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五十坂・登りきらずに下り坂

とうとう56才になりました。
ほとんど年寄りと女子供しか
回りにいません。
そんな日常を綴っています。

祝!直木賞 小さいおうち

2010-07-16 15:30:34 | 
久々に本の話題などを。

直木賞が決まりました。
いつ直木賞の候補を発表していたんだろう。
私としたことが・・・

小さいおうち・中島京子

これ、最近読みました。
とってもいい本でした。

戦前、そして戦中の市井の人々の日常を
リアルにそして生き生きと描かれています。
市井と言っても、東京の女中を雇うことが出来るレベルの家庭ですが。

私たちが想像する戦争前の不穏な雰囲気とは違い、
普通の人々は、淡々としかも呑気にさえ思えるほど受け入れている。
当時の資料を膨大に読んだのでしょう、
だからこんなにリアルでさらりと書くことができた。

今だって昔だって女中は聡明な人でなければできない仕事なのだけど、
下世話な事を申し上げれば、
昔の女中という身分はどれくらいのレベルだったのか知りたい。

この物語は、奥様がとても優しくてタキさんを慕っていたのが
よくわかり、読んでいて気持ちがよかったのですが。

今の時代の女中・・・とは言わないか、家政婦?お手伝いさん?
どんな人がなるのだろう。

数日前の読売新聞に
司馬遼太郎さんの最後のお手伝いさんが載っていた。
彼女は京大卒。

少なくとも主婦が子育てもひと段落したと
パートで勤まるような職業ではないように思う。

私は絶対になれない。
自信を持って言える。


話が横道に逸れてしまったけど、中島京子さんの作品は、
「平成大家族」を読んでから好きになりました。
オススメです。

ちなみに直木賞候補になって惜しくも落選してしまった
道尾秀介氏「光媒の花」もオススメです。