ざっきばやしはなあるき  

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美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 - 美の革命

2023-11-27 19:15:30 | 美術[か]
「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 - 美の革命」@国立西洋美術館

 50年ぶりのキュビスム展だそうで、そんな昔のキュビスム展は行ったことは無い。日本初来日50点以上を含む全140点の展示は見応えがある。キュビスムというとピカソがなんとなく四角い断片の絵や、目と鼻が違う方向を向いてる人物を描くくらいの浅い知識しか無かったが、この展覧会ではいろいろなアーティストのキュビスム周辺の作品を見ることができる。見たからといってキュビスムが好きになるかどうかは人それぞれだけど。

 今回の主な出品はパリのポンピドゥーセンターから。ずっと行きたいと思っているモダァ~ンな佇まいの美術館だけれどまだ行ったことがない。生きているうちに行けないかもしれない。この展覧会は撮影禁止マークが付いている作品以外は写真撮影が可能となっているので徘徊する楽しみ倍増。

ロベール・ドローネー《パリ市》 2.67m×4.06mの作品はインパクト大


マルク・シャガール《墓地》


ル・コルビュジエ《水差しとコップ - 空間の新しい世界》


ジャンヌ・リジ=ルソー《1キロの砂糖のある静物》


ジョルジュ・ブラック《レスタックの高架橋》


 常設展示室の版画素描展示室でこっそり開催中のミニ展覧会 「もうひとつの19世紀 - ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち」では、ウィリアム・アドルフ・ブーグローの《小川のほとり》がお気に入り。足を組んで座り頭に赤い花飾りをつけた女性の絵。ブーグローの写実画は好きなジャンル。


いよいよ冬かと全裸で考えすぎちゃうヤツ


★いちばん驚いたこと★
ずいぶん久々に上野公園に行ったのだが、JR上野駅の公園改札を出たら、車道が両脇からロータリーでUターン、目の前の横断歩道と信号が無くなって上野公園に直接出られるようになっていたこと。改札もちょこっと鶯谷側に移動。今までは改札を出たら信号が赤か青かをチラチラ見ながらセカセカ急ぐのが常だったのでビックリクリクリ。さらに改札の上にもレストラン街ができていた。

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ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン

2023-11-05 15:35:13 | 美術[か]
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション × 山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」@アーティゾン美術館

 ブリジストン美術館からアーティゾン美術館に名称が変わってからコロナ禍のせいで今頃はじめて行った。せいぜい名前が変わった程度で前と似たようなものだろう、なんて勝手に思っていたが、行ってみると全然違うモダァ~ンな美術館になっていた。

 6階展示室でやっている山口晃展+収蔵品のやむに止まれぬジャムセッション、わけわからんタイトルは置いといて、入場するといきなり山口氏が造った傾斜した部屋《汝、経験に依りて過つ》に通される。家具などもすべて傾いていて、観客もちゃんと認識しているはずなのに、入った途端に下方に引っ張られる。三半規管が二半規管くらいになった気分だ。よろよろと出口から正常なフロアに戻った後も、なにやら目まいが続いていた。

 やむに止まれずに展示されているセザンヌや雪舟、浅井忠などと一緒に、お馴染みの山口晃ワールドが展開している。細密な都会の風景を行きかう人々、妙な構造体、変な和洋折衷。セザンヌの「サント=ヴィクトワール山を模写しかけてたり、《ラグランジュポイント》みたいな立版古ジオラマ作品《アウトライン アナグラム》があったり、ホワイトキューブの展示室に真っ白な部屋《モスキートルーム》を作ったり。キャプションを見たら「この白い壁を見つめると飛蚊症がよくわかる」なんて書いてあったのでもう一度入って白壁を見つめていたら確かに自分の飛蚊症がよくわかった。この展覧会は11月19日まで。

《日本橋南詰盛況乃圖(部分)》:こんな日本橋だったら橋の上だけで3時間は過ごせる

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 石橋財団コレクションのフロアに特集展示コーナーとして「読書する女性たち」というコーナーがある。読書をしている女性の絵画をいくつも展示してあって面白い。昔は「家事をしないで読書をする」みたいな偏見も多かったようだ。

メアリー・カサット 《娘に読み聞かせるオーガスタ》:読書している女性


アンリ・マティス 《オダリスク》:読書しようと思ったけどいまいち気分が乗らない女性


アーティゾン美術館から見える重機の風景

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ガウディとサグラダ・ファミリア展

2023-08-09 19:29:56 | 美術[か]
「ガウディとサグラダ・ファミリア展」@東京国立近代美術館

 縁石につまづいて転んだ拍子に路面電車に轢かれて亡くなってしまったアントニ・ガウディ。そんなガウディの仕事ぶりがわかるさまざまな資料や模型などが展示されている展覧会。8月3日からネットでの日時予約制になったので、すんなりと入場できた。一部写真撮影ができる展示あり。

 我々は長い間、サグラダ・ファミリアに慣れ親しんできて、このバカでかい建物が教会だと知っているからいいけれど、そうとは知らずに角を曲がって突然目の前にサグラダ・ファミリアが現れたら教会だと思うだろうか。ゴリゴリに入り組んだ複雑怪奇な建物は、入ったら二度と出られない魔物の巣窟っぽく見える。ヤバいのが飛び出てこないうちに逃げようと思うかもしれない。

 2013年にバルセロナまでサグラダ・ファミリアを見に行った。その頃と比べても建設はずいぶん進んでいる。ガウディがいた頃の人々は完成する日なんて一生来ないくらいに思っていたかもしれない。でもこのコンピュータ時代になって事態は急転し、完成する日がぐんぐん近づいてきている。

 この展覧会でもドローンによる上空からの映像が見られる。完成後も当然のごとくドローン映像で全方向から詳細に見る機会はたくさんあるだろう。それだけでも充分楽しみだ。完成した後にまた実物を見に行けるかどうかはわからないし。

 巡回展
9/30~12/3:佐川美術館
12/19~3/10:名古屋市美術館


外尾悦郎《降誕の正面:歌う天使たち》
石像に置き換わるまでの1990年~2000年にサグラダ・ファミリアに設置されていた石膏像


《降誕の正面:鐘塔頂華の模型》


バルセロナで買ってきた5ユーロのミニチュア

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画家が見たこども展

2020-02-16 22:15:47 | 美術[か]
「画家が見たこども展」@三菱一号館美術館

 開館記念展「マネとモダン・パリ」から始まった三菱一号館美術館は開館10年目を迎えた。建築家ジョサイア・コンドルの設計によるオシャレのめした美術館で、近所にはオシャレのめしたカフェも多数あり、駅からも近いからヒマつぶしにはうってつけ。

 開館10周年記念は「こども展」。19世紀末パリのナビ派の作品で、子供に焦点を当てているからというだけでなく、ナビ派の作風と相まって、そこはかとなくユルい展示になっている。

 フライヤーのトップに出ている赤ん坊《フィンセント・ファン・ゴッホ作:マルセル・ルーランの肖像》の顔もフザケテイル、いやフザケテはいないがオチョクッテイル、いやオチョクッテはいないが笑いを取りに行ってると思ってしまうような赤ん坊の大首絵である。まぁ赤ん坊だからこんなものかな。思いっきり眼が青い。赤ん坊のくせに今にもうんちくを傾けそうな顔つきである。

 同じくフライヤーの下の赤い服の女の子《モーリス・ドニ作:赤いエプロンドレスを着た子ども》は、ぜんぜん緻密ではないドット絵職人みたいな作風だ。顔は普通だけれど、赤いドレスは点を打っていたらなんとなくドレスっぽい形になっちゃった!みたいな描き方だ。背景だってピンクの点を打っていたらお花畑にさも似たり!という南京玉すだれ。

 ユルい雰囲気の作品が多い。でも子供ならではの、あどけない仕草や、素っ頓狂なポーズなど、癒される場面ばかりである。

 《ピエール・ボナール作:子どもたちの昼食》
子どもたちのごはんを猫の給仕頭が見張っている。フェルメールみたいな格子模様の隣の部屋には影の薄い人が倒れている。いや、たぶん違う。テーブル中央のお皿のごはんを先に食べちゃってもがいている人かもしれない。いや、たぶん違う。でもボヤっとしていて何だかわからない。ごはん中のふたりも猫も特に気にしていないので、見る人も気にする必要のないものなのだろう。気にしないことにしよう。このように、何だかわからないものをボヤっと描いても絵ができるのだからみんなも楽しく絵を描こう!


 ジョサイア・コンドルも居た!


 中庭

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コートールド美術館展

2019-09-16 21:18:34 | 美術[か]
 
 ロンドンのコートールド美術館がたまたま改装中のため、ラッキーにも名作が来日中。サミュエル・コートールドはレーヨン産業で大儲けをした実業家で、印象派作品をたくさん蒐集した。その中からルノワール、ゴーギャン、セザンヌ、マネ、ドガ、シスレー、ボナール、ロダンなどの名作が60点と資料が20数点展示されている。
 
 いちばんの目玉はマネの《フォリー=ベルジェールのバー》。フォリー=ベルジェールはパリの劇場で、店内にあるバーの女性店員がカメラ目線で真ん中に立っている。後ろの鏡には店内の客やカウンターテーブルが映っている。そこまでなら何も問題はないのだが、どう見ても平行なカウンターに両手をついて正面を向いて立っている女性店員の、鏡に映る後ろ姿がちょっとどころかちょっとちょっとそこじゃないでしょ、うしろの人!って言いたくなるほど大幅にズレた所に描かれているから大変。真正面を向いている人物の後ろ姿はその真後ろにあるはずだから見えないはずだし、その人物と相対している山高帽のおじさんの顔もやはり見えないはずだし、カウンターの上に並ぶ酒瓶の配置も鏡に映ったとは思えないほどメッチャクチャ。そんなこんなで世界中の人々がAa-da,Ko-daと議論するネタを提供する作品になった。
 
 キュビスムのピカソが、目が正面なのに鼻が横顔だったりと、視点を変えて描いた絵が多数あるけれど「これはおかしい!」なんて怒る人はもういない。なのでマネのこの絵もそういうものだと思えば問題ない。絵画だからこそできることで、悪魔はあくまで悪魔であるのと同じように、絵画はあくまで絵画であると思えば、この世に不思議なことなど何もないのだよ!ってことになる。
 
 
 
 同じくマネの《草上の昼食》が来ている。と言ってもこれはオルセー美術館の大きな作品の習作みたいなもので、マネが背景をどうしようかと検討するために描いたものだそうだ。なので、人物の描写はヘロヘロだ。結果的にオルセーの作品の背景はほぼこの習作に基づいて描かれている。後ろの池だか川だかにいる白い服の女性の大きさがちょうどいい感じになっている。オルセーの作品ではややでっかくなっているので、でっかい女になったのか、川がぐーんと接近したのか、どちらにせよちょっと近くなった気がする。「だるまさんが転んだ」で振り向くと少しずつ近づいてくる鬼みたいな雰囲気だ。もういちど「だるまさんが転んだ」で振り向いたらもう目の前にど~~~~~~んって来ているかも。
 
《草上の昼食》コートールド美術館所蔵
 
参考:《草上の昼食》オルセー美術館所蔵
 
 
《少女と桜》 ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー
 日本好きなホイッスラーが描いた、桜の鉢植えをいじくるちょっと猫背な少女。この少女は何を着ているのか? 何を着ていないのか? それがいちばん気になる。この中途半端感が、何も着ていない《草上の昼食》よりよっぽどセクシー!
 
 
 
 
 
 
 
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クリムト展 ウィーンと日本1900

2019-05-12 19:48:03 | 美術[か]

「クリムト展 ウィーンと日本1900」@東京都美術館

 没後100年のクリムト展、同時代にウィーンで活動した画家の作品の中で、グスタフ・クリムト作品は全120点のうち50点以上となっている。初期の頃は真面目に古典絵画を描いていたクリムト、そのうち作風を変え、ウィーン分離派を結成し、やがて金箔官能オヤジになって行く。私がクリムトで思い浮かべるのは言うまでもなくその琳派みたいな金ぴか作品。今回は代表的な金ぴか作品《接吻》は来ていないが、《ユディトI》が来ている。金色の装飾を施した額も含めてゴージャスな金ぴか作品なので端っこにちょん切られた首が描かれていることを忘れがち。

 生涯未婚のまま14人の子供がいたという摩訶不思議なクリムト。裸婦な絵のモデルになった女性たちに子供を産ませてしまう不届き者だったが55歳で生涯を終えた。割と早死にしているが自由奔放に生きていたようなのでまぁいいか。女性ばかり描いていた印象が強いが、風景画なども多数描いていたようだ。今回はいくつかの風景画も展示されている。

 《ベートーヴェン・フリーズ》は34mもある壁画。この大きさは何かと思ったら、ウィーン分離派館の壁を飾っているものだそうで、今回その原寸大の複製が一室を囲むように展示されている。中央の絵のゴリラが印象的だが両脇の絵はけっこう隙間が多い。日本の美術にも影響を受けたための隙間の美学なのか、時間が足りなかったからなのかは知らない。 


グスタフ・クリムト《ユディトI》


グスタフ・クリムト《ヘレーネ・クリムトの肖像》:弟エルンストの娘


グスタフ・クリムト《17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像》

 

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奇想の系譜展

2019-02-11 16:07:58 | 美術[か]
「奇想の系譜展」@東京都美術館

 辻惟雄氏が「奇想の系譜」という書籍で紹介した画家を中心にした展覧会。「奇想の系譜」は文庫を持っているのでこの展覧会も楽しみだった。伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、岩佐又兵衛、狩野山雪、歌川国芳、白隠慧鶴、鈴木其一の江戸時代の8作家の作品が展示されている。

 入場するとまず伊藤若冲《象と鯨図屏風》の白象に迎えられる。若冲だけで18作品(展示替え有り)が展示される。若冲展で見たラグジュアリーな《旭日鳳凰図》もある。入ってすぐのいちばん混み合うところにいちばん大人気の若冲を置いてよかったのかどうか。やっぱり初めの方は混んでいる。

 長澤芦雪《方寸五百羅漢図》は3.1cm四方のミニミニ羅漢図で500人描いてあるのかないのか知らんけれどミニミニすぎる。6倍の単眼鏡でよく見ても、よく見えない。小さな羅漢らしき人物たちの頭がミルクを沸かしている時の泡のようにブツブツと寄り集まっている。集合体恐怖症の人は拡大して見ない方がいい鴨新米。

 鈴木其一《百鳥百獣図》は若冲の《鳥獣花木図屏風》にインスパイアされたという噂の作品。アメリカのキャサリン&トーマス・エドソンコレクションから初の里帰りだそうだ。一目でわかるリアルな白い象をはじめとしてたくさんの動物と鳥が描かれていて綺麗。そして誰だかわからない謎の動物も描かれている。誰?





むかし買ったエレファント


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京都醍醐寺 真言密教の宇宙

2018-09-24 23:40:42 | 美術[か]
「京都醍醐寺 真言密教の宇宙」@サントリー美術館

 醍醐寺は一度だけ行ったことがある。でも仏像は見たことがなかった。デラックスに金綺羅に輝く如意輪観音、快慶作の小柄で凛々しい不動明王、がっしりと大きな薬師如来&両脇侍、大威徳明王が乗る牛が小型であどけなくて気の毒な五大明王など見ごたえのある仏像日和。仏像だけでなく、曼荼羅やら屏風やら何が書いてあるのかわからない「書」やら「巻物」やらが合わせて122点、と言っても展示替があるのでもうちょっと減る。秀吉がわいわい騒いで楽しんだという醍醐の花見に関連する品なども展示されている。でも目録をよく見たら「九州国立博物館会場のみ」と書かれた展示品が24件もあるぞ。

 醍醐寺には上醍醐と下醍醐があって、私が行ったのは下醍醐だけ。上醍醐は下醍醐から山道を歩いて1時間くらいかかるらしい。その歩いた先に「醍醐味」という言葉の出元となった醍醐の水が飲める場所があるんだとか。でも1時間も山登りすれば喉も乾くからどんな水でも普通に美味だったりして。





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草間彌生美術館

2017-11-19 19:37:22 | 美術[か]
草間彌生美術館

 2017年10月に新宿区にオープンした美術館に行ってきた。5階建ての小柄な美術館で、その名の通り草間彌生の作品だけ展示している。丸みを帯びた白い四角柱の建物は周辺の建造物から際立つオシャレ度。1階を取り囲むガラスは派手さを抑えた白い水玉模様になっていて、遠くからでもそこが目的地であることがわかる。



 日時指定の定員制90分入れ替えという形式で、事前にオンラインチケットを購入しておくシステムになっているので、暇だからとヒョコっと行っても入れない。9月1日に買おうとしたら既に10月分は完売になっていた。次回販売は12月1日からで、来年2月のチケットからの予約となる。料金は1000円。



 今は「草間彌生美術館開館記念展 創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」を開催中。1階はエントランスフロアで2階~5階が展示室になっている。展示によって変わるのかもしれないが、写真撮影ができる所とできない所がある。内部が派手派手なエレベーターがあるので、足が物凄く疲れている人でも大丈夫。階段もあるが狭いので上り専用になっていた。でもやっぱり上り下りが階段でできたほうが見学しやすいとは思う。

 行った日はたまたま学芸員さんのギャラリートークのある日だったのでちょっとラッキー。行ったらぜひトイレにも入ろう。うんちは駅で済ましてきたから!なんて言わずに必ず入るだけは入った方がよい。おしっこは歩きながら出ちゃったから!なんて言わずに必ず入るだけは入った方がよい。
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金沢21世紀美術館

2017-09-26 21:12:53 | 美術[か]
金沢21世紀美術館

 今回が初訪問。2004年に開館した現代アートの美術館。ずっと行きたかったけれどなかなか行けずにいた。以前金沢に来た頃はこの美術館は無かった。ここの名物といえば、レアンドロのプール。レアンドロ・エルリッヒが作ったスイミングプールっぽい作品は、水の底から上を見ることができる泳げないプール。上から見るだけなら無料で見られる。水面下に入るには入場券を買う必要がある。

 SANAA設計の円形の館内は地上1階、地下1階になっていて、見た目は平屋。その丸い平屋の中に迷路のように区切られた展示室がある。建物の外壁はほとんどガラス張りなので採光は最高。周囲は芝生になっていて遊べる作品も設置されているのでたくさんの人々がヒマを弄んでいる。近隣には偕楽園やら香林坊ショッピングエリアやら寄り集まっている最高の立地。

・金沢21世紀美術館:レアンドロのプール


・金沢21世紀美術館:庭園にある球体のパビリオン「まる」


・金沢21世紀美術館:ガラス張りの通路


・兼六園:霞ケ池 ことじ灯篭 皆様にお馴染みのやつ


・石川県立美術館:1983年開館


・いしかわ赤レンガミュージアム:1986年開館


・にし茶屋街


・ひがし茶屋街


・主計町茶屋街


・浅野川 中の橋


・金沢駅 鼓門


・金沢駅 鼓門

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北アルプス国際芸術祭2017

2017-08-02 23:03:12 | 美術[か]
北アルプス国際芸術祭2017(信濃大町 食とアートの廻廊)

 6月4日~7月30日に長野県大町市で開催された芸術祭を最終2日間で見てきた。(信濃大町 食とアートの廻廊)は2014年に8人のアーティストが参加してプレ企画として開催されたようだ。食とアートということで地元のレストランなどもこぞって協賛おもてなし。

 大町市は人口28,000人、標高700m、鷹狩山の展示エリアは標高1000m以上あったりする。大糸線の信濃大町という駅を中心に広範囲に点在している会場を巡るシステム。駅近辺の10点の作品を含めて全部で38番まで番号が振られている。そのうちのいくつかは開催期間が限定されていたり、予約満席だったりで見られなかった。

 今年が最初ということで、展示数は越後妻有の10分の1くらいだが、里山を巡る展示方式は越後妻有や中之条などと変わりない。位置的には松本から北へ35km、新潟県の十日町とは130kmくらいしか離れていない。離れた展示会場へはクルマでないと行けない距離だが、1000円で1日乗り放題のバスや、1500円で1日乗り放題のタクシーなどが用意されている。今回は車で行ったが天気は雨たり曇ったりで、場所によってはぐっちゃぐちゃの泥濘だった。その代わり太陽に焼かれなくて済んだ。

 この芸術祭はトリエンナーレとして3年後の開催を目指しているようだ。


あじさい


【高橋治希】:《北アルプス 高瀬川庭園》:部屋に広がる磁器(九谷焼)の植物の蔓


【浅井祐介】:《全ては美しく繋がり還る》:大町名店街の路上に描く(2014年作品)


【栗林隆】:《第1黒部ダム》:空き店舗にできたダム湖で足湯に浸かる


【ジェームズ・タップスコット】:《Arc ZERO》:仏崎観音寺の参道に光る霧の輪


熊注意のため熊よけ鈴が入っているはずの籠はからっぽだった


【アルフレッド&イザベル・アキリザン】:《ウォーターフィールド》:木崎湖に浮かぶガラクタ船


【青島左門】:《花咲く星に》:中山高原の空にLEDの花が咲く(夜限定)


【高橋貞夫】:《伽藍への廻廊》:霊松寺で地元の木彫作家の作品を展示


【目】:《信濃大町実景舎》:鷹狩山の空き家を白い空間に変える


【目】:《信濃大町実景舎》:クリエイティブチームの名前が、"目"


【リー・クーチェ】:《風のはじまり Windy》:木の枝でできたトンネル


【ニコライ・ポリスキー】:《バンブーウェーブ》:竹でできた円錐状のオブジェ


【ニコライ・ポリスキー】:《バンブーウェーブ》:作品遠景、コミュニティセンター、そば処八坂


【フェリーチェ・ヴァリーニ】:《集落のための楕円》:民家に貼られた黄色いラインは


【フェリーチェ・ヴァリーニ】:《集落のための楕円》:ペイントではなくテープを貼っている


【フェリーチェ・ヴァリーニ】:《集落のための楕円》:芸術祭が終われば剥がすだけ


【フェリーチェ・ヴァリーニ】:《集落のための楕円》:ビュースポットから見ると楕円が出現する


展示エリアのひとつである大町ダム


ダム湖の名前は「龍神湖」ライトグリーンな水が溜まっている

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神の手●ニッポン展II

2016-11-22 21:08:12 | 美術[か]
「神の手ニッポン展II」@目黒雅叙園

 第二期の神の手を持つアーティストは5人、今年も、そこまで根を詰めると体に悪いよとアドバイスしたくなるようなハンドパワーを見せつけてくれる人たちが集結した。昨年開催された第一期 神の手アーティストのうち、ポップアップアーティストHIROKOさんは病気療養中ということで、それ以外の5人の代表作品も1点ずつ再展示されている。昨年見なかった人も雰囲気をイメージしやすいと思う。その中で私は太田隆司さんの作品がものすごく好き。これらの作品が展示されているのは東京都指定有形文化財の百段階段に配置された豪華な客間。この80年前の独特な佇まいは、それ自体が芸術作品レベルなので、半端な展示物では建物の個性に全部食われてしまう恐れもある。建物に負けない作品を見せたければ、神の手を持つしか道はないのかもしれない。


水引工芸家内野敏子
 祝儀袋や引き出物の箱などに使われるカラフルな水引を結び合わせて立体的な鳳凰や花飾りなどの装飾品から、箸置きなどの実用品までを作るアーティスト。水引なんて冠婚葬祭の時にしかお目にかからないヒモだし、大概ゴミ箱に直行するヒモなのだけれど、そんなヒモで作った巨大な鳳凰が目にしたら、祝儀袋も六畳間くらいの巨大サイズでなければと余計なことを考えてしまう。そんなにデカい袋にいったいいくら包めばいいのだ?

立体間取りアーティストタカマノブオ
 1/40スケールで間取りを組み立ててしまう。それはまるでドールハウス。おそ松くんやらサザエさんやらあしたのジョーやら三丁目の夕日やら、アニメや映画に出て来る住まいを作っちゃうんだけれど、映像や漫画などを何度も何度も何度も何度も見て、シーンをつなぎ合わせて想像で間取りを設計してしまうという研究熱心な人。もちろん家具調度品も作り込んである。

レザーアーティスト本池秀夫
 革を使ってミニチュア人間を制作する。顔も髪の毛も衣服もすべて革製、これも革か?と驚くような質感に作り込んだ人や動物の姿は表情豊かでものすごく西洋風味に溢れている。

エッグアーティスト遠藤一恵
 タマゴの殻で作る装飾品、ニワトリはもちろんのこと、ウズラからダチョウまで大小いろいろなタマゴがカラフルに飾り付けられていて楽しい。握ったら潰れちゃうんだろうなと思うと見る方も緊張する。

ペーパーアーティスト中山ゆかり
 紙で立体的に組み上げる立版古みたいな作品、なかでもダ・ヴィンチやボッティチェリ、ミュシャなどの名画をモチーフにした作品が面白い。ただ、中山さんは動物が好きなようで、登場人物を動物に置き換えたりもする。だから最後の晩餐にキリンがいたりゾウがいたりするメルヘンチックな世界になる。

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観音の里の祈りとくらし展Ⅱ

2016-07-24 19:27:22 | 美術[か]
「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ - びわ湖・長浜のホトケたち -」@東京藝術大学大学美術館

 琵琶湖北部の仏像と言うと、化仏も大きくボリュームたっぷりな向源寺の十一面観音立像が好きだけれど、今回は来ていない。

 でも今回はぜひとも見たいと思っていた妙な人が来ている。それは正妙寺の千手千足観音立像。千手観音はもうポピュラーな姿なのでよしとしても、千足って足が1000本あるという設定なのだ。百歩譲っても千本なのだ。正面から見たらもうワジワジした虫っぽいのだ。でもたくさんある手足を外したら、どこの村にも一人は居そうな単なる体格のいい陽気なおじさんなのだ。

 このおじさんを見るために琵琶湖北部まで行くのは距離が遠くてハードル高かったので、近くに来てくれて大助かり。あぁありがたやありがたや! それに周囲をぐるりと回って背中も見られるので一石千鳥なのだ。背中は千手千足が生えているジョイント部の甲冑のような甲羅のようなカバーに見えて益々怪しい。像高42cmなので思ったより小柄なのに存在感ありすぎ。こんなに変なのに重要文化財にも指定文化財にもなっていないというのは残念だ。でも、平安・鎌倉・室町時代などの仏像が多い中、このおじさんだけ江戸時代の生まれとなっている。


 入場したら長浜のパンフレット入りクリアファイルがもれなくもらえる。これはラッキー。クリアファイルには医王寺の十一面観音立像が印刷してある。今回も来ているのだが、この煌びやかな光背や装飾物を取り除いた本体だけが展示されていたので、最初はいったいどこにあるのかわからなかった。これらを含めた50作ほどが館内にゆったりと展示されている。観覧者も割とゆったりしている。会期は8月7日まで。




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カラヴァッジョ展

2016-03-23 20:41:44 | 美術[か]
「日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展」@国立西洋美術館

 全作品数が60点ほどと言われるカラヴァッジョの作品が12点と同時代の画家の作品合わせて50点ほど展示。12点来ただけでも多い方だそうだ。1~2点だけでも「フェルメール展」なんていうのよりはマシかも。

 カラヴァッジョは素行が悪くて、暴力沙汰、人殺し、逃亡・・・ワイルドだろぉ?なんて言ってられない、酔っぱらいのチンピラ、まさにゲスの極みみたいな奴だったらしい。そういう人間が逃亡中に描いた作品が後世に高く評価されているという好事例なのではないか。時も国も違う今の日本で、指名手配の殺人犯の作品が好意的に扱われるかどうかは疑わしい。でも、死んだ後に評価が高まる可能性ならあるのかもしれない。それはそれでいいけど300年くらい寝かしておいてくれないと遺族はたまったもんじゃないネ。

 頭に花飾りを付けて片肌脱いだ《バッカス》を見て、ほろ酔いエロ芸者かと思ったり、丸い板に描かれた《メドゥーサ》を見て、劇団ひとりかと思ったり、《トカゲに噛まれる少年》を見て、こっち見てないでトカゲ見ろよ!と思ったり。青少年ばっかり描いていたカラヴァッジョはゲイだったのではないかとも言われている。個人的にはやっぱりヴィーナスの絵のほうが喜ばしいんだけど。
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川瀬巴水展

2015-06-07 23:21:30 | 美術[か]
「川瀬巴水展 - 郷愁の日本風景」@駿府博物館

 2013年に千葉市美術館で開催されたのと同等の展覧会、銀座の渡邊木版美術画舗の所蔵品。千葉に行けなかったので静岡の最終日に行ってきた。駿府博物館は広くはないが、版画は小さいのでたくさん展示されていた。それでも前記・後期に分かれている。川瀬巴水の、しっかりした絵柄が好き。42刷りもしたという《増上寺の雪》の刷り上って行く映像も流れていた。依頼されて作成した《箱根宮ノ下富士屋ホテル》のちょっとだけ版木を変えた春夏秋冬、どこを変えたのか探すのも面白い。《東京十二ヶ月》の円形の版画も珍しい。12か月の予定がなぜか数か月で打ち切られている。飽きたのだろうか。めんどくさかったのだろうか。《亀戸の藤》が好きなのでA4クリアファイルを買ってきた。裏にも雪の宮島が印刷してある太っ腹なクリアファイルである。
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