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始業式の話

2016-01-09 | 日記

1月9日(土)

 

始業式の話を再現します。

 

👉 新年あけましておめでとうございます。

どんなお正月を迎えたかな? 新年の目標は立てたかな?

校長先生は、久しぶりにのんびりしたお正月を過ごしました。家族でお雑煮を食べて、親戚とおしゃべりをして、ゆっくり本を読んだり、テレビで駅伝を応援したり、パソコンでニュースを見たりしました。そして、その中で、なつかしい絵本の写真を見つけたんです。

 

👉「2011年の東京」

校長先生が小学生2年生か3年生だった頃、確かに見たことのある、わくわくしながら見たことのある絵本だったのです。作られたのは、50年前の1961年。ちょうど校長先生が生まれた年に、50年後の未来の東京を予想して、作られた絵本だったということも分かりました。

では、一緒に見てみましょうね。

高速道路、ビルの上のヘリポート、動く道路、街頭テレビ、室内野球場、全部ありますね。

空飛ぶタクシー、これだけがありません。

 

👉 次は「コンピューター学校出現!」と書いてあります。

今ありますよね。パソコン室。今と違うのは、教室に先生がいなくて、コンピュータが教えている。そして、遊んで勉強しない子には、ロボットがお仕置きをしている、というところかな。

でも、インターネットでつながった世の中までは、予測できなかったみたいですね。

 

👉 次は「ロボット消防隊」と書いてあります。

大火事になったときに、ロボットのような巨大なスプリンクラーが水を出して消しています。

消防ヘリが空から消火活動を行うのは、今もありますね。違うのは、このロボットの中から、救助用カプセルカーが出てきて、避難させるというところです。

でも、ロボットが大きすぎ。今は、小さなロボットでどんな所にも入り込めるようになっていますね。

 

👉 最後の1ページ。「万能ホームロボット」と書いてあります。

このロボットのテレビに出てくるメニューを選ぶと、ロボットがそれを作って、テーブルまで運んでくれるそうです。そして、お掃除もやってくれる。

でも、食器を洗ったり、乾燥させたりという仕事までという発想は、なかったようですね。

 

どうですか? ロボットやコンピュータが活躍する未来を、50年前の人たちは想像していたことが分かりますね。しかし世の中の進歩は速い。昔は夢のようだったことが、50年たってみると、それ以上の世の中になっていますね。

だから、校長先生は思ったのです。

 

👉  50年後の未来を、今の人たちは、どう思い描いているんだろうかって。

面白かったですよ。調べてみると、いろいろな未来がありました。

宇宙人との戦争なんていう映画のようなお話は置いておいて、今、すでに研究や計画が進んでいて、こんな未来は、きっとやって来るんじゃないかと思ったお話を、5つだけ紹介しますね。

 

👉 1つめ。「地球にやさしい未来」です。

生き物の優れた仕組みを取り入れて、地球にやさしいエネルギーを作り出す研究が進みます。

例えば、人工光合成。

 

👉 植物のように、水と太陽の光と空気(二酸化炭素)だけでエネルギーを作ります。これができるようになると、地球上に増えすぎた二酸化炭素も酸素に代えてくれることになる。

一石二鳥です。今はレンゲソウの持つ力を実験に使っているそうですが、やがては人工の草花でやることを目指しているそうです。

 

👉 2つめ。「地球をすみずみまで利用する未来」です。

空中、地下、海の中。いろいろありました。その中で、日本の清水建設という大きな建設会社が、実際に考えている計画を紹介しましょう。

 

10👉「グリーンフロート計画」です。

一番太陽エネルギーをもらえて、台風などの災害が少ない赤道直下の海の上に、3km四方、ちょうど大志校区と同じぐらいの広さの水上都市を作る計画です。

 

11👉 水に近いところに、森や公園などを作ります。真ん中の部分は、植物工場。

水は当然、海水を真水に代えています。そして、人が住むのは地上700mから上の空間です。

 

12👉 いつも30℃ある赤道地帯でも、100mで1℃気温は下がるので、地上700mのこの辺りは、1年じゅう22~23℃の過ごしやすい場所になるのです。

 

13👉 3つめ。「もっと速く移動できる未来」です。

 

14👉  11年後の2027年に走り始める「リニアモーターカー」は、君たちも知ってますね。

時速600km。新幹線の2倍の速さ。電磁石の力で、東京―大阪間を1時間で走るそうです。

しかし、その2倍の速さで移動できる乗り物の実験が、もうアメリカで始まっています。

 

15👉 「ハイパーループ」という乗り物。

時速1,200km。新幹線の3倍の速さです。チューブの中にある乗り物が、チューブの空気を抜く、真空にするとピュッと進むという仕組みです。

 

16👉「どこでもドア」のような瞬間移動装置は、あと100年では難しいと言われています。

しかし、あくまで予想。この中の、君たちのだれかが、将来開発してくれるかもしれませんね。

 

17👉 4つめ。われわれ人類が「宇宙に住む未来」です。

 

18👉 これは、日本のJAXA(宇宙開発機構)が現在打ち上げている「はやぶさ2号」です。

4年後の2020年、この「はやぶさ2号」が月や小惑星の探査を終えて地球に戻ってきます。

日本でも、このように宇宙開発にむけた研究が進んでいます。

 

19👉 これは、アメリカのスタンフォード大学で考えられている「スペース・コロニー計画」。

ドーナツ型の、空気の入った浮き袋が宇宙に浮いていて、その中で人が暮らすアイデアです。今からちょうど40年後の2056年に、地球の人口は100億人を超えると言われています。

その頃には、宇宙に人が住めるように今から準備をしておこうとしているのです。校長先生も、宇宙に人が住む時代が、きっと君たちが生きている間にやって来ると思っています。

 

20👉 そして、5つめ。「子どもたちの未来」です。

 

21👉 子どもの数は、日本だけで見ると減ってきます。

しかし、いつまでも、日本人だけで暮らす世の中ではなくなってきます。

 

22👉 いろんな国の子どもたちが、ふつうにおしゃべりしたり遊んだりするようになります。

50年後は、誰でも自動翻訳機を耳にはめているので、どの国のことばで喋っても大丈夫。

 

23👉 また、脳にコンピュータをつないだり、手足をサイボーグのようにしたりする技術も進みます。

頭がいいとか、足が速いとかいうこと、「知っていること」や「できること」は、未来では差がなくなっていて、それをどのように使いこなすかの「わざ」や「こころ」が大事になってくると考えられています。

 

24👉 それでは、このようにこれからやってくる未来を生きていくために、君たちは、今、何をしておけばよいのでしょうか?

 

25👉 それは、①「ぶき」を手に入れ、②「わざ」を身に付け、③「こころ」を磨く。

この3つだと思っています。

 

26👉 「ぶき」とは、できることや知っていること。

虫捕りができる、花が育てられる、漢字を書ける、英語が話せる、いろいろありますね。勉強したり、体験したり、本を読んだりして、手に入れるのです。

 

27👉 「わざ」とは、考えたり、考えを伝えたりする力のこと。

「ぶき」を持っているだけでは宝の持ち腐れ。上手に使える「わざ」を身に付けるのです。

大志小では、授業中にいっぱい考えて、それを友だちに伝えるというトレーニングをしています。「グループタイム」「みんなでタイム」ですね。これは、この「わざ」を身に付ける時間ですよ。

 

28👉 「心」とは、自分のことだけでなく、世のため人のために力を使おうとする心のこと。

いろいろな人と関わる体験をすると、敬う心、助け合う心、思いやりの心が育っていきます。

 

29👉 どんな未来がやって来ても、君たちがこれからの人生を、幸せに生きていくために、何を大事にしていけばよいか、分かったでしょうか。

 

今年は申年。古いものを捨て去る。そうすると新しい風が自分の中に入ってくる。

そういう1年になることを願って、校長先生の話を終わります。