正しい内的進歩の生ずる仕方には、つねに三段階がある。
第一段階は熱狂で、まるで枯柴でも燃やすように、猛烈にパチパチいって高い火柱を
たてる炎々たる焔である。
第二段階は、そのはげしい燃焼がいくらか消えて、冷却した状態で、往々、それが
つい先頃まで焔と燃えていた同一人であるとはどうにも信ぜられないことがある。
第三段階は、たえず燃えている炭火の灼熱が、静かではあるが、しかし変わりなく、
そして確実な暖気をひろげるのに似ている。そこではもはやどのような動揺も変転も
なく、その心地よいはたらきは誰の目にも明らかである。
人間の精神が何か偉大な事柄でこの最後の段階に到達すると、内面的には平和
と呼ばれ、外にむかっては偉力と呼ばれる、あの活動的な平静を人間精神は獲得
するのである。 (『眠られぬ夜のために』第一巻 六月十七日)
─『希望と幸福 -ヒルティの言葉ー』秋山英夫訳編 社会思想社より
■中道という意味が体感としてわかってきたということかもしれない・・・
第一段階は熱狂で、まるで枯柴でも燃やすように、猛烈にパチパチいって高い火柱を
たてる炎々たる焔である。
第二段階は、そのはげしい燃焼がいくらか消えて、冷却した状態で、往々、それが
つい先頃まで焔と燃えていた同一人であるとはどうにも信ぜられないことがある。
第三段階は、たえず燃えている炭火の灼熱が、静かではあるが、しかし変わりなく、
そして確実な暖気をひろげるのに似ている。そこではもはやどのような動揺も変転も
なく、その心地よいはたらきは誰の目にも明らかである。
人間の精神が何か偉大な事柄でこの最後の段階に到達すると、内面的には平和
と呼ばれ、外にむかっては偉力と呼ばれる、あの活動的な平静を人間精神は獲得
するのである。 (『眠られぬ夜のために』第一巻 六月十七日)
─『希望と幸福 -ヒルティの言葉ー』秋山英夫訳編 社会思想社より
■中道という意味が体感としてわかってきたということかもしれない・・・