ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

におい展

2019-10-05 22:41:36 | 美術[な]
「におい展」@マークイズみなとみらい5F

 あちこち巡回していたらしい「におい展」、目よりも鼻を使う展覧会が12月8日(日)まで横浜で開催中。薔薇、香水、花、などのやさしい匂いから、死にそうにヤバい臭いまで、いろんなニオイが集まっている。「くさやのひもの」は異様にクサイ! 「臭豆腐」は異様にクサイ! 「ドリアン」は異様にクサイ! 「シュールストレミング」は異様にクサイ! 食べると美味しいなんていうけれど、クサイからたぶん一生買わないだろう。そんなもののニオイが嗅げるチャンスでもある。

 フェロモンやら加齢臭やらお馴染みの物件から、「戦の前に武将が嗅いだニオイ」などという謎の物件もある。いろいろ嗅いでいると鼻が曲がってきてどこが鼻でどこが耳だかわからなくなってくる。そうなると、「悪魔の糞アサフェティダ」なんて言われても、なんのこっちゃってことになる。いろいろな悪臭物を集めて作った「最 "臭" 兵器」なんてものがあっても、なんのこっちゃってことになる。そんなあなたに「鼻をリセット」するために置かれている「コーヒー豆のニオイ」がいちばん落ち着くので、口直しに帰りにコーヒー飲みに行こうってことになる。






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ヌード NUDE - 英国テート・コレクションより

2018-03-25 18:28:01 | 美術[な]
「ヌード NUDE - 英国テート・コレクションより」@横浜美術館
 
 先週は人間の内臓の神秘に迫る展覧会に行ったが、今週は人間の外皮の神秘を集めた展覧会に行った。医学的な神秘に満ちた内臓と比べると、表皮が秘める神秘は皮膚病とか肌荒れとか言うことではなくて、精神的な神秘とでも言えばいいのかな。誰もが持っている裸体なのにちょっとポーズを変えただけで、それを見る者の心臓やら呼吸器、血管、瞳孔、生殖器、皮膚そのものにまで何らかの変化を及ぼすほどのパワーを持つ人間の外皮。丸見えなのに神秘的という、内臓とは一線を画すその能力は、人間社会の形成に多大なる影響を与えている。それが原因で、病気でもないのに死んだり殺されたり捕まったりする人もたくさんいるようだ。でも裸体に夢中の人を「ほとんど病気」と言ったりするので、これのせいで死ぬのも病死ということでいいかもしれない。

 そんな裸体をテートから130点ほど集めたこの展覧会の目玉は、オーギュスト・ロダンの大理石彫刻《接吻》、日本初公開だそうで、この彫刻のみ写真撮影OKとなっていて、ぐるりと回ってじっくり鑑賞できる。大理石のツルツル感と座っている岩のゴツゴツ感がいい感じにミックスされて気持ち良い。「ロダン彫刻でいちばんエロチック」と書いてあるけれど、そんなにエロくは感じない。エロさより美しさが際立っている。それでも昔は破廉恥だと罵られ布で覆われたという黒歴史もあるらしい。まぁ、ピカソの《首飾りをした裸婦》と比べれば百倍エロチックかもしれないが、ポール・デルヴォーの《眠るヴィーナス》のほうが、そこはかとなくプチエロス。
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仁和寺と御室派のみほとけ展

2018-02-18 20:57:00 | 美術[な]
「仁和寺と御室派のみほとけ展 - 天平と真言密教の名宝 -」@東京国立博物館

 仁和寺を総本山とする御室派として全国各地の真言宗のお寺から、あれやこれやの品々が出品されている展覧会。書から巻物、屏風、曼荼羅、秘仏など盛りだくさん。非公開である仁和寺の観音堂が現在解体修理中ということで、この機に乗じて、観音堂の住人というか仏像が大挙して上京、千手観音を中心に両端の風神雷神まで33体がずらっと並んだ観音堂を再現、壁画まで高精細画像で再現されているので臨場感のある壮観な姿を見ることができる。ここだけは写真撮影がOKとなっている。

 にゃんと今回は仏像だけで70体くらい来ているらしい。けっこうな数だ。入ってすぐになにやら行列ができていて、これはヤバイのか?と思ったが、その行列は国宝秘仏薬師如来坐像を見るための行列だった。そのお医者さんは高さ12cmというちっこいちっこいそれはまあちっこい像だけれど、白檀を緻密に彫った見栄えのする逸品、じっくり見たいところだが「立ち止まらずにお進みください」なんて言われてはそうもいかない。土曜日の午後だったが、そんなに長い行列ができていたのはそこくらいで、混んではいるが後は割とスムーズに見ることができた。

 一番見たかったのが大阪の葛井寺の秘仏千手観音菩薩坐像。現存する最古の千手観音だそうで、「42本で千本あるよ!」という設定の千手観音と違い、実際に千本の腕を持つリアルガチな千手観音。唐招提寺の千手観音立像も有名で千本の腕を振り回しながら立ち上がっているから迫力満点、京都の寿寶寺にも千本腕の千手観音があるらしいがこれはまだ見たことがない。

 葛井寺の坐像は像高131.3cm、勝手に想像していたよりも大きく感じるが、座っているから見る人の目の高さにニョキニョキと生えた腕が光背のように迫って来る。1041本の腕があり、そのうちの40本はあれやこれやの持物をつかみ、これ見よがしにひと際長く突き出している。もぅ、全部オシャレポーチに入れとけばいいじゃん!なんて思う人はいないだろうが。

 以前から一度見たいと思っていても、毎月18日だけご開帳なんてハードルが高くてなかなか行けなかったのでホント良かった。写真のように葛井寺では厨子の中に安置されているので正面しか見られないが、今回の展覧会ではグルリと回って背中の状態までよく見られる。こんなチャンスは滅多にないから御用とお急ぎのある方も、葛井寺の近所にお住まいの方もぜひ!


再現された仁和寺観音堂


アンパンマンではなくて風神の風袋である


観音堂の裏にいる愛らしい動物たち・・・


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「並河靖之七宝展」

2017-01-23 21:06:47 | 美術[な]
「並河靖之七宝展 明治七宝の誘惑 - 透明な黒の感性」@東京都庭園美術館

 有線七宝のスーパースター並河靖之の展覧会が、東京都庭園美術館の本館と新館で開催中。この美術館で七宝というのはデラックス感に満ちていてマッチしている感じ。七宝はモノが小さいので「船越桂展 夏の邸宅」ほどのインパクトはないけれど、この美術館でよかったと言える企画のひとつだと思う。

 有線七宝の繊細な美しさは、一目見てぞわぞわとなるような魅力を感じる。有線七宝の作業工程の映像も流れていたが、下絵に沿って細く薄い金属線をチマチマと植線していく作業は気が遠くなるような、記憶喪失になるような細かい作業で、ホントに思想朦朧になりそうだ。しかし、そうして出来上がった模様はカラフルで金属の縁取りがキラキラと絢爛豪華な輝きに溢れていてすばらしい。花瓶なのに花が無くても華やかだ。寧ろ花が無いほうがいいくらいだ。並河靖之の花瓶に実際に花を挿している人っているのだろうか。どっちが主役なのかわからなくなりそう。

 観覧するには単眼鏡は必須、でも50台限定で貸し出しもしているので急いで買いに行かなくても大丈夫かな。で、ここのショップで知ったんだけど、Vixenの単眼鏡にハードケースが付いたらしい。ハードケースだけ欲しいなぁ。この展覧会は9月から伊丹市立美術館(兵庫県)に、10月からパラミタミュージアム(三重県)に巡回する予定。
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ニキ・ド・サンファル展

2015-09-21 20:16:16 | 美術[な]
「ニキ・ド・サンファル展」@国立新美術館

 フランス人アーティスト、ニキ・ド・サンファルの野外展示作品は、ファーレ立川、多摩センター、直島など、いろんな所で見たことがあり、あの原色バリバリの立体物がニキ・ド・サンファルの全てだと思っていた。あのニキ・ド・サンファルしか知らなかった。でもこの展覧会を見ると、それ以外にもニキ・ド・サンファルの別の顔があったことがわかる。

 最初は精神を病んだことがアートの道へ進むきっかけだったようで、絵具を詰めた物体を石膏で固めたものをライフルで撃ってベロンチョとなったものを作品とする「射撃絵画」を発表。なんか病んでいる雰囲気はぷんぷんした。でもこの頃のニキはやたら美人である。

 その後は、妊娠した友人に感動して作風を変えたようだが、それでも最初の頃は病んでいる雰囲気がぷんぷんした。それからあとは、あのよく知っているパブリックアートに見られるようなほのぼのとしたものを作るようになった。

 栃木県には「ニキ美術館」があったというが、残念ながら2011年に閉館してしまった。イタリアには「タロット・ガーデン」という観光地図にも載ってないニキの立体物が立ち並ぶマル秘スポットがあるらしい。ガウディのグエル公園に影響を受けたニキが20年かけて造ったのだ。行ってみたいなぁ。

 一番のお気に入り作品は、画像はないけれど1mくらいのガネーシャの像。右足を上げて踊っている。あんなにお茶目で頭の悪そうなアホガネーシャは初めてだ。二度見、三度見してしまった。一周廻って四度見してしまった。会場では特定の2作品のみ写真撮影可能になっている。


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二科100年展 伝説の洋画家たち

2015-07-21 19:28:28 | 美術[な]
「二科100年展 伝説の洋画家たち」@東京都美術館

 2007年には「日展100年展」をやっていたが、2015年は「二科100年展」を開催。今年で100回目だそうで、歴代のアーティストたちの作品で二科の歴史を振り返る記念展。藤田嗣治、東郷青児、岸田劉生、佐伯雄三、岡本太郎などの有名画家が名を連ねる。もちろん聞いたこともないような画家の名前も出てくる。最近は芸能人画家の参加でよく話題になる。一時期は前夜祭として裸の女性を乗せた神輿を担いだりするパフォーマンスをしていたようだ。まさにお祭り騒ぎ。

 小出楢重の「帽子をかぶった自画像」は全身を描いてあるが、なぜか靴が画面からはみ出してしまったようで、しかたなく5cmくらいカンヴァスを継ぎ足して靴の部分を描いてある。大きな絵だが近くで見ると継ぎ足した跡がわかる。自分の足を長く見せたかったのだろうか。



 東郷青児の「超現実派の散歩」は一旦は公開禁止になったらしい。それで一部修正を加えて公開したとのこと。いったい何がいけなかったのだろう? ちんこ描いちゃってたのかな?



 石井柏亭の「麻雀」という作品。麻雀などやりそうもないお母さんと小さな娘たちが4人で麻雀に興じているのがやたら違和感たっぷりで面白い。石井柏亭という人は知らなかったが、この人の家族は常日頃から麻雀を楽しんでいたようだ。
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日本国宝展

2014-10-19 22:48:58 | 美術[な]
「日本国宝展 祈り、信じる力」@東京国立博物館

 119点の国宝と、11の正倉院宝物特別出品から成る国宝展、展示替えあり。「国宝」という響きだけでもうとてつもなく価値のあるものだと感じてしまい、一目見ないと成仏できないとか、見逃したら一生の損とか、思ってしまいがち。でもないか。今回のように100以上の国宝が陳列されていると、確かにすごいものが沢山出ているが、「えっ?これも国宝? このちっこい部品が国宝?」なんてヤツもあるので、全部必死になって見て回らなくても、いい感じに好きなものだけ見られれば満足かなぁなんて思ったりいて。

 そんな中でいちばん見たかったのが、三千院の観音菩薩&勢至菩薩の両脇侍。三千院にはず~~~~~~っと前に一度行ったことがあるが、仏像は見られなかった。京都に行っても三千院は遠いのでなかなか行きづらい。2体の金ぴか野郎がちょっと腰を上げかけて、お迎えに出かけようかな、どしよっかな?という瞬間のありがたい姿のクリアファイルを買ってきたので、これで迷わず成仏できそうだ。

 展示室に聳え立つのは、元興寺極楽坊五重小塔。これは奈良に行ったときに見た。この塔は本物と同じ造りで分解できるということで、5m以上ある五重塔がひょこっと東博の中に出現した感じは面白い。塔に合うサイズの人間フィギュアをたくさん置いてもっとにぎやかにしてみたい。

 法隆寺からは広目天が参加。この広目天が乗っかっている邪鬼がデカイデカイ。それによく見るタイプの邪鬼と違って、なんとなくインカの秘宝展にでもありそうなカエルの彫像みたいで笑ってしまう。これでは邪鬼を踏みつけているというよりも、そういう形の乗り物で移動しているみたいである。

 なにはともあれ、ブラブラと見ていると「日本書紀」なんて書いてあるプレートが目に入ってくる展覧会なので油断はできない。

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奈良美智 展

2012-07-23 00:09:34 | 美術[な]
アートテラーとに~さん主催の「とことん奈良美智アートツアー」に参加した。今回は横浜美術館と上大岡を巡るツアー。連日の猛暑が夢だったかのような涼しい梅雨戻り。小雨もぱらついたが、傘を差したのは3分くらい。





「奈良美智 君や僕にちょっと似ている」@横浜美術館

 横浜美術館では奈良美智展をやっている。2001年以来2度目の個展となる今回は、2011年3月以降に制作した、ほとんど新作による個展。といわれても、あの「ぶちゃむくれ少女」が出てくるとどれが新作なのか、マニアでなければわからない。

 横浜美術館が奈良さんに個展のオファーをしたのは2006年だそうで、ずいぶん準備期間はあったのだが、昨年の3.11で栃木にあるアトリエも影響を受けてしばらく制作ができない状態だったという。その後、心境の変化を経て制作した作品が並んでいる。

 やたらボッテリしたブロンズ像、白銅像などもある。学芸員さんの言うことには、厚みは3~5mm程度の薄いものなのに480kgもあるらしい。金属って重いんだねぇ。

 《頭痛》 という絵があって、ぶちゃむくれ少女の頭が破裂しそうに支離滅裂になっている。残念ながら 《頭痛》 の絵ハガキは置いてなかった。

 常設コレクション展の中にも奈良作品が混ざっているのでこちらも忘れずに。

 この展覧会は青森と熊本にも巡回予定だそうだ。




「ゆめおおおかアートプロジェクト」



 京急上大岡の駅周辺に点在する街角アート19点、ゆめおおおかのことは知っていたが、用事が無かったのと、通りすがりの街ではなかったことで、横浜市に住んでいる時でもなんとなく足が向かなかった上大岡、だからアートプロジェクトを見るのは今回が初めて。

 ビルの中やら外やらにある作品を巡って歩くのだが、平日でないと見られない銀行の中にもあるらしい。屋上の高い所にある大きな作品は、今は近所に建つマンションの部屋からしか見られないんだとか。さらになぜか関係者以外入れない場所にもあるらしい。それで盛り上がらないのか? 

 そんな中に奈良美智の昔の作品も含まれている。たぶんウレタン製の遊ぶ子供の立体作品がいくつか。でもなんか誰にも見られずに放置されているかのような状態がちょっと淋しい。
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浮世絵 猫百景

2012-06-10 23:56:17 | 美術[な]
「浮世絵 猫百景 国芳一門ネコづくし」@浮世絵太田記念美術館


 総勢2321匹の猫が登場するというネコづくしな浮世絵展が原宿で開催中。ネコを数えたのは日本野鳥の会のみなさんではなくて、たぶん学芸員のみなさんである。

 年頭にも、UKIYO-E TOKYOで「にゃんとも猫だらけ展」が開催されたし、笠間では浮世絵だけではないが「猫まみれ展」が開催されたりしているので、珍しいことでもないが、猫は好きなので、けっこう毛だらけ猫にゃんだらけである。

 じゃれ猫、化け猫、役者猫、職人猫、入浴猫、袋をかぶった猫、いろんな猫が画面を賑わしている。前期・後期で展示替えがある。好きな猫絵、月岡芳年 《うるささう》と高橋弘明 《白猫》は前期には出ていないが、小林清親 《猫と提灯》は出ている。

 国芳の「はんじもの」という作品、人と猫が巨大な足に踏みつけられている、つかみはOKな図案、その下にイカやら天狗やら砥石に濁点やら手のひらに乗る鶴やら、何らかの文字や言葉を連想させるアイテムがいろいろ並んでいる。判じ絵はよくあるし、解説を読めばどんな駄洒落で何が書いてあるのかわかるのだが、この絵は何と書いてあるのかわからないらしい。誰か判じてくれぇ! そこらへんのえらい人!
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「庭をめぐれば」

2012-05-22 09:22:23 | 美術[な]
「開館10周年記念展 庭をめぐれば」@ヴァンジ彫刻庭園美術館

 静岡県長泉町のクレマチスの丘、ヴァンジ彫刻庭園美術館の開館10周年ということで、「庭」をテーマとした現代アートの展覧会を開催している。何が「庭」なのかわけわからん作品もあるが、クレマチスの咲き乱れる広い裏庭の真ん中に草間彌生の《明日咲く花》という立体がぽっこりと置いてある。

 須田悦弘のミニ木像作品は相変わらずうっかり見落としそうな場所にひっそりと展示されている。作品一覧を見ていないと98%見落とす。初めて行くような美術館では木彫りの雑草が展示されていても99%見落とす。あるいは存在に気づいても、最初からそういうものだと思ってしまう。直島ベネッセハウスで見た時がそうだった。館内のコンクリートの隙間に生えた雑草を見たが、違和感を覚えなかった。安藤忠雄の設計に含まれているものだと思ってしまった。


 草間彌生 《明日咲く花》


 ジュリアーノ・ヴァンジ 《壁をよじ登る男》 をひとまわりしてみた




「荒木経惟写真集展 アラーキー」@IZU PHOTO MUSEUM

 ヴァンジ彫刻庭園美術館の横にできたIZU PHOTO MUSEUMで荒木経惟の展覧会を開催中。これまでに400冊以上の写真集を製作してがっぽり稼いだ荒木のエロワイルドな写真集が展示され、MOVIEが流れ、大きなテーブルに置かれた写真集は手にとってページをめくることもできる。通常なら参考資料のような立場で隅っこに展示されている写真集が主役を務めるという珍しい雰囲気の展覧会。
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野又穫展

2012-02-04 22:03:57 | 美術[な]
「blue construction 野又穫展 佐賀町アーカイブ」@3331 Arts Chiyoda B110

 煙突や給水塔などの記憶をもとに「もうひとつの世界」を創造するアーティスト野又穫氏(のまたみのる)の作品を展示している。想像で作り上げた建造物の、自由奔放で夢があって違和感もある、ちょっと気になる建物がすごく気になる不思議な感覚。誰もいないひっそりとした大地に黙って佇む巨大建築物、過去に使われていた廃墟のような静けさが妙にハマる。すごく俺好みな作風。
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にゃんとも猫だらけ

2012-01-15 23:06:25 | 美術[な]
「にゃんとも猫だらけ」@UKIYO-E TOKYO

 1月は「第一部 猫と遊ぶ -美人画の猫-」、2月は「第二部 化け猫騒動」、3月は「第三部 猫で遊ぶ -戯画とおもちゃ絵-」とテーマを変えて展示する。今月は浮世絵美人画に登場する猫にゃん。

 いちばんお気に入りは月岡芳年の《うるささう》 白い猫に覆いかぶさるように丸まって猫ナデしている女と、う~んどしよかにゃぁという顔をしている猫の一体感がいい。


 もうひとつは楊洲周延の《真美人7》 これは初めて見たが、ハンカチみたいなもので猫釣りしている女のイヒヒヒヒィというような笑顔と、ええ仕事したるでぇとがんばって転がる猫の後ろ姿が楽しい。

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第43回 日展

2011-11-16 07:38:37 | 美術[な]
日展

 11月12日の土曜日は「日展の日」とか言っちゃって観覧無料だった。ちょっと時間にうんと余裕があったので、いつになくじっくりと見てしまった。無料だけあって、けっこうな賑わい、もちろん超人気展の行列には遠く及ばないものの、若い人も、鉛筆とノート持った高校生も来ていた。でも年配の人がずっと多い。

 会場は日本画、洋画、工芸陶芸、彫刻、書などさまざまで、あの広い美術館の6室を使っているので、真面目に見ていたらすごく時間がかかる。今回は真面目に見てしまったので4時間くらいかかった。それでそろそろ閉館時間が近付いてきてから「書」の部屋をピンポンダッシュしてしまった。まあイイジャマイカ。

 会場にはでかすぎる日本画や、でかすぎる洋画、さらにはでかすぎる皿やら花瓶やらが並んでいた。小さい絵なんか出したら誰にも気づかれない。もうどんどん大きくなるしかない。彫刻コーナーには大小いろいろな裸婦やら馬やら並んでいてエグい粘土の匂いがした。そんな中で気に入った作品をタイトルだけ羅列してみる。

「THE BRONX」 「登校指導」 「或る朝に」 「秋便り」 「光の筆跡」 「贈り物」 「宙」 「凛と」 「チョーク絵のある静物」 「白川郷雪景」 「風化」 「展示室」 「溜まり」 「華燈翠園」 「Special Time」 「ガレージの午後」 「絵を描く姉妹」 「都市空間の幻泳」 「神の棲む街」 「超越」 「pray'11(vol.2)」

 タイトルだけ並べると誰かのベストアルバムみたいだ。

「絵を描く姉妹」は黒川敬子さんの作品、かわいい雰囲気の絵で好き。

「チョーク絵のある静物」は小野大輔さんの作品。これがいちばんよかった。黒板に描かれたリアルなチョーク絵と手前のテーブルに置かれたカラフルな物たち。チョーク絵の達人としてテレビで紹介されたらしい。会場でそんなことを話しているおばさま方がいたので、どこでやってたのかな、と思って検索してみたらあったけど、とりあえずこれしか見つからない↓
小野大輔さんの紹介映像
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中之条ビエンナーレ

2011-09-18 00:22:05 | 美術[な]
中之条ビエンナーレ

 群馬県中之条町の43箇所で125人のアーティストの作品を展示するアートイベントにちょこっと日帰りで行ってみた。2007年に始まって3回目。小規模な越後妻有のような雰囲気。小規模と言っても群馬県で4番目に広い町なので、中之条駅近辺以外はクルマでなければ行けない。中之条伊勢町エリア、伊参エリア、四万温泉エリア、沢渡温泉エリア、暮坂エリア、六合エリアの6地区に分けられているエリアのうち、今回は中之条伊勢町エリアと伊参エリアに行った。

 中之条伊勢町はJRの駅から近い地域なので、ビエンナーレを見に来た人たちがあちこち歩きまわっていて、それなりに賑やかである。伊参エリアは6エリアのうちでは駅から近場なほうだが、次の展示会場まで6kmなんて看板を頼りに、場所によっては、すれ違うのもやっとの細い道をズルズルと走らなければならない。しかしすれ違いで止まったのは1回だけ。そんなにじゃんじゃんクルマは走っていなかった。

 群馬県の中之条町、山を超えると新潟県湯沢町、越後妻有と割と近い所にある町だった。この方面には沢渡温泉、四万温泉、小野上温泉、伊香保温泉などの温泉郷がいろいろあるので、温泉込みで行った方が面白いかもしれない。会期は10月2日まで、木曜定休、入場無料。
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猫まみれ

2011-06-11 23:45:58 | 美術[な]
「猫まみれ ようこそ猫の迷宮へ」@笠間日動美術館

 震災後、ひさびさの笠間。狭い道路のあちこちが継ぎはぎだらけ、マンホールがちょっと盛り上がっていてクルマが跳ねる。そのたびにドライブレコーダーがピピッと鳴って録画を始めてしまう。美術館は入り口付近の敷石がずれていたりする程度で、大きな被害はなかったようだ。入り口の彫刻がひとつ倒れたが損傷には至らなかったとのこと。

 「猫まみれ」という踏んだり蹴ったりニャ~ゴなタイトルの展覧会。猫好きの「招き猫亭」夫妻が40年に渡って蒐集した猫作品を展示。どうやらこれは山形美術館の企画であるらしい。浮世絵時代の擬人化された猫から現代に至るまでのさまざまな平面、立体の猫たち。リアルな猫もいれば奇々怪々な猫もいる。これのどこが猫やねんという猫もいる。せんとくん作者の藪内佐斗司のブロンズや木彫りの猫、顔つきがややせんとくんだったり、首だけ離れていて紐で胴体と結びつけるという変わった作風。前から好きな猫絵の歌川広重 《浅草田甫西の町詣》、高橋弘明 《ジャパニーズ・ボブテイル》、小林清親 《猫と提灯》もあった。これは猫好きには見逃せない。「猫まみれ」の「猫」のロゴが面白い。
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