さらに、《西洋の扇と女性のよそおい》と称して、各国の扇子60点も展示。10世紀頃に日本から中国を経てヨーロッパに伝わった扇子、煌びやかに装飾された18~20世紀のフランス、イタリア、オーストリアなどの扇子が綺麗で、ちょっと欲しくなる。


 というわけで、賀正!
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セザンヌ主義 & トリエンナーレ

2008-11-23 00:49:22 | 美術[さ]
「セザンヌ主義 父と呼ばれる画家への礼讃」@横浜美術館

 セザンヌを見に行った。セザンヌ約40点と、セザンヌの影響を受けた内外の画家の作品約100点を展示している。けっこう見ごたえがある。

 りんごのある静物画をみると、森村泰昌の顔を思い出してしまう。困ったものだ・・・

 いくつか水浴の絵が出ていたが、セザンヌは200点以上の水浴の作品を描いたようだ。水浴といっても海パン履いてるわけじゃなく、みんな全裸で、水辺でなごんでいる。まったくなんてこったわーい(嬉しい顔)

 《裸婦》という個人蔵の鉛筆画、紙に書いた小さなクロッキーみたいなものなのに、額に入って偉そうに展示してあった。あまりにも貧相で笑った。セザンヌが描いたというだけでもう偉いのだなぁ。個人蔵だから、所有者にとっては自慢の種なのかも。
 A 「これはあのセザンヌが描いたモノなんだよ」
 B 「あら、そうなの」
 A 「どうだ、すごいだろ」
 B 「そーね・・・」

 気にいったセザンヌ作品
《風景》大原美術館蔵:絵の周囲に塗り残しがあるほど薄塗りで、まるで水彩画のような雰囲気だが、すごく気分がいい。
《林間の空地》諸橋近代美術館:初期の作品で、ペインティングナイフで鮮烈な色合いに厚く塗りこんでいる。諸橋の図録を引っ張り出してみたら載っていた。

 横浜トリエンナーレ、そろそろ押し詰まったので2回見られるチケットで2回目を回った。前回サラッと流した映像をじっくり見たり、新港パークでシャボン玉のパフォーマンスを見たり。
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佐伯祐三展

2008-05-11 21:29:54 | 美術[さ]
没後80年 佐伯祐三展@横浜そごう美術館

 これまた好きな画家の展覧会が横浜に廻ってきた。5/6まで笠間日動美術館、6/22までそごう美術館、6/29~8/17に三重県立美術館に巡回する。

 30歳でパリで病死するまでの短い生涯に、独特の画風の作品をたくさん残した。パリの街角、壁に貼り付けられた色とりどりの広告文字が、踊る画面が面白い。大阪市立近代美術館建設準備室の所蔵作品をメインに90点ほどの展示で、初めて見る作品が多かった。先日見に行った、没後50年フランスの画家ブラマンクのところに、佐伯祐三が自慢の作品を「どぉっすかねぇ?」と見せに行ってダメ出しされたのをきっかけに、画風を変えたというエピソードもある。
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SPACE FOR YOUR FUTURE

2007-12-16 23:33:48 | 美術[さ]
SPACE FOR YOUR FUTURE - アートとデザインの遺伝子を組み替える@東京都現代美術館

 森美術館の六本木クロッシングと微妙にかぶっている展覧会。13か国34組のアーティストの作品を展示する。遺伝子組み替え食品はいろいろ問題になっているが、遺伝子組み替え芸術はどういう問題を引き起こすのか、という趣旨かどうかは知らないが、どういうジャンルに入るのかわからないような作品がいろいろと展示されていた。こういう遺伝子組み替え作品が、知らぬ間に世の中に蔓延してきて、気づいたときにはもう、アートってそういうものだというのが常識になっているかもしれない。

◆エルネスト・ネト : 「フィトヒューマノイド」:ぷよぷよした豆のようなひょうたんのようなモノ。着ることができるようで、係員の人が「よろしければ着用できますので・・・ちょっと汚れていますけど」って、よく見れば、顔にあたるエリアが洗濯してないシャツみたいに茶色になっていて、バッチィ感じ。10月27日の展示開始から何百人のよだれが染み付いたものだか。

◆足立喜一郎 : 「e.e.no.24」:電話ボックスの中にミラーボールが回っていて、入った人がヘッドホンで音楽を聞く「ひとりディスコ」。なかで踊り狂えば、ひとりでういている姿が周囲から丸見えになる。ディスコってみんなで踊って楽しいものなのに、ひとりで踊るってところが遺伝子異常なのだな。

◆フセイン・チャラヤン : 「LEDドレス」「111コレクション」:LEDライトをくっつけたキラキラ光るドレスとか、モーターくっつけて、裾が自動的に上がったり、帽子が形を変えたりするヘンテコドレスのファッションショー。ドレスというよりモビルスーツみたいで笑ってしまう。ファッションショーの最後を飾るのは、でかい帽子をかぶった女性。着ていたドレスが自動的に帽子に収納されて全裸になってしまった。いったいどういう時に着ればいいのだ?

◆デマーカスファン : 「フェンス」:そこらへんにある普通のフェンスの菱形模様が、花柄に編み直されている。こんなフェンスだったら殺風景な拒絶風景も少しは和らぐかもしれない。

◆バーバラ・フィッセル : 「変容の家II」:人の動きがスペースを規定していくアニメーション。マイホームデザインソフトみたいに、壁が現れたり階段が生えたりして、家が刻々と変わっていく面白い映像作品。これがいちばんよかったかな。

◆石上純也 : 「四角いふうせん」:ヘリウムガスを入れた巨大なアルミ箔が空中浮遊している。風に吹かれてなんとなくあっちへふらふら、こっちへふらふら。感想は「でけぇ」
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澁澤龍彦 幻想美術館

2007-11-11 01:56:35 | 美術[さ]
澁澤龍彦 幻想美術館@横須賀美術館

 澁澤龍彦の没後20周年を記念した展覧会。埼玉、札幌、横須賀と巡ってきて、11月11日が最終日なので、1日前にすべり込みだった。埼玉県立近代美術館のときになんとなく行きそびれてしまっていた。澁澤の好んださまざまな作家の芸術作品を展示している。「幻想」というくらいだから、まともなものなどほとんどなく、シュルレアリスムもたっぷり入って、どっか変な塩梅のモノ達がずらぁりと並んでいた。

 横須賀美術館は2度目。中に入って中央から入り口を見ると、丸くくり抜かれたエントランスに海が見えて、なかなかいい感じ。そこを時折、でっかい船が通り過ぎる。しかし、雨の日に開館時間より前に行くと、散歩もできず、休憩場所もないので、けっこう手持ち無沙汰になる。軒先がそれほど長くなく、解放的になっているので、昨日の様な横殴りの雨の日は駐車場から歩いてくるとどうしても雨しぶきがひっかかる。やっぱりここは晴天が似合う美術館である。
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シュルレアリスムと美術

2007-11-04 00:00:04 | 美術[さ]
シュルレアリスムと美術@横浜美術館

 11月3日は横浜美術館の快感!記念日ということで、入場無料だった。ホール中央では、RICOH GR DIGITAL2発売のイベントもやっていた。妙な服を着た女が、階段の手すりを乗り越えて股間をこすりつけたり、ホールを走り回って彫刻にお辞儀したりして、迷惑千万、警備員は注意しないのか、と思いたくなるような、なんだかわからないパフォーマンスもやっていた。うむ、なんだかわからん。

 展示室では、「シュルレアリズムと美術」展をやっている。

長崎県美術館蔵、これはけっこう好きなダリの作品である。「海の皮膚を引き上げるヘラクレスがクビドをめざめさせようとするヴィーナスにもう少し待って欲しいと頼む」←長ぇよ

 横浜美術館蔵のでかいダリ作品「幻想的風景」3枚と小さいダリ作品「ガラの測地学的肖像」は、平素は常設展示室で見ているので、見飽きてる気分。でも「ガラの測地学的肖像」のやたらリアルな後姿はすばらしい。

 宇都宮美術館蔵、マグリットの「大家族」:翼を広げた鳥の青空が象徴的で美しい。

 横浜美術館蔵、タンギーの「風のアルファベット」もいいけど、東京国立美術館蔵「聾者の耳」の青みがかかった色合いの作品が好き。

 ニューヨーク近代美術館蔵、エルンストの「女、老人と花」:扇子を広げたような頭と、まるでヒモパンみたいなケツ出しルックの特徴的な後姿は脳裏にこびりつく。誰なんだ?

 そのほかにも、いったい何をかいてるのかわからんちんな作品や、何を言いたいのかわからんぽんな作品や、こいつは絶対頭がおかしいと思えるような作品がいろいろと並んでいた。
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