超芸術と摩損

さまざまな社会問題について発言していくブログです。

告発レポート 帝京大で9人死亡「恐怖の院内感染」多罪耐性菌 東京都は知っていた!

2010-09-29 00:47:49 | 週刊誌から
医療ジャーナリスト 伊藤隼也と本誌取材班

死者まで出ていながら数力月も事実が伏せられていたのはなぜなのか。「病棟を閉鎖せよ」という内部からの警告を無視した病院の保身、立ち入り謂査で得られた「報告」を見落とした東京都、アメリカの抗菌薬を承認しない厚労省……これはまぎれもなく“人災”だ。

「命を守る病院でこのようなことをして申し訳ない。感染させなくてもいい患者を感染させてしまった」
 帝京大学医学部附属病院の森田茂穂院長はそう言って頭を下げた。帝京大病院は九月三日、抗菌剤に耐性を持つ「多剤耐性菌アシネトパクター・バウマニ(以下、MRAB)」に、一日までに患者四十六人が院内感染し、二十七人が死亡したと発表した。うち九人は感染と死亡との因果関係が否定できないという。
 帝京大病院は昨年五月、総工費数百億円をかけて新築工事を行ったばかり。都内有数の大学病院がなぜ、院内感染の拡大を防ぐことができなかったのか……。
 病院側の説明によれば、今年四月から五月に、内科系病棟で十名程度の患者から菌が検出されたことが発端だった。五月の連休明けに、院長を含むスタッフで構成する「感染制御委員会」がようやく事態を把握。本格的に院内感染対策に乗り出すことになる。そこで、同委員会が過去に遡って調査したところ、次々と感染例が浮かび上がったのだ。
 二月にはすでに、院内では異なるフロアの患者から散発的にMRABが検出されていた。院内感染の対策にあたる感染制御部は各科に警告文書を出したが、菌検出の報告は上がらず、「院内感染の疑い有り」という情報が病院全体で共有されることはなかった。
 昨年十月にも、MRABとの因果関係が否定できない最初の死亡者が出ていたが、一部の抗菌剤が効いたため、主治医はやはり報告を上げなかったという。
 神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授はこう語る。
「基本的にMRABが一例見つかった時点で、非常事態です。その段階で、組織的な対応を迅速にすべきだった」
 感染制御部の人員不足を指摘する声も多い。ベッド数千百五十四床と国内最大規模を誇る同病院だが、院内感染対策に従事する専任職員は看護師一人、医師一人だけだった。

「帝京の感染制御部は他大学に比べて、組織として不十分で人数も明らかに少なかった。(感染管理の資格を持った)認定看護師もいない。都心のあの規模の病院なら、二、三人は確保しているのが常識です」(山形大学医学部・森兼啓太准教授)
 結局、最新鋭の設備に大金を投じても、院内感染に対する職員の危機意識は薄いままだったのだ。
 しかも、同病院には、院内感染の“前科”まであった。
 九九年六月、肺結核を発病した医師が前年夏から半年間もの問、感染に気付かず勤務していたことが発覚。医療関係者や看護師が集団感染する事態に陥った。
 帝京大病院の元医師は、同大学の伝統的な隠蔽体質に問題があると振り返る。
「当時から情報公開に後ろ向きだった。結局、職員の検診を厳しくした程度で、問題点改善の議論はなかった。誰もが二年前に死去した帝京大学の創設者、沖永荘一前理事長の顔色をうかがっていて、真面目にモノ
を言う人間はパージされてしまったからです」
 その後、理事長職を継いだのは、次男の沖永佳史氏だ。妻・寛子氏は医学部教授で、副学長も務めている。
「代は替わっても病院のディシジョンメイカーは院長ではなく、理事長のまま。佳史氏と教授陣との距離感もまだ微妙で、一層意思決定に時間がかかるようになってしまった」(同前)
 さらに、MRABに感染した患者を担当する医局の力量不足も囁かれでいる。
 帝京大病院の内情をよく知る医師が明かす。
「外科や泌尿器科などは次の東大教授クラスが揃っていると噂されますが、それに比べ、感染症科と血液内科の教授は能力が見劣ると言われています。実は今回、他科の複数の教授は『早く一部病棟を閉鎖せよ』と声を上げていたのですが、両科の教授は耳を傾けようとしませんでした」
 確かに同病院が位置する都の城北部には、他に日本大学医学部附属板橋病院しか「特定機能病院」が存在しないため、患者への影響を考えると簡単には病棟閉鎖には踏み切れないだろう。とはいえ、病院内での円滑なコミュニケーションが著しく欠如していたことは間違いない。「ニュースで死者がいたことを知った」という医師さえもいるのだ。
 だが、ここまでの院内感染の拡大を引き起こした原因は、帝京大学だけにあるわけではない。実は杜撰な対応という意味では、国や東京都も同罪なのである。

「報告の遅れは大変遺憾だ。八月四日に国と合同で立ち入り検査を行ったが、病院側からは院内感染の発生に関する話はなかった。九月二日午前十一時頃、病院側から受けた連絡で初めて院内感染の発生を知った」
 東京都医療安全課の田中敦子課長は記者会見でそう述べ、病院の不手際に不満を露わにした。
 八月四日の検査とは、都と国が特定機能病院に対して年に一度行う定例の検査のこと。都医療安全課係長以下、六人の医療監視員は、院内の視察を進めた。各科から多くの書類が提出される中、感染制御委員会の議事録も例年の検査と同じく、医療監視員に提出された。
 病院は五月の連休明けから感染制御委員会を招集し、対策を協議していた。議事録には、多剤耐性菌の院内感染への言及があった。
 当然、医療の専門家が議事録を精査すれば、この時点で院内感染の可能性を疑うことができたはずだ。ところが、東京都は一カ月もの間、この議事録を放置し続けた。その間にも、帝京大病院では、五十三歳の男性患者が死亡。着々と院内感染は広がっていたのだ。
 東京都に一方的に病院を非難する資格はあるのか。以下、前出・医療安全課の田中課長との一問一答だ。
――病院に「感染症対策の専任スタッフが少ない」と指摘しているが、これまでの立ち入り検査では改善を求めなかったのか?
「去年以前は明確に指摘はしていないんじゃないかと」
――放置していたのか?
「専任が一人いればいいと決まっているので、違反ではないわけです」
――議事録に院内感染への言及があったのでは?
「あったかもしれませんが、膨大な資料の一部ですので、それをその日に全部見るというのはちょっと……。少なくとも重大なことだという認識があれば、当然、病院から報告されるだろうと」
――議事録を都に持ち帰って、精査しないのか?
「本当に膨大なので、隅から隅まで精査するのは現実的には厳しいところです」
――帝京を過信したのか?
「帝京に限らず、ですね」
――病院の申告次第だと?
「それでウソつかれたらどうしようもないですけど」
――では結局、院内感染を知ったのはいつなのか?
「うちが認識したのは九月ニ日。国も同じです」
 語るに落ちるとはこのことである。東京都は行政機関として、十分な医療監視任務を遂行していなかったのだ。今後は院内感染の有無を確認項目に加えることを検討しているというが、形骸化している立ち入り検査の抜本的な改善を口にすることは最後までなかった。
 不都合な情報を隠蔽する医療機関は後を絶たない。それを明らかにしていくことも医療監視の役割だろう。不作為を続ける東京都に人材とカネを垂れ流すくらいなら、その分を病院に投入した方がまだ有意義だ。
 しかし、残念ながら東京都だけではなく、今回のような院内感染問題において、公衆衛生行政は何の手立ても打てていないのが現実だ。
 専ら「アリバイ作り」に躍起なのが、厚生労働省である。〇九年一月、福岡大学病院で患者二十三人がMRABに感染。この直後、厚労省はA4二枚の「通知」を、地方自治体を通じて各医療機関に送っている。新聞各紙はこの通知をもとに帝京大病院の「報告遅れ」を批判するが、MRABには感染症法上の報告義務はなく、この通知はあくまで「お願いベース」でしかなかった。
 実際、現場の医師はこう口を揃える。
「大学の教科書のようなおざなりな対策方法と、『院内感染を疑う場合は速やかに報告せよ』という内容を書いているだけ。一方的に送られてきたそんな通知は読んだこともなかった」

 仮に、保健所に報告したところで、「院内感染について的確な見識を持ち合わせていない。しかも行政は監督責任を関われたくないから、新型インフルエンザのときのように、患者への影響を無視して、必要以上に『病棟閉鎖』を乱発する危険もあります」(前出・岩田教授)
 その一方で、唯一の治療薬と言われるMRABの抗菌薬「コリスチン(注射剤形)」の導入は遅々として進んでいなかった。今年四月、「医療上必要性の高い未承認薬」の検討会議に取り上げられ、ようやく承認に向けて動き出したばかりだ。ここでも、厚労省の腰の重さに批判が上がっている。
「五年くらい前から『日本でも認めてくれ』と言っているのに、役所は全然動いてくれなかった。神戸大学ではアメリカから輸入しています。治療薬が供給されないのに、『何とかしろ』と言うのは、矛盾した話です」(同前)
 医療現場の声に対し、同省医薬食品局審査管理課は、
「製薬会社から承認の申請が上がっていないから未承認でした。申請がないと審査管理課は動けない」
 とお馴染みのお役所仕事の回答だ。まさに「患者不在」'行政の典型例である。
 ここまで挙げたような、多くの「人災」が重なって、帝京大病院院内感染は拡大してしまったと言えよう。
 現在、警視庁は業務上過失致死の疑いもあるとみて、医師からの任意での事情聴取を始めた。感染ルートなどについて捜査を進めるというが、自治医科大学附属病院感染制御部長の森澤雄司氏は、こう見る。
「専門性の高い第三者機関ではない警察が適切な判断をするかは疑問だ。国民の懲罰感情に阿るような捜査をすると、真実が明らかにならないだけではなく、医療現場を防護的にしてしまう可能性も孕んでいる」
 誤解してはならないのは、院内感染そのものは、細菌の巣窟である医療現場の宿痾だという事実だ。実際、九月四日には、愛知県の藤田保健衛生大学病院で患者二十四人からMRABが検出されたことが発覚。栃木県の独協医科大学病院では六日、インド帰りの入院患者からほとんどの抗菌剤が効かないスーパー耐性菌が国内で初めて検出されていたことが分かった。
 問題は、その中でどれだけ感染拡大を最小限に抑えることができるかである。
 医療機関は院内感染が発覚次第、内外での周知徹底を図り、情報をオープンにすべきだ。行政には現場の声に真撃に耳を傾け、積極的にバックアップしていく姿勢が求められる。
 帝京大病院は今後、残された遺族に対し、改めて死因と院内感染との関係を説明し、謝罪をするという。
「森田院長は『ここまで事態が大きくなると思っていなかった』と漏らしていました」(医療関係者)
 感染を拡大させた原因の徹底究明が行われ、その反省に立ち再発防止への道筋が示されなければ、帝京大病院が失われた信頼を取り戻すことはできない。

週刊文春2010年9月16日号
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日本人は知らない「中国語新聞」のとんでもない中身

2010-09-28 00:48:04 | 週刊誌から
「不法滞在マニュアル」から「生活保護受給ガイド」「風俗嬢募集」まで

 わがニッポンはもはや、あらゆる階層の中国人の坩堝と化しているようだ。外国人登録を済ませた数だけで約70万人、彼らが読むための中国語新聞の種類も、雨後の筍がごとく増えている。だが、もっと驚くのは、日本人が知らない、そのとんでもない中身である。

 景気も長らく低迷し、右肩上がりの成長とはすっかり疎遠になったわがニッポンにも、今なお“右肩上がり”が続く奇特な分野がある。中国人の外国人登録者数がそれで、1999年に29万人強だったのが、以後、例外なく毎年増え、07年に韓国・朝鮮を抜き去り、昨年は68万518人。国別でダントツである。
 加えて、数万人の不法滞在者がいるといわれるし、観光客を含めた入国者に至っては、昨年の124万人で十分に多いのに、今年はビザ発給要件が緩和され、さらに激増しているという。いやはや、石を投げれば中国人に当たるのが、今の日本列島であるらしい。
 むろん、これほど多くの生活が営まれれば、さまざまなニーズが生ずるのは人の世の常――ではあるけれど、それにしても……。彼らが読む新聞には、<不法入国者の結婚、出産および在留の特別許可について>(9月1日付「中華新聞)なんていう見出しも見つかるのである。何が書かれているか、若干抜粋すると、
<不法入国者も日本で日本人との結婚の手続きができる。……未婚公証書、カラー写真添付の出生公証書、国籍公証書、親族関係公証書とこれらの訳文、および相手の日本人の戸籍謄本を居住地の役所に提出すればよい。……結婚申請と同時に外国人登録をする必要がある>
 これでは、不法入国しても日本人と結婚してしまえば勝ち、と促しているようなものではないか。
 また、別の新聞を繰ると目に付いたのは、<華人も生活保護の申請が可能>という見出し(7月8日付「東方時報」)。今年6月、来日直後の中国人48人が、大阪市に生活保護の受給を申請したと報じられたのを、ご記憶の方も少なくあるまい。この件について法務省入国管理局に聞くと、
「あの48人は非常に問題があり、入国審査をきちっとしていれば、生活保護申請以前に入国できなかったものと考えます」
 と、自らの甘い審査をあっさりと認める一方で、
「生活保護申請になると厚労省の問題なので」
 そこで厚労省社会・援護局保護課に尋ねると、
「生活保護法は日本国民が対象ですが、1954年の厚生省社会局長通知で、外国人にも準用されています。在留資格は法務省入管が判断することで、厚労省は福祉の立場から外国人も日本人同様、生活保護の対象としています」
 縦割り行政の盲点が鮮明に浮かび上がるが、そこを突いたのが「東方時報」の記事なのだろう。生活保護受給が在日中国人の<ホットな話題>とし、
<生活保護を受給した場合、在留資格を更新できるのか、永住資格や帰化の申請に影響はないのか等につき、本紙記者が厚労省、入国管理局に取材し、権威ある回答を得た>
 と自慢したうえで、その受給資格について、細かく書き連ねるのである。
 こうした中国語新聞は俗に「華字紙」と呼ばれ、
「現在、新聞が50紙くらい、雑誌形式のものが4~5誌あります」
 と、仰天すべき数字を挙げるのは、拓殖大客員教授の宮崎正弘氏である。
「5年前はせいぜい10紙でしたが、急に増えた。各紙とも輪転機で最低でも1万部ずつは刷っていて、全部で50万部は超える計算になります。急増する在日中国人の特色は、日本人社会に溶け込もうという意識が低く、自分たちで固まって暮らすこと。そこで、中国人同士のコミュニケーションツールとして、こういう新聞が必要なんですね」

 むろん、50を超える新聞があれば、読者の階層も編集方針もさまざまだ。試みに何紙かに尋ねると、
「日本の出来事を報じた記事の大半は、記者が取材をして書いています」
 と答えるのは、毎週刊行される「中文導報」。
「92年創刊と、日本で2、3番目に古い中国語新聞で、公称10万部。定期購読者が多く、日本で永住権を取るまでの流れや、留学生の就職の仕方、家の買い方などの記事は喜ばれます」
 とのこと。続いて、さらに古いのが、先に<不法入国者の……>という記事を引用した「中華新聞」で、
「89年に『外国学生新聞』という名で創刊され、以来月2回欠かさず発行し、今も留学生を中心に支持されている。定期購読者もいますが、多くは中国物産店などで無料配布しています」
 華字紙には、それぞれ250円から300円ほどの定価が付いているが、このように無料で配られるものが多く、事実上のフリーペーパーである。となると頼るべきは広告収入で、
「広告掲載料は名刺サイズで5000円、カラー全面で20万円。日本で活躍する中国の旅行社や華人向け不動産などの広告が多い」
 と話すのは、月3回刊の「二十一世紀新聞」(98年創刊)。一方、02年創刊で週刊の「陽光導報」は、
「最大で72㌻になることもある弊紙は、広告も1回につき480社からの出稿があります。多いのは観光業で、求人広告もそれなりにあり、風俗関係のものも入りますが、それはどの新聞も一緒ですね。掲載料は2万円から60万円です」
 今年3月に創刊された月2回刊の「聞聲報」は、
「1回の発行で300から400くらいの広告が入りますが、一番多いのは求人広告で、クラブやエステのものが多いですね」
 こうした広告の“意味”については、追い追い触れるとして、記事はどうだろう。同じ「聞聲報」は、
「日本の新聞と中国の新聞から得た情報をもとに、日本での生活や政治について記述しています」
 先の「陽光導報」も、
「テレビやネットで情報を集めていて、経済は日経新聞、娯楽は東スポを参考にすることが多いですね」
 それでは“パクリ”なのではないか、と問うと、
「あくまでも弊紙の意見を載せて出している」
 とのたまうのだ。
 この9月1日に創刊されたばかりの華字紙もある。
「中国人と日本人の富裕層に向けて発行を開始した」
 という「新天地」で、
「今までの中国語新聞は庶民派の記事が多く、富裕層にとっての価値ある情報がフォローされていなかったので、うちで新たな価値観を提供していきたい」
 そこで差別化を図り、
「デザインに自信を持っていで、レイアウトも見やすいように工夫している」
 と主張するが、「○○エクスプレス」という日本の新聞に瓜二つではないか。
 もっとも、中国人の“パクリ文化”に、今さら驚くのも野暮だろう。また“切実な事情”を語るのは、「聯合週報」の関係者で、
「同じような新聞が次々とできたうえ、不景気で広告費も、ダンピングしているので、広告収入は月に200万円程度。印刷代が同じくらいかかるので、経営は大変です。独自の取材記事を載せる余裕はとても」
 そんな嘆きはともかくとして、これら華字紙の特徴を、前出の宮崎氏にまとめてもらうと、
「格安航空券や弁護士、保育園など、生活に密着した情報が多く、最近増えているのが美容院と風俗。それも客向けではなく、求人情報です。保育園は、高級なものがある一方、24時間保育もあり、風俗で働く女性の需要が主でしょうね。また、生活保護受給ノウハウが象徴するように、日本で生きるための知恵や法律の抜け道を載せているのが問題です。法律事務所の広告が多いし、振り込め詐欺やニセ薬などの犯罪のせいか、保釈の法的手続きのための広告も目立ちます」

 たとえば、華字紙に広告を出している新宿国際法務事務所に聞くと、
「うちは15年ほど前から中国人の入国手続きをやっていますが、競争が激しくて、新しい事務所に持っていかれることが多い」
 ある行政書士が、その競争の実情を明かして言う。
「中国人にとって仕事に次いで大事なのが入管手続きで、認められるかどうかは申請理由書の書き方にかかっていますが、広告を出している多くの行政書士事務所は、事実上のオーナーが中国人で、理由書も書かずに入管に提出している。また、日本人の配偶者になって仕事を得るための“偽装結婚”に加担している悪徳行政書士もいます」
 ヤミ医者の広告も掲載されているそうで、
「中絶などの手術をもぐりの病院で受ける在日中国人が話題になったことがありますが、今も中国語新聞には、その手の“ヤミ医者”の広告が出ていますよ」(中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聴氏)
 さて、このあたりで、風俗について述べるとしよう。華字紙には、たとえば<日本人経営 日本人店長 日本人小姐>などと書かれた広告も載っている。これは客向けのもので、
「中国の男は日本の女を相手にしたい。そこで日本人の店が、華字紙にも広告を出しているんでしょう」
 とは宮崎氏の弁だが、圧倒的に多いのは、女性向けの求人広告である。ノンフィクションライターの小野登志郎氏によれば、
「中国語新聞の求人広告を見るのは、日本に来たばかりの、しかもツテがない子が中心ですね。パソコンもなく、中国食材店でもらった新聞で職を探すのです」
 だが、目を疑うのは、<急募小姐><月保150萬~200萬><250萬>などと書かれた広告である。月収200万円とか250万円の風俗嬢募集のようだが、いったいどうやって、そんなべらぼうな月収を保証するというのか。試しに本誌記者が、こうして採用された中国人女性が働く店に“遊びに”行ってみた。
 それは新宿歌舞伎町の雑居ビル5階にある“デートクラブ”。入店時に飲み代1万円を支払うと、若くてかわいい中国人女性が付いて、「私も飲んでいい?」と聞く。そこで3000円が追加となるが、5分も話すと「外に行こう」と急き立てられる。了解すると、3万円を要求された。それから、彼女に導かれて安普請のレンタルルームに入るが、そんな部屋代に1万円も支払わされる。この時点ですでに5万3000円を投じていたが、それからわずか15分で内線電話が鳴って、逢瀬は終了。有り体に言えば彼女は、ムードの欠片もない、忙しい売春に勤しんでいるのである。
 ハルビンから来たという彼女は、メイクの学校に通いながら、将来の独立資金を稼ぐためにこの仕事をしている、と語ったが、その真偽はともかく、歌舞伎町の事情通によれば、
「デートクラブは、お店から連れ出したら全部女の子の取り分です。今、不景気で客は多くないけど、一晩に2、3人の客が付けば月に200万円程度は稼げるんです。ただし、若く、かわいく、日本語が喋れるという3条件を満たしていないと無理ですが」
 では、条件を満たさない場合はどうか。ある裏社会の事情通が打ち明ける。
「“月収200万”というのは、人を集める“釣り広告”であることが多い。もちろん客を集められる女性には、歩合制でギャラが支払われ
ますが、そうでない場合は、クレジットカード詐欺や昏睡強盗をさせるケースもあります。破格の月収は、より多くの中国人を集めるためのもので、面接して、若くてきれいな子には売春を、頭の回転が速い人には詐欺を。覚醒剤の運び屋とか、盗品をさばく役にすることもあります。彼女たちは滞在期限が切れても、強制送還されるまで日本にいることが多い。東南アジア系の女性と違い、顔が日本人とそっくりで職務質問されないからです」
 華字紙は、傍若無人な中国人が日本を蹂躙する温床にもなっているようだ。

 それにしても、記事やデザインを無断で借用されても、文句ひとつ言わないニッポン側は太っ腹だが、恩を仇で返されるのが関の山である。それが、かの国の方々の常套手段だから。
「メガネの生産が盛んな福井県鯖江市では、かつて中国の浙江省温州でメガネの作り方を教えてあげた。そうしたら、その中国人たちが独立して、日本の半額のメガネを作って、鯖江側はマーケットをすっかり奪われてしまった。そういう日本人の善意が、生活保護の受給についてまで利用されてしまっている」
 と言うのは、前出の宮崎氏だが、以下に紹介するいくつかの記事も、“思を仇で返された”例に挙げられるのではないだろうか。
 まず、9月2日付「聯合週報」の<90歳の老戦士が涙を浮かべて抗日戦歌を合唱>という記事には、こんなことが書かれている。
<渡辺登は日本海軍の元兵士で、……靖国神社の話になると、日本が発動したのは侵略戦争で、“自分が死んでもそこには祀ってもらいたくない。中国を、アジアを侵略したので”、……老兵士の高橋哲郎は……“日本人は老若男女、日本が中国を侵略したこと、2000万人の中国人を殺したこと、中国に対して極めて卑劣なことをしたこと、このようなことを二度と起こしてはならないことを、知っておくべきだ”と言った>
 ちなみに、この記事の脇にある連載小説のタイトルは<日本軍が4万人の米人捕虜を虐殺>である。
 また、大半の華字紙には独自取材を行う余裕がない、というわりには、ある分野に限って、日本でほとんど報じられない小さなニュースを拾っていて、9月2日付「聞聲報」には、<島内少数民族、日本に謝罪要求>という記事が載った。台湾の少数民族の話で、
<今回の反靖国行動で彼は「日本政府は韓国にだけでなく、台湾にも謝罪すべきである。台湾の少数民族は祖先の魂を靖国神社から迎え入れ、日本政府に過ちを認めさせ、謝罪、賠償を求めるべきだ」と述べた>
 同じ新聞を遡ると、8月16日付には、<朝鮮の“原子爆弾”の被害者、日本に謝罪と賠償を請求>という記事が。また、9月3日付の「網博週報」には、<日本初、韓国人強制労働者の死亡記録を提供>……。
 まるで、今なお戦争が続いているか、あるいは終ったばかりであるかのように、日本の戦争責任を告発する記事が並ぶのである。
「華字紙は、日本に永住することを狙っている人たちに向けて発行されています。彼らは永住するつもりはあるのですが、自分たちの生活や言語は崩す気がないから、こういう新聞を読むのです」(宮崎氏)
 郷に入っても郷に従う気などさらさらない中国人が、日本を勝手気ままに食い荒らすばかりか、反日意識をも昂らせる――。その“手引き”が日々、何十万部もばら撒かれているとは、げに恐ろしいではないか。

週刊新潮2010年9月16日号
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麺つゆにつけるだけでは芸がない 秋でも美味しい 余りそうめん活用レシピ

2010-09-27 01:35:31 | 週刊誌から
今年の酷暑では、そうめんにお世話になった人も多かったはず。暑さが過ぎると余りがちな“夏バテの友”を、少しの工夫で秋でも楽しめるひと品に!
レシピ製作 なかしましほ 撮影 本社 釜谷洋史

そうめんは、1束=50gのものを使用。表示どおりにゆでて水でよく冷やします。

すりおろしトマトめん
トマトはおろし金でおろすと簡単にピュレ状になり、麺つゆとよくなじみます。ナスとオイルでコクをプラスしました。ペースト状のナスを麺にからませるようにして食べてみてください。麺つゆは入れすぎず、トマトの爽やかな風味を楽しんで。

材料(2人前)
そうめん3束
トマト中2個
ナス2本
麺つゆ(3倍濃縮のもの)適宜
オリーブオイル適宜
チャービル(あれば)適宜

作り方
①焼きナスを作る。フライパンか魚焼き器でナスの表面が真っ黒になるまで焼き、皮をむいて身を包丁で叩いて冷やしておく。
②トマトをすりおろして麺つゆと合わせて好みの濃さに調整する。
③焼きナスをトマトのつゆにのせ、オリーブオイルを適量回しかけ、チャービルを飾る。そうめんを茹でて水気を切る。


きのこの温めん
きのこの旨みが出たやさしい味はお酒の後にもぴったり。みじん切りはフードプロセッサーがあると簡単です。そのときあるきのこでもできますが、火を通すとトロみがでるえのき、独特の風味のまいたけはぜひ用意してください。梅干しをつぶしながら食べるので、スープはちょっと塩が薄いくらいで大丈夫。

材料(2人前)
そうめん2束
きのこ(しいたけ、えのき、まいたけ)各1パック
A(酒大さじ2、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ2)
水500mℓ
水溶き片栗粉(片栗粉大さじ1+水大さじ1)
梅干し2個
三つ葉適宜

作り方
①きのこはできるだけ細かくみじん切りに。
②みじん切りにしたきのことAをなべに入れて中火でいりつけ、きのこがしんなりして沸騰したら水を注ぐ。
③再沸騰したらあくをとって1分ほど煮てから、水溶き片栗粉を加えトロみをつける。茹でて水気を切ったそうめんをスープに入れてあたため、ざく切りにした三つ葉と梅干しを添える。


ベトナムそぼろ麺
全体をよく混ぜて、たっぷりの薬味とともにさっぱりしたナンプラーのタレでいただくエスニック風の麺です。鶏肉は胸肉でも、もも肉でもお好みで。ひき肉ではなく、包丁で叩いたものを使うとさらに旨みが増します。鶏肉を茹でたお湯にはダシが出ているので、冷蔵保存して他の料理に再利用しても。

材料(2人前)
そうめん2束
タレ(ナンプラー大さじ2、砂糖大さじ1.5、赤唐辛子1/2本輪切り、熱湯100mℓ)
レモン汁大さじ2
鶏ひき肉150g
酒少々
香菜1束
万能ねぎ5本
大葉5枚
フライドオニオン(あれば)適宜

作り方
①タレの材料をよく混ぜ、冷めたらレモン汁を加える。鶏ひき肉は酒少々を加えたお湯で茹で、タレに漬けて冷ましておく。
②香菜はざく切り、万能ねぎは小口切り、大葉は千切りにする。
③茹でたそうめんの水気を切り、皿に盛ってタレを鶏肉ごとかけて、香菜、万能ねぎ、大葉、フライドオニオンをのせる。


みょうがのそうめんチャンプルー
炒めるときに麺がくっつきやすいチャンプルーも、麺を前もって油で和えておけば失敗しません。みょうがは火を入れると独特のクセがなくなり、香りが苦手な方でもシャキシャキとした歯ざわりが楽しめます。にんにくと一緒に赤唐辛子を炒めれば大人の味に。麺は太めの半田そうめんなどがおすすめです。

材料(2人前)
そうめん2束
みょうが6個(2パック)
油小さじ3
白だし(もしくは3倍濃縮の麺つゆ)小さじ1
にんにく1/2片
塩、黒こしょう少々
白ごま適宜

作り方
①みょうがは縦半分にして薄くスライスする。フライパンに油小さじ2とつぶしたにんにくを入れて弱火にかけ、香りが出たら中火にしてみょうがを入れてしんなりするまで1分ほど炒め、塩少々をふって取り出す。
②茹でて水気を切ったそうめん、炒めたみょうが、白だし、油小さじ1をボウルに入れ、黒こしょうをしっかり目にふって和える。味が薄ければ塩で整える。
③フライパンにもどし入れ、中火で全体が温まるまでさっと炒める。白ごまをひねって散らす。

週刊文春2010年9月9日号
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