ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

『ボブ・マーリー ONE LOVE』

2024-05-23 19:12:57 | 映画[は]
『ボブ・マーリー ONE LOVE』
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
出演:キングズリー・ベン=アディル/ラシャーナ・リンチ

 レゲエを聞かない人も、ボブ・マーリーみたいな髪形をしている人を街で見かけると「レゲエ!」と呼ぶくらい、レゲエは日本人にも浸透している。私はレゲエのマニアではないのでレゲエミュージシャンはボブ・マーリーしかわからないが、ボブ・マーリーだけは昔からWalkmanに入っている。それをたまぁ~に聴くと、異国感のある軽快なリズムになんか気分上々、「つまづいたっていいじゃまいかにんげんだもの」ってなる。

 そんなレゲエの神様ボブ・マーリーの36年の生涯を描いた映画。当時、政治闘争の真っ只中だったジャマイカで、銃撃されてもなお平和を願い、その人生を音楽に捧げた短くも尊い生き様が胸に響く。ボブ・マーリーのライブ映像なども見たことが無かったので、映画とはいえ、あんなに飛び跳ね回わりながら歌っていたことも知らなかった。
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フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-

2024-02-04 20:28:24 | 映画[は]
『フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-』

 2023年2月~6月にアムステルダム国立美術館で開催され65万人を動員した、現存するフェルメール作品37点のうち28点を展示する過去最大の回顧展の展示風景や作品解説などのアート・ドキュメンタリーシリーズ映画。

 フェルメール28点集合ってのはスゴイけど物理的にも金銭的にも精神的にも行けない人にこんな映画はうってつけ。28点陳列されたフェルメールは感動的だっただろう。映画でも展示室の様子が映っていた。作品ひとつひとつについて、いろいろな立場のエキスパートが解説している。スクリーンいっぱいに拡大された作品を見ながら説明されるのでわかりやすい。国立西洋美術館の常設展示室で何度も見た《聖プラクセディス》が別の美術館に飾ってある映像を見ると、なんともいえない不思議な気分を味わえた。

 いままででフェルメールがいちばん多かったイベントは2012年、フェルメール・センター銀座での「フェルメール光の王国展」で、なんと全37作品を見ることができた! といってもデジタルマスタリングプリントだから、アレだけれど、アレ37点にグルリと取り囲まれた情景は壮観だった。


《シン・真珠の耳飾りの少女》


《シン・聖プラクセディス》




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横浜ランドマークプラザの春節飾り

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『春の画 SHUNGA』

2023-11-26 20:15:59 | 映画[は]
『春の画 SHUNGA』
監督:平田潤子
出演:横尾忠則/会田誠/木村了子

 江戸の裏浮世絵「春画」を扱ったドキュメンタリー映画。春画といえば2015年に永青文庫で開催された「春画展 SHUNGA 大英博物館特別出品」を思い出す。あれから8年も経ってしまった。普通なら幕で覆った会場片隅でひっそり展示するような春画が、大っぴらに会場いっぱいに展示されていた。別にエロくもないのに「時代は変わったなぁ」と何か特別な雰囲気を感じたものだ。

 この映画は春画の彫師のテクニックやら春画の歴史やら、春画に接した人たちや保存に尽力する人たち、アーティストのトークなどをちりばめたガチガチのドキュメンタリー。真似ゑもんとかタコさんとかの春画がうねうね動く動画になっていたり演出も凝っている。話題が変わるたびに出てくる美しい風景や草花の映像はいったい何なのだ、とか思いながら見た。でもやっぱり地上波放送は無理だな。
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『ブレット・トレイン』

2022-09-03 20:12:26 | 映画[は]
『ブレット・トレイン』
原作:伊坂幸太郎
監督:デビッド・リーチ
出演:ブラッド・ピット/ジョーイ・キング/アーロン・テイラー=ジョンソン/ブライアン・タイリー・ヘンリー/アンドリュー・小路/真田広之

 運の悪い殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)の今回の任務は新幹線からブリーフケースを盗んで次の駅でトンズラすること。すごく簡単なミッションのはずだったのに、運が悪いばかりにとんでもないことになってしまう・・・という話。

 舞台となるのは日本、それもほとんど新幹線の中。殺し屋レディバグの前に登場する鬼のような殺し屋たち。当然、列車の中で大暴れ。ストーリーはほぼ無限列車編・・・んなわけではないが、う~ん、いや、そう言っても過言ではないくらい気の毒な新幹線。

 所々はさまれる回想シーンも含めてハイスピードで繰り広げられる暴力アクション、コメディタッチな笑い所もたくさんありすぎて、ワクワク冷や冷や笑笑の2時間があっという間の面白い映画になっている。日本の描写もアレ?な所が垣間見られる面白さ。ユニオシさんとかヤカモトさんとか出てくるんじゃないかと心配しながら楽しめる。



「今日のどぅーでもいいこと」
富士山、そこじゃねぇ~~~!!




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『初恋』

2020-03-01 22:25:57 | 映画[は]
『初恋 FIRST LOVE』
監督:三池崇史
出演:窪田正孝/大森南朋/染谷翔太/小西桜子/ベッキー/内野聖陽

 任侠映画はあまり見ないんだけど、ベッキー狂気乱舞の前評判に誘われて見に行った。コロナのこの時期、人が集まる場所に行くのは気が引けるけれど、地方の映画館なので、広い館内に20人足らずの観客では、逆に安全だったりして。でももちろんマスクをして見た。ゴホンと咳をしたら凶悪犯罪者扱いされそうな今日この頃、「ゴホンといえば龍角散」ではなく「ゴホンといえばデマ拡散」の季節である。

 ヤクザだらけのあぶなっかしい映像の中にいて、ヤクザが一歩ひくくらいコワイ。バラエティのMCで誰にでも遠慮なく突っ込むMCベッキーもコワイから、あんまり変わらないとも言える。なぜそんなにコワイのかと言うと、下っ端ヤクザの恋人を誰かに殺されたからだ。暴れまわるベッキーの狂気が半端ねぇ。窪田正孝や染谷翔太の活躍も面白いけれど、ベッキーから目が離せない映画。
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『ボヘミアン・ラプソディ』

2018-12-10 21:44:04 | 映画[は]
『ボヘミアン・ラプソディ BOHEMIAN RHAPSODY』

監督:ブライアン・シンガー
出演:ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョー・マッゼロ

 クイーンのヴォーカリスト:フレディ・マーキュリーの生涯を描いた物語。ドキュメントではないので本人は出て来ないが、なんとなく似たような雰囲気を漂わせるフレディ役のラミ・マレックを中心に、クイーン結成からライブ・エイドまでの波乱万丈を描く。タイトル曲『ボヘミアン・ラプソディ』を作って売り出すまでのごたごたが面白い。天から授かった美声と有り余る才能を遺憾無く発揮するフレディ・マーキュリー、世界を股に掛けるグレート・ミュージシャンに成長するクイーン、かっちょええ!

 とは言いながら、私は過去にクイーンのCDやレコードを買った覚えがない。でもなぜか映画の中で聞こえて来る曲の半分くらいは知っている曲だった。そんなクイーンのファンと言うのも憚られるような私が見てもこの映画は面白く感動に満ちていると言ってしまっても差し支えないだろう。サントラCDを買ってしまった。これが私にとってはじめてのクイーンの音源だ。←今ごろ?
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『ハン・ソロ/STAR WARS STORY』

2018-06-30 21:34:24 | 映画[は]
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

監督:ロン・ハワード
出演:オールデン・エアエンライク/エミリア・クラーク/ウディ・ハレルソン

 スターウォーズこぼれ話、今回は若き日のハン・ソロのものがたり。危ない橋ばかり渡っているハン・ソロの話なので、危ない目にばかり会っている。それは大人になっても同じだけど。ハン・ソロはフォース使いではないので、腕ずくで、悪知恵で、修羅場を乗り越えて行く。ヤバい仕事から足を洗えるのはルークやレイアに会ってからだろう。でもそういう映画なのでフォースとかジェダイとかいう好物にはあまり出会えず鉱物ばかりである。「ソロ」という名前の由来が衝撃だった (だった だった)

 もちろん若き日のランド・カルリジアンも登場する。そしてランドの所有物だったミレニアム・ファルコンも登場、というかホントの主役はミレニアム・ファルコンではないかとミレニアム・ファルコンのファンならそう思ってしまっても差し支えない話でもある。うちにも薄汚れたミレニアム・ファルコンが3機ある。ちっこいけど。

 但し今回のミレニアム・ファルコンはお馴染みの先割れスプーンみたいなスタイルとは少し違っていて、先端は綺麗な三角風味になっていて、ブルーを基調としたカラーリングもエレガント、汚れも少なく美しいデザインになっている。それがいいかと言われれば、薄汚れた先割れスプーンのほうが個性的で見慣れているので、コレジャナイ・ファルコン的な気分もあって、一概にそうとも言えないのだが、持ち主があれこれ改造していく一過程ということならしかたない。というわけで若き日のミレニアム・ファルコンに会いたい人におススメ映画。


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『ブレードランナー2049』

2017-10-29 15:49:13 | 映画[は]
『ブレードランナー2049』

製作総指揮:リドリー・スコット
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ライアン・ゴズリング/ハリソン・フォード/アナ・デ・アルマス

 1982年に公開された1作目では2019年の出来事が描かれていたが、今回はその30年後の2049年が舞台となっている。2019年なんてあと1年ちょいで到達してしまう。2049年だってそんなに先の事でもない。現実ではブレードランナーの出番はなくせいぜいマラソンランナーだ。空飛ぶクルマも実用化にはまだまだだ。この35年でVFXが進歩して大抵のことはデジタルで表現できちゃう時代になった。でも1作目もその独特なハマリ感が強烈なインパクトを放つ映画だった。もともとSFが好きだったので、フィリップ・K・ディックの原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』も読んだし、あのハン・ソロのハリソン・フォードが主演だ!ということで私的には半端なく期待感が高まっていた気がする。

 街のデザインもオリエンタル風味が胡散臭そうで雑然とした雰囲気が好きだった。今回も似たようなデザインの街並みが広がっているが、デジタル風味も加わってさらに妖艶な佇まいになっている。その中を飛び回るブレードランナーの乗るスピナーも、前作はシド・ミードのデザインが個性的だったが、今回のスピナーがかっこいいかというとそれほどでもない気が。今時のスポーツカーデザインにスピナー的な要素を付け替えただけの雰囲気は、前作よりも未来感が逆行してしまったような気がする。

 前回のエンディングを踏まえたトリッキーなストーリー展開は興味深い。デッカードの名前が出て来るとワクワク感がさらに高まる。前回は逃亡したレプリカントを追うのがメインテーマだったので、人間なのかレプリカントなのかという探り合いみたいなのがよくあったけれど、今回はそういうシーンは強調されず、判定技術が進んだからなのか、既成事実として市民に浸透しているからなのか、はじめからバレバレになっていて、世間からは「人間もどき」などと後ろ指さされていたりして気の毒だ。

 それにしてもハリソン・フォード、この映画もそうだけれど、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』など、昭和の名作の続編に親として再登場するのが平成名物となっている。名作だからこそまた作ろうという話が出るわけだが、本人が人気を保っていなければまた出てねとはならないだろう。そういう意味でもすごいなぁ。
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『本能寺ホテル』

2017-01-15 19:38:18 | 映画[は]
『本能寺ホテル』

 監督:鈴木雅之
 出演:綾瀬はるか/堤真一/濱田岳/風間杜夫

 タイムスリップで戦国時代に行ってしまうのは普通によくあることだ。そしてそこで織田信長に出会うなんてことは当然と言ってもいいくらいあたりまえのことだ。それが勤務先が倒産してしまって自分がやりたいことが見つからないOLだとしても不思議ではない。映画によってはスゴイ最新兵器を携えてタイムスリップしてしまい、戦乱の世をてんてこ舞いさせるなんていうのも観客が期待してしまうお約束事だったりする。それくらい使い古されたネタではあるけれど、タイムトラベルモノはやっぱり面白い。

 今回の「本能寺ホテル」でタイムスリップする綾瀬はるかは武器と言うようなものは何も持たずに謀反間近の本能寺に現れる。武器と言えるものを強いてあげるとすれば「色気」だけである。おっと、もうひとつあった。信長の知らぬ未来、400年の歴史を知っていることこそが最大の武器と言っても過言ではない。場合によっては世の中を動かすことさえできるのだから。

 そうやって歴史を変えてしまう物語もバリエーションとして存在する。それはそれで面白い。でもそんな時に出て来る決まり文句が「そっそんなことをしたら歴史が変わってしまうぞ」、「我々は歴史を変えるようなことをするべきではないのだ」。この名言が映画の中での葛藤になったり、抑止力になったりして見せ場を作っている。でも我々は公式には誰もタイムスリップしたことがないので、過去をいじったら未来が変わるかどうかホントのところは知らない。歴史を変えてはいけないというのも、物語上での倫理観みたいなもので、実際に変えてはいけないという法律はない。転びそうになった人を支えて助けたことで歴史が変わるかもしれないし、道を聞かれて答えたことで歴史が変わるかもしれない。だからもしタイムスリップが日常茶飯事になったら違反者続出で、世界は秒単位で方向転換をし続けることになるかもしれない。
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『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

2016-12-29 23:40:05 | 映画[は]
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

 監督:三木孝浩
 出演:福士蒼汰/小松菜奈

 原作は未見、予告編で「この映画にはなんかありそうだな?」と思って見に行った。やっぱりあったわ。20歳の男女のラブストーリーなんだけど、どんなに努力しても突破できない大きな壁が立ちはだかる物語の切なさに気づけば涙するしかない。叡山電車と京都の街並みがしっくりとハマる。

 電車の中で偶然見かけた美女に一目惚れ、平素はナンパなんてするガラじゃない男が、追いかけてまで声をかける。そこから始まる物語というかそこで終わる物語というか。そもそも一目惚れするくらいの相手でなければこの話は始まらなかっただろうし、追いかけて声をかけなければお流れになってしまっただろうし。

 なんてことを言い出したら映画にならないけれど、美女の小松菜奈とイケメンの福士蒼汰のラブラブシネマを見ながら羨ましがっていたら、突然、小松菜奈がとんでもないことを言い出した。えっ?あ、そういう話なの? 時間軸に左右される話なのか。ずいぶん大胆な設定なので納得するまではややこしいけれど、これでもタイムパラドックスSFと言っていいのか? パラレルワールドSFと言った方がいいのか? 『君の名は。』とは全然違うのだけれど、なんとなくネタの拠り所が似通っているので好きな分野の映画だ。

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『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』

2016-06-12 21:38:36 | 映画[は]
『BANKSY Does New York』

 他人の家や塀や公共物に無断で絵や文字を書きなぐる迷惑千万な落書きストリートアート。先日も民家に「バカ」とか「アホ」とか落書きした千葉県の塗装工が捕まったばかり。文字はだめだけれど芸術はOK、なんてこともなく、基本的に違法な行為だ。そんな中からキース・へリングみたいなビッグネームも誕生してしまうから余計ややこしい。

 2013年10月1日、正体不明のイギリス人バンクシーがニューヨークに乗り込んで、1か月に渡り毎日1作品を街中に展開するというゲリラ戦法。この映画は、その狂乱の1か月を追ったドキュメンタリー。バンクシーはその作品をネットで公開するのだが、場所は明かさない。するとネットを見た市民が作品を探して街中を駆けずり回る。運よく探し出した人が「ここにあった!」と自慢げにそれをネットで公開、それを見た人々もそこに殺到する。バンクシーは事前に用意したステンシルを使ってチャチャッと仕上げて姿をくらます。作品は絵に限らず文字だけだったり立体物だったりインスタレーションだったりさまざま。それを追っかける市民だけはやたら楽しそう。

 タイミングを逃すとその落書きは当局の手によって消し去られてしまう。急がなくちゃ。ちなみにこの画像の作品は4時間後には消されたらしい。すべて消されるわけでもなく、描かれた物件の価値まで上がるので強化アクリルで保護したり、という倒錯した世界。

 消し去られなかったら安心かというとそうでもない。関係ないのに見物料金を徴収するせこい市民。描かれた壁を、シャッターを、作品そのものを、白昼堂々盗んでいって売り払う泥棒市民。これがまた高値で売れる。買うヤツも買うヤツだが。もはやモラルもコンプライアンスもない。盗んだバイクで走り出すようなものだ。盗まれるのを阻止しようとする市民、そこへ警官登場。ニューヨークはお祭り騒ぎ。
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『ヘイトフル・エイト』

2016-02-28 21:41:49 | 映画[は]
『ヘイトフル・エイト』

 監督:クエンティン・タランティーノ、出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン

 タラちゃんの新作、足らん血とばかりにまたもや血だらけムービー。白銀の猛吹雪の中、6頭立ての駅馬車でたどり着いたミニーの服飾店、吹雪が止むまでの数日間、まるで密室状態のその屋根の下で過ごさなければならない。みんなで仲良くトランプしたり歌合戦したりして過ごせばいいものを、そうもできない訳がある。だって、集まった者たちは揃いも揃って胡散臭い奴ばかり。銃を振り回したり手錠をガチャガチャいわせたり、脛に傷持つお尋ね者か、悪い奴ばかり、油断をしたら殺られるぞ。いったい誰が何なのか、何がどうなのか、そして誰もいなくなるのか、などとドキドキしているうちに当然のように鮮やかに殺し合いが始まる。天下一武道会のはじまりだ!
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『ベイマックス』

2015-01-17 18:07:13 | 映画[は]
『ベイマックス』

 監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ

 風船みたいなケアロボットが大活躍。マーベル・コミックをディズニーが映画化。コミックとはいろいろ変更されているらしいが、元を知らないのでどうでもいい。主人公は天才科学少年ヒロ。サンフランシスコと東京がミックスされた架空の都市サンフランソウキョウが舞台ってところからして、全編に日本の要素がたっぷりとちりばめられている。ベイマックスの顔も、鈴がモチーフになっているようだ。日本人からしてみれば、馴染みのあるシーンやアイテムが頻繁に出てくる、ちょっと特別な味の映画という気分。

 内容も知らずに見たので、優しいケアロボットと病気がちな少年の話かと勝手に思っていたのだが、全然ちがった。ちがってよかったけど。マーベル・コミックらしいヒーローな展開やら、マンガならではの天才科学発明やらで楽しさも倍増。優しいロボットのベイマックスも愛らしく、嫌味な所のない造型になっている。但し、腹のでっぱり具合は米国によくいる中年のおっさんそのものである。
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『パシフィック・リム』

2013-08-24 18:21:49 | 映画[は]
『パシフィック・リム』

 ある日、海の底からぞくぞくと湧いてくる怪獣が都市を破壊し始めた。逃げ惑う人々、これはただ事ではない、このままでは人類が滅亡してしまうと危惧した人々は、力を合わせて巨大な人型戦闘兵器ロボットを開発した。ロボットのサイズは80m前後、アメリカの映画なのでもちろんアメリカのロボットがいちばん活躍するようにできている。

 「イェーガー」と呼ばれるロボットの内部には、2人のパイロットが乗り込み、精神をシンクロさせてマシンを操ることになる。日本ではお馴染みのあれやこれやと一緒で人間が内部の操縦席に乗って動かすタイプ、しかしこのパイロットたちは座席に座らない。巨大なロボットの中でロボットと同じ姿勢で歩いたりパンチを繰り出したりするのだ。その姿はついつい笑ってしまう凄さである。

 敵である怪獣は、ゴジラやガメラのようなかっちょええ怪獣ではない。クローバーフィールドに出てきたような、いわゆるキモい怪獣である。どうしてそんな怪獣が現れ出したのかは追い追い明らかになる。怪獣はアルファベット表記で「KAIJU」となっている。「NINJA」、「FUTON」、「YAKUZA」みたいにな感じだね。

 ロボット自体はマニア心をくすぐりそうな工場萌え的なかっこ良さだが、白昼堂々と佇んだりしないし、暗い夜や海底でKAIJU相手に素早く動き回る出し惜しみ感で、なかなか全体像がつかめない。「チェルノ・アルファ」という名前のロシアのロボットの造形などは悪意さえ感じる。日本のロボット名は「コヨーテ・タンゴ」という日本人なら誰もが思いつきそうもない名前。どうせなら「ゲイシャ・ワルツ」のほうがよかったかも。

 かなり重要な役どころとして菊地凛子も出演している。何度か日本語を喋るシーンもあるが、なぜかたどたどしく聞こえて、ハリウッド映画にありがちなインチキ日本人かと思った。それから「あしだまなだよ、つままれてるよ」でお馴染みの芦田愛菜も出演しているが、こちらの出演シーンはチョイ役程度。

 大雑把に言えば、次々に登場する獣を退治するために、大日本人、大中国人、大米国人、大豪州人、大露西亜人が力を合わせて闘うわかりやすい実写版ムービー。戦闘シーンは動きが目まぐるしいので3Dで見たら難病になっていただろう。2Dで見てよかった。以前3D見てから片頭痛になったことがあるので3Dトラウマになってしまった。
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『プロメテウス』

2012-08-28 09:01:40 | 映画[は]
『プロメテウス』


 『ブレード・ランナー』 『エイリアン』のリドリー・スコット監督作品。ガッチガチのSF映画。またしても予備知識ほぼゼロ状態で見に行ったのだが、どうやらその二重あご外国人にそこはかとなくかかわりのありそうな映画らしい。

 テーマは人類の起源。

 子:「ねぇねぇおかあさん、人類はどこから来たの?」
 親:「コ、コ、コウノイケが運んできたのよ」
 子:「えっ、コウノトリじゃないの?」
 親:「あ、それそれ!」
というような会話でお馴染みの人類の起源である。

 そんなわけで考古学上の発見を元に、なんとなく人類の起源を解明するために旅立った宇宙船プロメテウス。辿りついた惑星で出会う驚くべき現象を前に「おい、よせ、やめとけ!」と観客がつっこみたくなる場面がザクザク登場、そんな観客の心遣いも演者には届かず、怒涛のようにエンディングまで突っ走ってしまう。「腹切ってそんなに動けるか」というつっこみは80年後の医療最前線を確認してからにしよう。

 主演は『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のノオミ・ラパス。主演とは思えぬ途中までの目立たなさが不思議で面白い。シャーリーズ・セロンはどうやら主演というわけではないようだが、最初から目立ちっぱなし。

 この映画、賛否両論あるようだが、リドリー・スコットが監督して宇宙船が出てくるSF映画を、評判いまいちだからと言って見逃しちゃうことはできそうもない。きれいなCGや巨大なスペースシップのデザインはじゅうぶん目を楽しませてくれる。人類の起源などという大風呂敷なテーマがハードル上げちゃってるのかもしれないし、どこかで見たようなシーンもあちこちに登場するが、「あ、このシーン、アレに似てる」とか「ここはやっぱり間に合わないな」とか「出るぞ出るぞ、ほら出た」とか不純なことを考えながらも、純粋にSF映画を楽しめたのでそれでいいや。

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