電子書籍に未来はあるのか?――という大胆なテーマにチャレンジするワタシをお許しください。いやね,それは,こういう記事を見たわけで…
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【第13回東京国際ブックフェア2006 Vol.1】
目下、急成長中!? ケータイ向けコミックの今をレポート
http://ascii24.com/news/i/topi/article/2006/07/06/663303-000.html
ま,いつか記事のリンクも切れてしまうと思うんで要約しておくと,
将来,電子書籍が熱くなんぜ!
ってことであります。
説明しておきますと,東京国際ブックフェアというのは,出版社や流通取次や印刷業界などが集まるフェアでありまして,出版業界のモーターショーみたいなもんであります。あちこちの印刷屋さんからチケットをもらうので,どこの出版社や印刷屋に行ってもチケットが置いてあるというものでありますね。
で,まあ,上記の記事は,東京国際ブックフェアの「ちょうちん記事」――というのは言いすぎかもしれませんが,現実に電子書籍の未来は熱いのだろうか?と疑問に思うわけであります。
電子書籍ってPDFファイル以外に見たことあんのって,青空文庫くらいでしょ。
最近ではマンガをケータイで読める!なんていうサービスをやっていたりするんですが,実際問題としてどうなんでしょう,買う人,いるんでしょうか。
こういうのね↓↓
http://mangacapsule.jp/pc/
ま,もちろんね,ケータイやネットでしか読めないマンガっていうのもあるみたいなんで,一概に「本」の方がいいじゃん,と強弁する気はないんですが,やっぱ小さなケータイの画面でマンガを読むより,ふつうに単行本で読んだほうがずっと楽しいんじゃないかと思うんですが…所有感もあるし。
もちろん本を買う前の「お試し」の意味があるのか。でも,連載雑誌や漫画喫茶もあるし,その効果はどのくらいだろう?
そこで,思うのは,
基本的には,作家が自分の作品を自分でネット上で作品を売るのはできるので,その予防線を張るために,上記のようなHPを作っているんじゃないかと。
要するに作家に対し,本だろうが,雑誌だろうが,webだろうが,コンテンツを握っているのはコッチだよ,と既得権を作ろうとしているところなんじゃないかと。
なんてことを邪推してみたり。
ま,はっきり言って,その電子書籍販売ですが,そんなに熱くないです,はい。ま,わかっていると思いますが。
一番大きいのは読む媒体である「キャリア」がない,ということですね。
つい数年前,ソニーとパナソニックだったか,そういうキャリアを発売しましたが,あれはいまだに売っているんでしょうか。(一応,売ってみるみたいです。詳細→http://www.sony.jp/products/Consumer/LIBRIE/)
でも,まだ一度しか使っている人を見たことがありません。たぶん一度だってラッキーかと思います。ランボルギーニのオーナーよか少ないぞ,たぶん。
正直,もういいやって話ですよね,この機械については。
一方で,他にもいろんなキャリアが検討されているみたいで,PDAだとか,同じくソニーのプレステのちっこいの(PSP)だとか,アップルのi-podだとか。PSPが行けるのなら,任天堂のDSとかも行けそうだが。
ま,このPDAつうのも,もう終わってますな。このうち,使っている人が多く有望なのがi-podでありますが,設定がめんどくさいという噂あり。ま,i-podに限らず,シリコン・プレイヤーでHDDタイプの奴は,テキストが読めるものがけっこうあるみたいです。
電子辞書をキャリアにできんのか,って感じがしないでもないですが…いっぱーんの人はあんま持っていないもんかな。
そういう意味でだれもが持っているケータイは魅力的なキャリアなんでしょうが,なんせ画面が小さい。あまりにもちっこいんで,読み飛ばしも難しいほどです。けっこう普通に本を読んでいるときでも,部分部分読み飛ばすもんでしょ? それができないのは,ちょっと無駄な感じがいたします。そのうち,ケータイ用の文章スタイルというのができてゆくんだろうけど。また,それは別の話だし。
というわけで,あんまり将来の展望は開けていないのですね。
まだまだ紙媒体の方が,「本」というメディアの95%くらいは有利なのかな…というふうな気がいたします。紙を電子系が凌駕しているものは,データベース系だけですよね,いまのところ。
とはいえ,電子書籍販売もいいかな,と思わないでもないのですね,出版人は。
何せ在庫が不要。これは美味しすぎ。販売手数料があんまり要らない。これも美味し。だったら,編集者とか出版社とかいう「仲介」なんか要らんじゃん,直に著者と読者で金銭と作品のやりとりすればいいじゃん,という民草の話は聞かないようにして,何となく,「電子書籍がうまくいけばなあ」という感じがある。
とくに,大部数を刷って,広告料に営業力をどんどん投資して……という角川スタイルだと,電子書籍出版なんて面白くないんじゃないかと思うんですが,専門的な,死に行く本(絶版のもの)をナントカしたい,という高い志のときに電子書籍はええんではないか,と思うわけです。
たとえば,ですね,この文章を書こうと思いついたのは,そもそも,こういうのを見て,閃いたんですが,,,
![]() | 新・創造への教育 全3巻 カール R.ロージァズ 岩崎学術出版社 1985-02 売り上げランキング : 1041799 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
という書籍。
もう古か本です。絶版状態。
これが,アマゾンだと,3巻揃い踏みで,
67,450円!
ろ,6万!!
ちょ…www…
買うつもりもなく,文献を調べていたときに見かけたこれをみて,ワタシ,憤ったわけですよ。
6万って。
新品って。
新品って言っても,別に版元が直接売っているわけじゃないですよ。
どっかの業者が売っている。
その瞬間に中古やん,という気が済んですが,新品だと言い張る。
当時2,800円ですよ,2,800円。3巻もので,3冊で8,400円。
1985年なので,ま,今だったら,3,200円くらいでしょうかね。
それが,あんた,6万って…
確かに必要な人にとっては1冊5,000円でもいいという本ではありますが,稀覯本のごとくマーケットもなく,投資としても何のメリットもない専門書の世界で,いくらなんでも,そらボリすぎやん。
新刊とはいえ,本当に新刊なわけでもなく。ただキレイってだけでしょ。それが6万。
絶版になっているものって,アマゾンだとすぐにわかるんで,絶版になっているというだけで,暴利になっているものがずいぶんあるんですよね。中身とか市場性とか無視しているわけです。ちょっとひどい罠。
こういうときに,電子書籍があれば……と思うわけですよ。
(続く)
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