ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

ワールド・クラスルーム

2023-06-11 22:00:15 | 美術[わ]
「森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 みんなで学ぼう、アートと世界」@森美術館

 開館20周年ということで、森美術館所蔵作品を中心に150点の作品をいろんな科目に分けて、わけのわからない現代アートを学ぼう!という現代アート学校みたいな展覧会。見たらわけがわかるようになるかどうかはあなた次第です。

 同時期に52階の森アーツセンターギャラリーで開催中の「ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス」に、なんだかにぎやかな行列ができていたが、53階のワールド・クラスルームは行列もなく安心してまったりできる。

アイ・ウェイウェイ《コカ・コーラの壺》


梅津庸一《黄昏の街》


宮永愛子《Root of Steps》


ヤン・ヘギュ《ソニック・ハイブリッド》


ジャカルタ・ウェイステッド・アーティスト
《グラフィック・エクスチェンジ》
 街の商店にある古びた看板をもらうかわりに、新しい看板を無料で作ってあげるというアイディアが秀逸。「電話番号やイラストを付け加える」というような追加注文にも応じるWin-Winな取引で集めた看板。





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Wonderful My Art

2013-05-19 20:56:57 | 美術[わ]
「Wonderful My Art 高橋コレクションの作家たち」@河口湖美術館

 安藤正子、池田光弘、大畑伸太郎、加藤泉、加藤美佳、草間彌生、桑久保徹、鴻池朋子、五木田智央、近藤亜樹、千葉正也、天明屋尚、戸田沙也加、名知聡子、奈良美智、西尾康之、濱田樹里、町田久美、山口晃。大規模とはいえないが、精神科医の高橋先生が蒐集した現代アートが並んでいる。

 お気に入りは、大畑伸太郎の立体作品《線香花火》。線香花火をしている女性の像に絶妙な色付けをした作品。パチパチはじける線香花火は、かすみ草を使っている。このパチパチ感もいい感じ。本体はスチレンフォームだが、まるで木彫りのように見える。
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わたしいまめまいしたわ

2008-02-11 19:47:32 | 美術[わ]
わたしいまめまいしたわ@東京国立近代美術館

 「私今眩暈したわ」って回文タイトルにおびき寄せられるように竹橋に向かった。見るまでは、どういう展覧会なのか、さっぱりわからなかった。私と他者との関係を切り開こうとする作品を集めたということだが。

◆日高理恵子 : 「樹を見上げてⅦ」 :見上げた木の枝がかなり大きなキャンバスに黒一色で描かれている。これだけデカいと臨場感がある。

◆斎藤真一 : 「上河原の陽」 :おおぜいの妙な顔をした女が悲しんでいる。悲しみながら三味線を弾いている女もいる。奥のほうではひとり、完全にいっちゃってへらへら笑っている女もいる。全体的に赤い違和感満点のキモい絵だ。

◆高峰格 : 「God Bless America」 :8分間のビデオ作品。中央に粘土で巨大な顔を造って、何日もかけてそれをこねくりまわしていく映像。その後ろでは、作者である男と女が日常生活を繰り返している。デンと座った粘土像と、ちょこまか動き回る人間の対比が不思議なイメージを作っている。

◆キムスージャ : 「針の女」 :4面ビデオ作品。メキシコシティ、カイロ、ラゴス、ロンドンという4都市のやたら人通りの多い繁華街の真ん中に、針のように意味もなく突っ立っている後ろ向きの女。すごく邪魔なのだ。みんなよけて歩いていくのだが、ロンドンのようにほとんど興味を示す人もいない都市があるかと思えば、ラゴスでは人が集まってきて、ニコニコしながらいつまでも様子を見守っていたりして、土地柄の違いが面白い。

◆舟越桂 : 「森に浮くスフィンクス」 :男だか女だかわからない体型に宇宙人みたいな顔つき、両脇から木の枝が4本生えている。まるでマーズアタックの火星人に改造されたみたいな妙な姿で静かに佇んでいる。

 いったいこの展覧会のテーマってのは何なんだろうと再度考えながら見ていたら私今眩暈したわ。
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笑い展

2007-02-09 00:49:47 | 美術[わ]
「日本美術が笑う展」&「笑い展」@森美術館

 美術作品の中の笑いに焦点をあてた展覧会らしいので、いったい何を見られるのかと、去年からちょいと楽しみにしていた。

 「日本美術が笑う展」は日本の芸術作品の中の笑いを集めた展示。まず、笑っている埴輪たちに迎えられる。とぼけた顔の動物ハニワ君にはマイッテしまう。それからいろいろな絵画のおもろい登場人物や、ひょうきんな顔した動物、円空、木喰の仏像まで出てきた。河鍋暁斎の「放屁合戦絵巻」のばかばかしさ。ギメ東洋美術館展にあった「釈迦如来図」の迫力に満ちた筆致とは大違いのグタグタな男どもが肛門丸出しで屁をこいて試合をする、そのカメハメ波みたいな屁爆弾に吹き飛ばされる敵陣、芋を食う、鼻をつまむ、逃げ惑う、がんばりすぎて実まで出ちゃった奴、それを真面目くさって評価する審査員たち、etcという、ろくでもない絵巻物2巻がビデオで流れていた。まったくろくでもないくせに長い。鳥文斎栄之「三福神吉原通い図巻」もいい。すけべそうな3人の神様が舟に乗って吉原に馳せ参じる絵巻物。ずっとおさえた色合いの風景が続き、最後に吉原の座敷ではしゃぐ神様たちを取り巻く、花魁たちの煌びやかな色合いへの大変化がすごい。

 「笑い展」は現代アートの中の笑いがテーマ。いろんな絵画、立体、ビデオ、イベントなどの「おかしみ」を世界中から集めた展示。すごいバカやってる人たちが世界中にいるのだ。鳥光桃代「Horizons」は、匍匐前進する原寸大のサラリーマン宮田二郎を作った人の作品、匍匐前進するスパイかな? けっこう広い枠の中で20センチくらいのスパイが100匹以上匍匐前進で右往左往していた。電池で動くんだろうけど、スパイが行き詰ると、係りのおねいさんがスパイをつかまえて別の方向に置きなおすために右往左往していた。まったく手のかかるスパイどもだ。会田誠「日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ」・・・あのテロリストが日本に潜伏していたとは驚きだ。こいつは、こたつでイカを食いながら酒を飲みながら、ペヤングを食いながら、ぬるま湯の生活にうつつをぬかしていた。

 会場のあちこちで「うふ」「わは」「へへへ」「なにこれぇ」と笑いが起きる。腹から笑うこともあれば、腸のぜん動運動だけのときもある。鼻で笑うこともある。失笑を買うこともある。笑いのがすこともある。見てる人たちも笑顔である。なんかヘラヘラしながらフラフラと気楽に見て歩くのにちょうど良い感じの展覧会だった。「日本美術が笑う展」はそこはかとなく漂ってくる天然ボケ的な味がよい。「笑い展」は笑わせようという意気込みが空振りしてたりする作品もあった。ただ、どうでもいいけど「日本美術が笑う展」と「笑い展」に分ける必要性があるのだろうかと思った。何かオトナの事情でもあるのか。どうせ入場すればどっちも見なければ出口に着かないし。ともあれこれは面白い展覧会で、とりあえず笑っとこう。ひざも笑った。

 勝手に決めたこの展覧会のテーマ 「だってバカなんだもん」
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