ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

サルバドール・ダリ - エンドレス・エニグマ

2024-02-18 14:40:26 | 美術[さ]
「サルバドール・ダリ - エンドレス・エニグマ 永遠の謎 -」@角川武蔵野ミュージアム

 360度スクリーン空間に映し出される体感型デジタルアート劇場というアートイベント。その第1弾は「浮世絵劇場 from Paris」、第2弾が「ファン・ゴッホ - 僕には世界がこう見える -」と続き、第3弾が「サルバドール・ダリ - エンドレス・エニグマ」。クリエイティブディレクター:ジャンフランコ・イアヌッツィの「ゴッホ」に続く角川武蔵野での2本目となる。浮世絵もゴッホもネットで情報は得ていたが行動には至らなかった。今回の「ダリ」は逆に情報不足で、やっていることさえ気づかなかったのだが、友達に誘ってもらい「Oh! そんなん始まったん!?」と駆け付けたのだ。

 本物のダリ作品が展示されるようなイベントではなく、映像パフォーマンスに肩まで浸かるようなデジタルアートショーという感じ。没入型(イマーシブ)と言うらしい。チームラボなど近頃あれこれと流行っているデジタルアート。今までほぼ静止画でしか見ていなかったダリの名画、名場面がうにょうにょと動いて変化するのを見るのは楽しい。ピンク・フロイドの曲をバックに、フロアと柱と四方のスクリーンにいろいろなCG映像が同時多発的に映される。あちこちに同じ場面が映っているように見えて微妙に異なっていたりするので、いつまでも見飽きない。動画やフラッシュや三脚を使わなければ写真OK。

1階グランドギャラリーのエントランス
卵の殻に入って記念撮影したり


ポール・エリュアールの肖像


内乱の予感


記憶の固執の分解


レダ・アトミカ&ポルトリガトの聖母


角川食堂の推しランチなので


カタルニア風トマト煮込みカレーを食べる



 武蔵野線・東所沢から徒歩10分くらい、角川武蔵野ミュージアムに初めて行った。隈研吾設計による地殻変動的で変てこりんで巨大な外観は一度見たら忘れない。20000枚の石板を貼り巡らせてあるらしい。5階建ての館内は美術館、図書館、博物館などがあり、それぞれ別個に入場料が必要。今回買ったチケットは「ダリ」専用。美術館のある一帯は「ところざわサクラタウン」となっている。名前からしてイオンモールみたいな所かと思っていたら、2020年オープンの最先端の複合施設だった。夜にライトアップされる鳥居やモダンな神社まである。

武蔵野坐令和神社&角川武蔵野ミュージアム


神社の大鳥居と絵馬がかかった壁面


角川武蔵野ミュージアム


角川武蔵野ミュージアム



【角川武蔵野ミュージアム】サルバドール・ダリ - エンドレス・エニグマ 永遠の謎 - PV/ Salvador Dali - Endless Enigma PV
https://www.youtube.com/watch?v=Dd-LqMW_yrE&t=11s




コメント

佐伯祐三 自画像としての風景

2023-02-24 19:09:04 | 美術[さ]
「佐伯祐三 自画像としての風景」@東京ステーションギャラリー

 東京で18年ぶりの回顧展、展示作品は143点と、けっこう多め。前期・後期で11点ずつ展示替えがある。多いだけにお馴染みの名品が勢ぞろいの安心感と、同じ場所を描いた作品を並べて展示する贅沢感が味わえる。

 東京ステーションギャラリーは、赤レンガのレトロな展示スペースが重厚な雰囲気を醸し出しているので、だだっ広いホワイトキューブとはまた違った作品巡りが楽しめる。チケットは入場時刻別のネット予約をしたが、祝日昼過ぎの現場には当日券の行列が少しできていた。東京では4月2日まで、その後、大阪で4/15~6/25に開催される。

 音声ガイドは自分のスマホやタブレットなどに公式アプリ『聴く美術』をインストールして利用する形式。コロナ禍では音声ガイドを借りるのもまた気を使うのでこの方がいいかもしれない。アプリは無料だが、音声ガイドは有料で650円。でもGoogle Playの割引クーポンが200円付いていたので450円だった。ナビゲーターは有働由美子さん。もちろんイヤホンも必要。私は昨年買った骨伝導ヘッドホンを持って行った。耳をふさがないので鬱陶しくなく、会場内は静かだから、蚊の鳴くようなボリュームでもちゃんと聞こえるので、音漏れなど気にならなかった。

《郵便配達夫(半身)》
 全身像とまたちょっと顔つきが違う。不安げな眼差しでこっちを見ている。もう1点グワッシュ作品があったらしいが戦火で焼けてしまったとか。




《ガス灯と広告》
 ものすごく好きな作品。何と書いてあるのかわからない、適当に書いたような文字が踊るカラフルな張り紙がズラリと並ぶと規則正しく見えてくる。幅が100cmある大きい作品なので、近くで見ると怪しげな迫力がある。




《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》
 ものすごく好きな作品。長テーブルの足がマンドレイクみたいになっているが、全体的にキチンとまとまっている。でも店内がホントにこの絵のままだったら落ち着けないだろうな。




《テラスの広告》
 オテル・デュ・マルシェの広告部分を強調して描いた作品。手前のテーブルは六角形のはずだがもう不揃いな円形になっちゃっているし、白い椅子はさらに殴り描きみたいになっていて、踊る骸骨オバケのように見えてくる。店内がホントにこの絵のままだったらもう人間は座れなそうもない。




《ガード風景》
 ガードを抜けた先の賑やかそうな雰囲気に誘われて用もないのについふらふらと行きたくなるねぇ。



コメント

「シュルレアリスムと絵画」展

2020-01-12 18:41:24 | 美術[さ]
シュルレアリスムと絵画 ―ダリ、エルンストと日本の「シュール」@ポーラ美術館

 アンドレ・ブルトンが提唱した「反合理主義、現実の中にある超現実、無意識」などを表すシュルレアリスム、日本に来てから「現実離れして真の理解が不可能であるさま、不条理」などに意味合いが変化して行った日本語のシュール。今や誰でもすぐ言う「シュールだなぁ」はアンドレ・ブルトンが言いたかったこととは違うようだ。「シュールシュール、ホトシュール♪」なんて歌っている人もいるくらいだ。いずれにしても「超現実主義」という単語の魔力は、少年でなくなった今でも私の大好物だ。でも生活は現実的である。




 エルンスト《光の車輪》のでっかい目玉に迎えられる展示室には、ダリ、タンギー、マグリット、キリコ、エルンストなどのシュルレアリスム作品や、福沢一郎、古賀春江、北脇昇、岡上淑子などの日本のシュール作品を100点ほど展示している。

 最後に、気分はそこはかとなくシュールな束芋作品も登場。束芋は「ギニョる」が大好きだが、今回は映像作品としては「虫の声」と「dolefullhouse」が上映されている。「dolefullhouse」はドールハウスに次々と家具調度を並べて行く両腕の映像作品。時々腕をボリボリ掻いたり時々タコが出て来てだんだんぞわぞわする作品。





 たまたま偶然にアートテラーとに~さんのトークイベント「新春!シュルレアリスム ヒットパレード ― シュールの笑いを分析する ―」をやっていたので、それに合わせて行った。←偶然じゃねぇじゃん

 相方はポーラ美術館本展担当学芸員の東海林洋さん。いつもはアートネタで笑いを取るとに~さんだが、今回は「シュルレアリスム」と日本のお笑い芸人界における「シュール」「ナンセンス」「カオス」などの関係性を、元芸人の威信にかけてやや真面目に語るトークショーだった。とはいえもちろん笑いどころはぬかりなく用意されていた。

 真面目な証拠に、とに~さんがトークを始める時に「今日は真面目にやるのでメガネをかけます」と言ってメガネをかけた。←証拠になってねぇじゃん



 ポーラ美術館の裏の遊歩道を初めて歩いてみた。この季節ではほとんど枯れ木の散歩道だった。





コメント

塩田千春展

2019-09-15 22:16:37 | 美術[さ]
 塩田千春というと、2001年のヨコハマトリエンナーレで、天井から巨大な薄汚れたドレスが数枚ぶら下がっていたのが不気味で印象的だった。あの時が29歳だったようだ。時は流れて2019年、なんか赤い糸が毛細血管みたいにわっさわっさたむろしている個展が開かれている。赤い紐でぶらさがったたくさんのボストンバッグ、焼け焦げたピアノや椅子に纏わりついた黒い糸。張り巡らされた糸は展示室のヘリにまで達することで展示室全体が作品そのものになっている。この展覧会は一部を除いて写真撮影OKになっている。
 
 

 ついでながら展示室を出た所にあるMAMコレクションでは会田誠の「フェイクニュース?」という2014年の映像作品が上映されている。会田さんが総理大臣に扮して、英語でスピーチをしているのだが、たどたどしい英語で、鎖国をしようなどと問題発言をしている映像。髪を七三に分けてスーツを着ている会田さんはホントにホントに見違えるほど似合わないデラックス。
コメント

シュルレアリスムとダリ~幻想と驚異の超現実~

2019-05-03 09:46:02 | 美術[さ]
【開館20周年記念展 vol.1】「シュルレアリスムとダリ~幻想と驚異の超現実~」@諸橋近代美術館
 
 諸橋近代美術館訪問は3度目、ちょっと遠いのでなかなか行けない。8年前に行ったときは震災の影響でオープンが2か月遅れになった年。そのまた7年前に初めて訪れた。開館期間は4月中旬~11月下旬、それ以外は雪に埋もれている。実業家の諸橋廷蔵氏が蒐集した作品を展示する、中世の馬小屋をイメージした美術館。とはいえ日本人の私から見たら優美な古城にしか見えない。馬糞の匂いは似合わない。そしてそのコレクションのメインは340点にも及ぶサルバドール・ダリの作品。
 
 開館20周年記念の今回はシュルレアリスムとダリとの関りをテーマに、所蔵品だけでなく福島県立美術館、岡崎市美術館、広島県立美術館などから借りてきた作品も合わせて展示されている。テトゥアンルームには3m×4mの巨大な所蔵品《テトゥアンの大会戦》が定位置を占めていて、館内の真ん中のホールには妙ちきりんなダリの彫刻作品が多数点在していて、その周囲を歩き回るだけで口から涎が垂れて耳から脳が垂れる。
 
 前2回は天気予報を見てから狙っていったので快晴だったのだが、今回は1泊するためのビジネスホテルの空きがこの日しかなかったので、油断していると雨でも降りだしそうな危うい天候での訪問になってしまった。令和元年5月1日、大連休の改元早々、往路で五重衝突の事故渋滞、復路で三重衝突の事故渋滞に遭遇しながらトータルおよそ900kmのドライブとなった。
 
 
 
 
 
 
諸橋近代美術館のカフェ
 
行く途中で食べた喜多方ラーメンバーガー
コメント

THE BODY 人体 - 神秘への挑戦 -

2018-03-18 20:50:31 | 美術[さ]
「人体 - 神秘への挑戦 - 」@国立科学博物館

 内臓とか骨とか脳とか、人体の直接見えない部分の神秘に焦点を当てた展覧会。人体スライス標本の展覧会ほどのインパクトはないが、人体と言ったら「俺そゆのあんまし興味ねーし」なんていう人はいないだろう。自分自身の事でもあるし。近頃腰が痛いとか近頃鼻水が凄いとか近頃頭が悪いとか思っている人は、なおさら人体について気になっているに違いない。

 「神秘への挑戦」は人体のいまだに解明されていない事柄について、解剖、観察、研究を重ねることによって、体の構造を理解すること。そうすれば医学的に優れた治療方法にたどり着くことができる。それも最先端テクノロジーをもってすれば、昔では想像もできなかった速さと手段で神秘を解明できそうだ。

 人間と他の生き物の脳やら内臓やらの大きさを比較しているコーナーも興味深い。人間の血液は4.6リットル、それに対してゾウの血液は245リットルもある、などの比較も実際に赤い液体を見せられれば一目瞭然でわかりやすい。

 以前は脳が体の全てを司る中心だと思われていたが、実は骨やら筋肉やらいろいろな部位がネットワークを作り協力し合って体の機能を保全しているらしいことがわかったきたようだ。それならばインターネット時代の到来は生命誕生の時から決まっていたってことだな。

 ミュージアムショップを見ると、他の展覧会と似たようなグッズが並んでいる。でも内臓をプリントしたTシャツやらお菓子やらって売れるのだろうか?ちょっと心配だ。ペンフィールドのホムンクルス携帯ストラップやフィギュアでもあれば買ったのに・・・
コメント

鈴木春信 ボストン美術館浮世絵名品展

2017-10-21 23:24:30 | 美術[さ]
「鈴木春信 ボストン美術館浮世絵名品展」@千葉市美術館

 閉幕直前に滑り込みで見てきた。ボストン美術館の春信とその周辺の絵師の作品、千葉市美術館所蔵の参考出品を合わせて159番まである中、春信の品が101品もあった。8割以上が海外にあるらしい春信作品、錦絵と呼ばれる派手派手な浮世絵の第一人者、春信の絵はやっぱりそれ以前の絵と比べてカラフルで楽しいし、空摺りは実物でないと見えない。歌舞伎に詳しくないとよくわからない役者絵ではなくて、わかりやすい美人画だし。でも「見立てなんたらかんたら」は難しい。

 まさかの真似ゑもんも登場しているが、雲に乗って現れた仙女から豆男になれる秘密のドラッグをもらうシーンである第一図だけ展示されていた。春信の死後、春信リスペクトな絵師たちによって真似されゑもんとなった春信。亡くなった春信の絵を見ている娘たちというシーンを描いた鳥居清経《春信追善》なんてのもあって凄い。そうかと思えば礒田湖龍斎などの春信風な絵や「春信画」と記してあるのに作者不詳の絵もあった。そのくらい春信は人気者だったのだろう。

 このあと名古屋ボストン美術館、あべのハルカス美術館、福岡市博物館に巡回予定。

 《女三宮と猫》がよかったので絵葉書を買おうとしたら売り切れだったのでクリアファイルを買った。なんだかんだでもったいなくて一生使えないクリアファイルが30枚以上溜まってるのだが・・・

《夕立》


コメント

佐川美術館、浮御堂、彦根城、ラ コリーナ近江八幡

2017-10-16 18:38:20 | 美術[さ]
佐川美術館

 滋賀県の親戚の家に行ったついでに、琵琶湖大橋の近くにある佐川美術館に寄ってみた。佐川急便が1998年3月に開館した立派な美術館。ファーストインプレッションは優雅でかっこいい。周囲を浅い水面で囲まれ、和風な三角屋根の平屋が2棟並んでいるが、一部分水面下にも展示室があり、樂吉左衛門などの陶芸を展示している。その他の常設展示として平山郁夫館と佐藤忠良館がある。企画展をやるスペースもあり、現在は「百花繚乱 浮世絵十人絵師展」を開催中。









臨済宗大徳寺派 海門山 満月寺 浮御堂
琵琶湖に突き出た橋の先に千体仏が安置されている





浮御堂から見た琵琶湖大橋



彦根城でひこにゃんがお出迎え







彦根城 玄宮楽々園



ラ コリーナ近江八幡 設計:藤森照信
クラブハリエのバームクーヘン実演販売とかやっているお菓子屋さん
レストランもありどこもかしこも大賑わい
屋根に草が生えているwww
屋根だけでなく裏に回ると広大なスペースに草だらけwww
ヒトではない何かが棲んでいるような雰囲気
レストランもありどこもかしこも大賑わい








コメント

素心伝心 クローン文化財

2017-10-06 19:59:34 | 美術[さ]
「素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生 シルクロード特別企画展」@東京藝術大学大学美術館

 保存しなければならず、でも公開もしなければならず、公開すれば自動的に少しずつ劣化してしまう文化財。その解決策として最新のデジタル技術を使って本物と寸分違わぬ複製を作り上げる。既に失われてしまった文化財も再現できる。

 法隆寺金堂壁画、法隆寺釈迦三尊、バーミヤン天井壁画、敦煌莫高窟などなどをリアルに再現して展示されている。展示風景も洞窟っぽくしてあるものなど、臨場感が伝わってくる。いちばん目立つのは釈迦三尊で、現在の古めかしさがそのまま再現されていてすごい。んだけど、4月にバベルの塔再現と同時に釈迦三尊が展示されたときは目の前で見られたが、今回は美術館の天井の近くに設置されているのでかっこいいけど近くでは見られない。

これからは傷みやすい文化財の代わりにクローン文化財が、お前立ちのように公開される時代が来るかもしれない。あまりにも瓜二つなので、いつ入れ替えたのか誰にもバレずにクローン文化が栄えるのだ。クローンだからいくつでも作れて、あちこちに展示されて全国各地に釈迦三尊、藍屋の隣にバーミヤン。



コメント

静岡近代美術館

2017-04-30 09:16:20 | 美術[さ]
静岡近代美術館

 静岡駅から行くと駿府城公園を超えた辺りに2016年10月にオープンした、名前の通り近代美術を展示する美術館。名称からすると県立か市立の美術館のように思ってしまうが、市内にある洋品店の大村明社長が蒐集した近代絵画を展示する私立の美術館である。普通なら大村美術館とか名付けるのだろうが、静岡市は美術館が多くないので強気な名称も付けたもん勝ちなのかも。好きで集めた作品が溜まりすぎて置く場所が無くなったので美術館を作ってしまおうなんて、夢のような人生だ。

 建物はコンクリート感満載の四角い2階建て。シンプルな外観なので向かいの家を眺めながら歩いていたら見逃してしまい住宅地を一回りした。エントランスからいきなりスリッパに履き替えるシステムで靴を入れるビニール袋も用意してある。でもお寺のようにビニール袋をブラブラぶら下げて歩くわけではなく、ちゃんとロッカーも完備しているから大丈夫。

 藤島武二、梅原龍三郎、安井曽太郎、萩須高徳、佐伯祐三、フジタ、コロー、ユトリロ、ヴラマンク、ビュッフェなどビッグネームの作品が陳列されている。現在は「藤島武二 生誕150周年展」を開催中。


ヴラマンク 《道端の家》



藤島武二 《少女》・・・ちょっと山口百恵っぽい

コメント

若冲と蕪村

2016-09-29 21:20:36 | 美術[さ]
「若冲と蕪村 - 江戸時代の画家たち -」@岡田美術館

 箱根の岡田美術館でやっている展覧会「若冲と蕪村」は昨年サントリー美術館で開催された展覧会と同じ名称だが、こちらは若冲、蕪村、応挙、芦雪などの岡田美術館所蔵作品だけ42点を展示している。もちろん常設展も一緒なので見ごたえはありすぎる。春の大騒動、生誕300年記念若冲展に出ていた、最近発見された「孔雀鳳凰図」が岡田美術館の所蔵作品なので、これが今回の目玉となる。んで、よく似ている孔雀と鳳凰の作品を並べてみた。似ているというか色違いみたいな感じ。






 館内を見て歩いていたら歌麿の巨大肉筆画「深川の雪」(198.8cm×341.1cm)があった。「あれ?ずっと展示してるのか」と思ってキャプションを見たらレプリカだった。やっぱりずっと展示してたら傷むからねぇ。だからそれはいいのだけれど、なぜか90%に縮小したものだそうだ。なんでだろ?この中途半端な縮小理由は?展示スペースの問題なのか?なんでだなんでだろ?



コメント

篠山紀信展「快楽の館」

2016-09-06 21:43:36 | 美術[さ]
篠山紀信展「快楽の館」@原美術館

 原美術館が妖しげな雰囲気に染まる。30人のモデルによるヌード写真展開催中。その中にはあの壇蜜さんもいる。単なるヌード写真と違うところは、すべてがこの原美術館で撮影されたものだということ。この壁の前で、その柱の横で、あの窓際で・・・今いるこの場所で撮ったんだな、という不思議な感覚。今は写真が静かに並んでいるだけなのに、撮影したその日にはここで裸の女性たちが縦になったり横になったり飛んだり跳ねたりしていたらしい。う~む、その日に来たかった (・_・)/
コメント

生誕300年記念 若冲展

2016-05-15 00:39:32 | 美術[さ]
「生誕300年記念 若冲展」@東京都美術館

 土曜日、開館前の8:00から行列のできる展覧会に並んだら、9:30頃には入場できたけれど、なんでこんなに混むんだ? 若冲人気高騰中というだけでなく、会期がひと月という短期決戦なのも混雑の原因なのかも。

 今回の目玉は、相国寺の《釈迦三尊像》と《動植綵絵》30幅かな。1階ワンフロアにぐるりと丸く展示していい雰囲気を醸し出していたけれど、係員のおばさまが仕事を頑張りすぎて「右回りで立ち止まらないで!」と大声で采配を振るっていたのでやたらやかましいフロアになっていた。《動植綵絵》30幅は「皇室の名宝展」でも見たが、《釈迦三尊像》は初めて見た。縦2m以上、横1m以上ある割と大きな絵が3幅。

 2階に移動すると先ほどとは打って変わって静かな展示室、喧騒から逃れてほっと一息。ここにも目玉商品が待ち構えている。エツコ&ジョー・プライスコレクションの《鳥獣花木図屏風》。升目描きという独特の描き方は一度見たら忘れられない。かといって真似もしたくもない面倒くささがヒシヒシと感じられる。今回は美術館のエントランスの横に、《鳥獣花木図屏風》をモチーフにした、チームラボの《Nirvana》という動く升目デジタルアニメ作品も展示されていてとってもかわゆい。それから《雪中鴛鴦図》の「ボク平気カモ」もやっぱりかわゆい。ニワトリは派手だがカモのほうがかわゆい。

 なんだかんだ言っても全部若冲、全部目玉のような展覧会なので、見逃したくはなかったけれど、これだけ混むと見逃さざるを得ない人も出てきちゃうかも。もうちょっと期間が長い方がいいなぁ。どうして短くなったのかな?ケツカッチンなのかな・・・なんて思いながら外に出たら「待ち時間180分」とか書いてあって背筋を凍り付かせながらその場を後にした。

チームラボ 《Nirvana》


《雪中鴛鴦図》

コメント

スター・ウォーズ展

2016-02-11 23:20:21 | 美術[さ]
「スター・ウォーズ展 未来へつづく、創造のビジョン。」@静岡市美術館

 あちこち巡回していたけど、ようやく見られた。ルーカスから依頼されたさまざまなアーティストによるスター・ウォーズ絵画がたくさんあって面白い。ジェダイ、シス各メンバーのライトセーバーも展示されていて違いが一目瞭然、ストーム・トルーパーのヘルメットをデザインした企画モノも並んでいてバカバカしくて楽しい。スペースシップの模型も勢ぞろい、窓から漏れる光の数に圧倒されるスターデストロイヤーなんか見とれてしまう。主要メンバーごとに2~3分の映像があちこちで流れていてなんか懐かしかったりして。DVD全部持ってるんだから見たい時に見られるはずなのに、そうそう見てもいないから逆に新鮮で、ああ、あったあったそんなシーン!


コメント

シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵

2016-01-05 21:50:05 | 美術[さ]
「シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵 - 美の競艶 浮世絵師が描いた江戸美人100選」@上野の森美術館

 ロジャー・ウェストン氏所蔵の、江戸美人を描いた一点ものの肉筆画129点が来日。版画よりゴージャスな雰囲気満載で、最近描いたのかと思っちゃうくらい色彩も鮮やか。単眼鏡で見れば絹目を横切る細い線がよく見える。展示方法も奥行きが短い陳列ケースや最新のLEDライトを使ったりして見やすい工夫をしている。懐月堂派の度繁、度種、東川堂里風、梅翁軒永春、松野親信のあたりが好き。終盤に出て来る京都の絵師、祇園井特の美人画は顔のアクが強い。

二代目歌川豊国 《絵巻を見る男女》
手なんか繋いじゃってさ、絵巻じゃなくてうなじ見てるやんか!


河鍋暁斎 《一休禅師地獄大夫図》
しゃれこうべが三味線の洒落神戸を奏で、シャレコーベーズがダンシンオールナイ!
コメント