ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

みほとけのキセキ - 遠州・三河の寺宝展 -

2021-04-11 21:34:11 | 美術[ま]
「みほとけのキセキ - 遠州・三河の寺宝展 -」@浜松市美術館

 浜松城公園の脇にある浜松市美術館で開催されている仏像展。浜名湖周辺、静岡&愛知の県境付近の仏像を集めた初の展覧会。写真撮影OKという楽しい展覧会だった。会期は4月25日まで。


I'm number one!! 自信満々の馬頭観音(長楽寺)


どっしりとした釈迦如来&阿弥陀如来(普門寺)


着飾らないはずの如来なのに派手な宝冠釈迦如来(方広寺)


かっこいい増長天(普門寺)


何か別の生き物を思わせる千手観音の後ろ姿(摩訶耶寺)


アメンボみたいな金銅普賢菩薩(中国)




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Meet the Collection 横浜美術館

2019-04-29 22:16:50 | 美術[ま]
「30周年記念 Meet the Collection―アートと人と、美術館」@横浜美術館
 
 全展示室を使ってコレクションの中から300点以上を展示する横浜美術館の収蔵品展。いつもの場所から引っ越ししている作品もあり、「あ、こんなとこにおったか」という楽しみ方もできる。過去の横浜トリエンナーレに出品された作品も展示されていて、円形の展示室の高さ7mの壁面には淺井裕介《いのちの木》がぐるりとでっかく土絵具で描かれている。その色合いとイメージは太古の壁画チック。束芋の映像インスタレーション《あいたいせいじょせい》では、お馴染みのヌメヌメとした柔らキモい映像を楽しめる。
 
 収蔵品展だけとはいえ、館内一周全部収蔵品は見応えがあるし、ほとんど写真撮影可能。それに横浜美術館は2021年(令和3年)から大規模改修工事のため休館になるようなので、いったん見納めしておくのもいいかも。完成から30年経った美術館とはいえ、館内も館外もきれいなのでそんな歴史は感じられない。大規模改修っていったいどこをどう変えようと企んでいるのかちょっと気になる。
 
 
 
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マルセル・デュシャンと日本美術

2018-11-10 23:18:40 | 美術[ま]
「マルセル・デュシャンと日本美術」@東京国立博物館

 平成館を大報恩寺展と半分こっこにして開催中のデュシャン展。初期の油彩画からキュビスムのワケワカラン系絵画を経て、お騒がせレディメイド、そして晩年までを紹介する展覧会。フィラデルフィア美術館から大小合わせて約150点が展示されている。

 世界一高価な薄汚れた白便器《泉》はガラスケースに入れられて丁重に飾られていた。会場は写真撮影がOKなので、みんなが嬉々として便器をパシャリパシャリ。

 最後の展示室は『デュシャンの向こうに日本が見える』と題して東博所蔵の日本美術がズラリ。別にデュシャンの所蔵品というわけでもなく、車輪やら便器やらのレディメイドになぞらえて日用品としての茶碗や花入れが美術品だぞ!というような変わった切り口で観客を惑わせる。
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ムンク展 共鳴する魂の叫び

2018-10-28 16:17:36 | 美術[ま]
「ムンク展 共鳴する魂の叫び」@東京都美術館

 ノルウェーのオスロ市立ムンク美術館所蔵の《叫び》は今回が初来日。カラーの《叫び》という作品は4点あるらしい。今回のムンク美術館のものは目玉がなくて白目剥くほどの絶叫状態。オスロ国立美術館のものは黒い目玉がくっきり描かれていて、目が点になるほどの絶叫状態。じゃぁどっちの絶叫がすごいか?とかはどうでもいいか。それで調子に乗ったムンクは《叫び》を単色のリトグラフにして増産しちゃったのだ。ヒット曲に気をよくして「レゲエVer.」とか「Funky Remix」とか「Updated 2018」とかリリースしちゃうミュージシャンみたいな。

 眼病による血管の破裂でも視野がモヤモヤっとなった時はそのままモヤモヤっと描いてしまったムンク。クの作品を見ると「病んでるなぁ」って思うけれど、ホントに精神を病んで病院に通っていた時もあったらしい。

 《叫び》のほかにも「マドンナ」や「吸血鬼」など、お馴染みのムンク作品も合わせて100点ほど来日。《叫び》は、常日頃からあまりにもいろんな素材で見慣れてしまっているので、初来日と言われても「あれ、そうだっけ?」って気分が抜けきらない。「ピカソ」と同じくらい《叫び》はポピュラーな物件になっている。ショップには叫び人形なんかも当然のように売っていた。

 初日、土曜日の昼過ぎは待ち時間ゼロで、やや混雑の中、割とスムーズに見て回れた。最後にミュージアムショップで絵葉書でも買って行こうかと思ったら、会計待ち60分と言われて思わず耳を塞いだ!『うぎゃぁ~~~!』心の叫びを重低音で漏らしながら何も買わずに退出。 |(・0・)1




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モネ それからの100年

2018-07-16 18:51:13 | 美術[ま]
「モネ それからの100年」@横浜美術館

 それからの100年、それからというのは《睡蓮》大装飾画の制作に着手してから約100年だそうで、生誕100年でも没後100年でもない、そんななんでもない年でも100年記念展ができちゃうミラクル。でも2026年には没後100年展が開催されるに違いないのだが。

 モネと言えば睡蓮?というほど、しつこくしつこくネチネチと睡蓮ばっかり描き続けたし、描きたいばかりに池や庭を自分で作ってしまうという贅沢なおじさんだったカモネ。そんなモネの作品25点と、モネにインスパイアされた作家などの作品65点を見せる展覧会。印象的なのはやはり睡蓮の池へのオマージュ的な作品で、皆いろいろと手を変え品を変えモネっぽさを競い合っている。

クロード・モネ 《海辺の船》


クロード・モネ 《睡蓮》


福田美蘭 《モネの睡蓮》


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ミラクルエッシャー展

2018-06-10 18:31:05 | 美術[ま]
「生誕120年 イスラエル博物館所蔵ミラクルエッシャー展」@上野の森美術館


 前にスーパーエッシャー展をやったので、今度はウルトラエッシャー展かと思ったらミラクル皆来る。ってんで、まだ始まったばかりなのに上野の森美術館のあの狭いエントランスに行列30分待ち。
 
 イスラエル博物館から150点が初来日といっても、版画なので見たことのある作品はもちろんある。正直言うと『またエッシャーか』くらいの軽薄な気分のまま惰性で行ったのだが、初期の頃の風景版画や、まだメタモルフォーゼってない頃の立体パズルみたいな作品にも引き込まれるものがあり見逃せない。

 展示の後半に行くに従って、エッシャーといえばこれだろ!という見慣れた作品が増えてくる。ここに至ってようやく『またエッシャーか』という気分プラス『これがエッシャーだ』という安心感に包まれる。

 《爬虫類》、《階段の家》、《相対性》、《物見の塔》、《上昇と下降》、《滝》などは手放しに喜べる作品。

 生々流転みたいな《メタモルフォーゼ II》は約3.8mの長尺作品だが縦は19cmという細さ。でもこれは木版画なのでしょうがないか。図録には長々と八つ折りでおよそ1.6mで収録されている。



 図録は今回も正方形タイプ。エッシャーの図録は正方形って誰か決めた?

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ミュシャ展 スラヴ叙事詩

2017-03-11 23:07:20 | 美術[ま]
「ミュシャ展 スラヴ叙事詩」@国立新美術館

 スラブ叙事詩を見たいからと、チェコに行った知り合いもいるけど、チェコはかなりちょっとだいぶすごくえらく遠いなぁむりだろなぁと思っていた。でも今、チェコに行かなくてもスラブ叙事詩20枚揃って見られるまさかの機会が巡って来た。国立新美術館開館10周年。

 1枚1枚が巨大で6m×8mなんてのもある。大きさはまちまちなので展示スペースを有効に使うために1から20まで順番に並んでない。展示室をまたいで行ったり来たり宝探し気分。「7番はどこかな?」「あっちの小さいやつだ」なんて会話が聞こえてくる。配置図を見るとなるほど、7番はあっちほうにある小さいやつだ。縦長で6m×4mのやつが小ぢんまりと・・・どこが小ぢんまりだ?!!でっけぇじゃねぇか!

 公式サイトに展示風景の動画があるが、絵の展示作業というよりもまるで建築作業のようだ。ともかくそんな巨大な絵が次々続々と立ち並ぶ展示室は壮観。どっかの現代美術展でしか目にできないようなジャイアントゴージャス! テーマはスラブ民族の苦難と栄光の歴史なのだが、その辺に詳しくないので即座にピンとは来ないものもあるが、沢山の人々やら神やらが描かれた、やや淡めな色合いの巨大な画面からは、歴史の重みが伝わって来る。

 ミュシャは平和主義者だったので、戦いの場面でも、血だらけ首チョンパな描写はせず、流血を見せずに倒れている人々や悲しみに暮れる人々を描くことでその場面の悲惨さを表現している。

 スラブ叙事詩の展示は3室あるが、そのうちの最後の部屋だけ写真撮影OKとなっている。結構な人出で混混雑雑なのだが、絵がデカいだけに、後ろの方からでもよく見える。逆に前すぎると首が折れるまで曲げないと上の方が見えないので脊柱管狭窄になりそうだ。

 チャラチャラした美女のポスターを描いていたミュシャが人生後半の16年を費やして、ライフワークとして描きあげたスラブ叙事詩、20枚まとめてチェコ国外で展示されるのは初めてらしいので、もう行くしかない、もう見るしかない。

 スラブ叙事詩を見終わった後は、 チャラチャラした美女のポスターや装飾品、切手などの展示が続く。こちらは割と見慣れた作品が並ぶミュシャミュシャしたコーナーで、私の好きなヒヤシンス姫やゾディアックも当然のように並んでいる。それらを見ながら、なぜかひと仕事終わってくつろいだ気分になってしまっている自分がいる。

 ミュシャはフランス語発音で、チェコ語ではムハと発音するらしい。それで今回はキャプションに "ムハ(ミュシャ)" なんていう表記がされている。でも長い間ミュシャで慣れ親しんでしまっているので、今さら "ムハッ!" と言われても、ウルトラマンじゃないんだから、おいそれとムハな気分になれるものでもない。

 ショップのレジ待ち行列は15分程だった。まあこの程度なら仕方なかろうと思って並んで図録を買った。開幕後最初の土曜日で結構な人出だったので早く行った方がいいかも。2週間早く始まり同時開催中の草間彌生展の前を通りかかると、レジ待ち60分のプラカードが目に入った。 やよいちゃん恐るべし!




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村上隆のスーパーフラット・コレクション

2016-03-24 19:07:46 | 美術[ま]
「村上隆のスーパーフラット・コレクション」@横浜美術館

 現代の巨匠、村上隆氏が金にものを言わせて蒐集したアートを横浜美術館いっぱいに展示。5000点以上のコレクションから1100点を並べた展覧会。アーティスト&総合プロデューサーとしての目線で、あらゆる世界からあらゆる時代から集めた作品、現代アートに限らず、古い陶芸やら、なんだかわけわからんモノまで集めるにもほどがある。凡人のこちら側からしたら、こんなの絶対いらねぇわ!と言いたくなるような「現代アート作品」もいろいろと並んでいる。だから見て回って「あっ、これ欲しい」と思う作品は17%くらいかな。それから「あっ、これタダでもらっても置き場所に困る」と思う作品も63%くらいある。フライヤーにも載っている写真の「村上隆の脳内世界」というインチキ骨董屋みたいな部屋にはヘンテコなモノがうじゃうじゃ存在している。その壮観な眺めは脳をどんどん痛め続ける。もうかなり傷んでしまった。
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没後100年 宮川香山

2016-02-27 23:15:04 | 美術[ま]
「没後100年 宮川香山」@サントリー美術館


 明治陶芸の超絶技巧士、宮川香山の花瓶、香炉、皿など。使いやすさより飾るために作られたようなデカいデコレーション、デカい猫、デカい蟹、デカい鳥、陶器を見ているというよりも、彫刻を見ているような気分。こういうの大好き。

 宮川香山は京都に生まれ横浜に移り住んだ。 当時の窯の跡などが残る南太田にオープンした記念館が、1年半後の2010年に横浜ポートサイドに移転し眞葛ミュージアムとなった。そこに行けば初代・二代の宮川香山の作品を見ることができるが、小さな美術館なので展示数もあまり多くはない。それが今回はゆとりのあるサントリー美術館に150点弱並んでいるので見ごたえ充分。少しだけ撮影可能なエリアも準備されている。

この皿にカレーを入れてもチキンカレーにはならない! 鳩だし。


いろんなフィギュアとか飾りたくなる便利な隙間を完備!


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モネ展

2015-09-22 20:09:47 | 美術[ま]
「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」@東京都美術館

 印象派の呼称の由来となった「印象、日の出」が21年ぶりに東京に来たそうで、この絵だけスポットライトが当たってオレンジに輝いていた。小船の浮かぶのどかな朝の海ではあるけれど、背景にはガントリークレーンみたいな産業機械が立ち並ぶ、ぜんぜん田舎ではない活気あふれる直前の港町。

 当時は正確にきっちり描くのが常識だった絵画。モネだってそのことは痛いほどよく知っていたはず。最初はタイトルを付けてなかったようだが、記者に問われたモネは困った。このぼんやりした風景画を「これはル・アーブルの港の朝の景色である!」と、胸を張ってきっぱり言い出しそこねて、「えっ?あ、う~んと、ねぇ・・・あ、そだそだ、い、い、印象! 港のね、日の出のね、朝のね、い、い、印象だぉ!」と言ったかどうだか知らないが、それで「印象、日の出」というタイトルが付いた。

 それを聞いた記者はモネがあっちのほうへ行っちゃうと、「印象だとよ!聞いたかよ?印象、物は言いようだよなぁ。夢だとか想像だとか印象だとか、適当な事言っちゃってさ、こんな下書きみたいなものをwww」と物凄くバカにして笑ったのだろう。これがきっかけで下書きみたいな作品を描くこいつらのことを「印象派」と揶揄して呼ぶようになったというのだから、今思えば重要な作品だったのだ。
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村野藤吾展

2015-09-05 19:28:14 | 美術[ま]
「村野藤吾の建築 - 模型が語る豊饒な世界」@目黒区美術館

 先日参観した迎賓館赤坂離宮の改修も手掛けた建築家、村野藤吾の建築模型が大量に展示してある。建築学研究室の学生が製作した真っ白い紙でできた模型が80点。実物の大きさによって、50分の1、100分の1、200分の1に造られた建物を、新劇の虚人になった気分で見下ろしたり、エサはいないかという気分で窓から中を覗いたり。「目黒区役所」「横浜市庁舎」「日生劇場」「有楽町のビックカメラ」など、見たことのある物件も少しだけあった。村野藤吾は1984年に93歳で永眠。建築家って長生きするのだなぁ。
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マグリット展

2015-04-07 22:47:25 | 美術[ま]
「マグリット展」@国立新美術館

 13年ぶりの大回顧展ということで、約120点のマグリット集合。ミュージアムショップの店員さんが揃ってマグリット帽子をかぶっているのを見て、ついヘヘッと笑ってしまった。

 シュルレアリスムの巨匠マグリットは清純派のマジシャンといった感じの絵を描く。グロテスクな表現や下ネタ系は極めて少ない。女体表現などもあるけれど猥褻なイメージではない。子供たちが見ても想像力が豊かな良い子になるのが関の山である。それに対してダリの作品はエログロ満載、そして精神的にデンジャラスな表現がてんこ盛りなので、子供たちが見たらトラウマになり、病み上がりの子供なら二度寝してしまうのが関の山である。さてどちらの関の山が相撲取りでしょうか。

 マグリットの作品をSF作家に例えると星新一っぽくて、ダリの作品をSF作家に例えると筒井康隆っぽいなんて以前から思っている。どちらも魅力的だ。なんだかわからないモノを描く抽象画家と違い、マグリットもダリもなんだかわかるモノをリアリスティックに描く。でも意味はよくわからなかったりもする。抽象画で意味不明なものは壁紙デザインだと思うことで思考停止する事がよくあるが、具象画で意味不明なものは何だろ何だろ判らん悔しいとか後を引くことがある。それでもその意味不明さが逆に心地よかったりするのもシュルレアリズムの中毒症状なのかもしれない。

 だまし絵の基本的スタイルになってしまった《白紙委任状》、羽ばたく鳥の壮大なイメージでかっこいい《大家族》、昼と夜が同時に来たような《光の帝国Ⅱ》、割れた窓ガラスに風景がこびりつく《野の鍵》、その他、《天才の顔》《嵐の装い》《深淵の花》《告知》《美しい虜》《生命線》《前兆》《無知な妖精》《再開》などお気に入りがいっぱい。締めくくりは遺作となった《テーブルにつく男》。

 デペイズマン(転置)という、或るモノが本来有るはずの無い場所に有る状態を描くマグリット的な不思議な世界にどっぷりと浸かることができる、シュルレアリスムファンには見逃せない展覧会。
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単眼鏡ツアー/みちのくの仏像

2015-01-25 22:55:48 | 美術[ま]
 アートテラー・とに~さん主催の「ビクセン単眼鏡体験ツアー」に参加した。ビクセン社の人も来て、参加者に単眼鏡を貸し出して、東博の常設展示を見学するツアー。私は既に持っているので持参した単眼鏡や双眼鏡で見比べてみた。Vixen6倍の単眼鏡は至近距離25cmで焦点を合わせられるので美術鑑賞に丁度良い。離れたところにあるキャプションを読むときにも役立つ。Nikonのオペラグラスは4倍で至近距離は1.2mなので、もう一回り大きく見たいとか、目の前の浮世絵を見たいとかいう時は、いまいちだった。ケンコーの8倍ミニ単眼鏡は安くてかわいかったのでつい買ってしまったが、レンズが小さくて暗いので、ちょっと見辛い。10倍以上の大きな双眼鏡になると、もはや美術館で使うのは困難なので、横アリとか武道館とか戦場とかで使うようにしよう。Vixen6倍の単眼鏡は小柄で65gという軽さなので常時携帯しても苦にならない。それなのに持って行きそびれたことが何度もあるが、これからは絶対忘れないようにしようと心に誓うのであった。

「みちのくの仏像」@東京国立博物館

 フリータイムは、見たかった仏像展を見た。インドの仏像でもないし、ゾウに乗った仏像はいるけれど、仏像に乗ったゾウは初めて見た。頭にゾウを2匹くっつけた成島毘沙門堂の「伝吉祥天立像」。
 

 円空仏も3体あったが、後期のササクレ立った「俺に触れたら怪我するぜ!シリーズ」と違い、初期の頃のつるつるした円空仏はヘビメタじゃなくてスローバラードだった。20体くらいの小規模展示だが、東北初の国宝仏や、3.11で損傷し京都で2年間に渡り修復された仏像、862年貞観地震と3.11を耐え抜いた仏像、高台で津波を免れた仏像などが展示されている。

 仏像展でも単眼鏡は役に立つ。大きな仏像の頭にひっついているちっこい化仏を見たい時や、表面の細かい彫り跡を見たい時など、もう手放せない。特に仏像のある場所は、写真撮影のできない場合が多いので、デジカメのズームで撮って見ることができない。そんな時こそ単眼鏡の出番である。
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明治工芸の粋

2014-04-22 21:24:25 | 美術[ま]
「超絶技巧 明治工芸の粋 村田コレクション」@三井記念美術館

 清水三年坂美術館コレクションの中から、細かい仕事でできあがった逸品百数十点が展示されている。清水三年坂美術館は細い三年坂の途中にあって、通ったら寄らなくてはならないくらいの好立地。でもそんなに広くは無いので、いつでも好きな物件を見学できるとは限らない。たまたま好みの企画展をやっていればラッキーという感じ。だから今回のようにまとめて展示されるとありがたい。特にお気に入りは有線七宝の並河靖之と彫金の正阿弥勝義。今回は、安藤緑山の牙彫も面白かった。本物そっくりのタケノコや柿やザクロ、枝葉付きの茄子などが超絶リアル。
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魅惑のニッポン木版画

2014-03-31 00:53:08 | 美術[ま]
「魅惑のニッポン木版画」@横浜美術館

 3月29日は「横浜美術館開館25周年」と「西区制70周年記念」というダブルアニバーサリーで入場無料だった。横浜博覧会でオープンした横浜美術館、無駄にでかい吹き抜けが心地よい異空間風味を醸し出している。

 浮世絵からはじまって、明治、昭和、平成に至るさまざまな木版画が、手を変え品を変え、新しい技法を用いていろいろな表情を見せている。

好きなヤツ:
 鈴木華邨 《坪内逍遥著「桐一葉」口絵》
 勝平得之 《雪国の市場》
 エマ・ボーマン 《千葉、川崎製鉄所》
 エマ・ボーマン 《東京、出初式》
 小林敬生 《蘇生の刻-群舞96・3-》
 斎藤清 《凝視》


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