臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

結社誌「かりん」10月号より(作品ⅠA欄抜粋)

2016年11月26日 | 結社誌から
○ 栞ひも揺れて眠りを誘う時間図書館の窓を夏雲が過ぐ (広島)岩本幸久

○ 腰ひとつ痛いくらいで目の下に二匹のくまを飼う惰弱さよ (アメリカ)安永有希

○ きのふけふ油蟬啼きただ暑し迅く過ぎゆけこの世の時間 (静岡)泉 可奈

○ 作詞家も名司会者も横綱も星になりけり 昭和が終わる (千葉)愛川弘文

○ 妙なる白早暁の窓をはるかゆく八月六日と知らしめる鷺 (東京)櫻井千鶴

○ 警策に清しさ増して時も我も忘れて座せり寺の御堂に (那珂)池田美代子

○ 暑気払ひと梅干ひとつ口に入れ炎暑の街へ本買ひにゆく (豊橋)鈴木昌宏

 


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