2011年度作品。アメリカ映画。
アルツハイマーの薬を研究しているウィルは、チンパンジーに新薬を投与する。目覚ましい知能の伸びを見せたメスのチンパンジーがいたが、彼女は暴れだし、射殺されてしまう。妊娠していた彼女が産み落とした赤ん坊チンパンジーを育てていたウィルは、シーザーと名付けた彼に高い知能があることに気付く。ある日、アルツハイマーを患うウィルの父親が隣人ともめているのを見たシーザーは、彼を守ろうと暴れ、霊長類保護施設に入れられてしまう。(猿の惑星:創世記(ジェネシス) - goo 映画より)
監督はルパート・ワイアット。
出演はジェームズ・フランコ、フリーダ・ピントら。
もちろん、つっこもうと思えば、いくらでもつっこみどころのある映画ではある。
ストーリー的に見れば、事態が悪化する流れはテンプレ通りだし、アルツハイマーの新薬に関しても引っかかるポイントがいくつかある(なぜ新薬がミスト状なのか。固形タイプでなく、むしろミストにする方が技術的に大変だろうに。しかも脳に作用する最新の薬が吸入摂取っていうのは、医学的にありうるのか、など)。
しかし総じて言えば、本作はおもしろい作品であった。
それはエンタメとして盛り上がるよう、意識してつくられているからだろう。
まず猿たちのCGが迫力満点で、おもしろい。
たとえば橋を進んでいくシーンや、建物をよじ登るシーンなどは臨場感があって、見ていても惹かれるし、ワクワクした思いにさせられる。
なかなか力の入った映像処理ではないだろうか。
ストーリーもおもしろい。
知性を持った猿が、人間に叛逆していく展開(No!と叫ぶシーンが良かった)や、育ての親との信頼関係の揺らぎなどが、無理なく描かれていて引き込まれる。
また自分たちを襲った人間にとどめをささないなどの場面もあり、猿たちの方が紳士的に見えることもある、という点がおもしろい。
僕はティム・バートン版の「PLANET OF APES/猿の惑星」しか見たことがない。
そんな中途半端な知識しかなくても楽しめる作品となっている。
見事なエンタテイメントと言ってもいいのだろう。
評価:★★★★(満点は★★★★★)
出演者の関連作品感想
・ジェームズ・フランコ出演作
「告発のとき」
「127時間」
「ミルク」
・フリーダ・ピント出演作
「スラムドッグ$ミリオネア」