超芸術と摩損

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「警察庁」が青ざめた「警備計画書」紛失事件

2008-07-10 20:18:09 | 週刊誌から
 警察庁がサミット警備のため、「警備計画書」なる重要機密書類を作成。各都道府県に配布して訓練を本格化させようとした矢先、愛知県警がその「警備計画書」を紛失する事件を起こしてしまった。青ざめた警察庁は文書管理の徹底を通達。大失態の愛知県警は、書類は後で見つかったと釈明するのだが……。

 今度のサミットでは、02年に日韓で共催したサッカーのワールドカップ以来という空前の警備体制を敷く。全国から北海道入りした警察官は約1万5000人。地元の道警と合わせて約2万1000人が、警備や警護に当たる。
 サミットの警備を統括する警察庁警備局警備企画課は、「警備計画書」と呼ばれる内部資料を作成した。
「警備計画書は何十㌻にも及ぶ分厚い冊子状のもので、警備の大本となる情報が記載された極秘資料です。5月に配布されたのですが、ほどなく、ある県警で一冊紛失したことが分かりました」(警察庁関係者)
 紛失した県警の幹部が警察庁に呼ばれ、数人の幹部を前にその顛末について報告させられたという。さらに警備局警備企画課の課長補佐が各県警に出向き、警備責任者に、文書保存の強化と管理の徹底を通達した。
「警備計画書には、人員の配備や検問の位置、エリア警戒の区域分けなどが細かく記されています。もし書類が極左グループやテロ組織に渡っていたら、警備体制を根底から見直さざるを得なくなる。しかし、警備の見直しは、検問の位置の変更など一部に留まりました」(同)
 警備計画書の紛失については、厳重に緘口令が敷かれた。だが、6月上旬になると、北海道入りした警察官の間では、こんな話が交わされていたのである。
「愛知県警が警備計画書を紛失したようだ」
 さて、愛知県警が起こしたという警備計画書紛失事件について警察庁に尋ねると、
「各県警に配布したサミット警備に関する書類が紛失したという事故は一切ありません。愛知県警から、そうした報告があった事実もない。警察長から配布する文書について、“管理を徹底するように”という通知は、随時、出しているので、別に珍しいことではありません」(広報室)
 当の愛知県警では、
「警察庁から配布された書類の紛失事故は、一切ありません。警察庁に謝罪に行ったという事実もない」
 と説明しながらも、
「職員がサミット関連の文書をなくした、という事実はありました。置き忘れに近い形での紛失だったらしく、後になって発見されたのです。文書の内容については言えませんが、今回のサミット警備のガイドラインや、その詳細説明を含むものではない。紛失は県警の監察にも報告され、調査も行なわれています」(同)
 しかし、名古屋の地元記者はこう語るのだ。
「愛知県警が、警察庁が配布したサミット関連文書を失くしたのは確かです。それは、県警の幹部もはっきり認めていました」
 サミットの警備に当たっている警察庁関係者もこう言った。
「警備計画にせよ警護計画にせよ、警察庁の警備局が中核を担っていますが、計画書の作成自体は北海道警が中心となっています。警察庁が作成・配布した文書でも、もともとは北海道警が作ったものだから、警察庁の文書じゃない、と誤魔化しているんです」
 機密書類の紛失事件をウヤムヤにしようとし、処分も出さずに済ませようとする警察。こんなことでマトモな警備ができるのかどうか。

週刊新潮08年7月10日号
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