精神保健福祉領域で、ピアの活動が注目されています。
当事者の、当事者による、当事者のための、ピア(仲間)支援活動。
貧しい精神科医療の現場で「患者」として生き残ってきた、サバイバーたち。
地域で多様な福祉サービスを活用して、自身の生活を創ってきた、コンシューマーたち。
支援を必要とする方々の苦しみに、同じ目線で共感できる体験をしてきた方々。
自身の生活体験を伝え、粘り強くご本人のペースに沿って支援を展開される方々。
全国の地域移行支援の現場で、ピアサポータ-は徐々にその数を増しています。
ピアスタッフによる支援有効性は、多くの現場レベルで確認されてきています。
地域移行・地域定着支援事業では、「ピアサポートの活用」が打ち出されました。
アウトリーチ支援事業でも、ピアスタッフの配置が条件に加えられています。
JHC板橋の皆さんが『ピアカウンセリング・マニュアル』を発行したのが1998年。
10年の時を経て、ようやく国レベルの事業で、その存在価値が公認されたといえます。
リカバリー全国フォーラム2011でも、前回に続き分科会を開かせて頂きました。
「ピア活動が切り開く地域移行・地域定着支援」と題して、4人の方にお話し頂きました。
それぞれの「仲間を助けたい」という想いと、地域移行への取り組みが紹介されました。
抑えきれぬ想いの発言に、会場から「そうだっ!」「その通りだ!」と声が上がりました。
入院医療中心から脱施設化推進へという中で、ピア活動への注目は当然だと思います。
既に、当事者の設立したNPO法人が、地域移行推進活動を展開している地域もあります。
しかし、多くの相談支援現場では、なかなかピアサポーターの数が増えません。
その意義を認めつつも「なり手がなかなかいない」という声が、支援者から聞かれます。
ただ、これは当事者の問題でなくて、リソースを発掘する支援者側の課題だと思います。
目の前の多くの当事者たちの中に、豊かな力を秘めた方々が、必ずいるはずです。
この度、大学の立場で出来ることとして、下記のような取り組みを始めることとしました。
志のある当事者の方を対象とした、いわば「ピアPSW養成コース」です。
これまでにも、当事者の立場でPSW取得を目指して、受講する方々は結構いました。
むしろ今後は積極的に、次代のピア活動を担う当事者に来て頂こうという趣旨です。
病気を隠してではなく、自身の体験を活かして、PSWになって頂こうというものです。
当事者として、自信を持って、仲間を助け、支援する人材が集う場になればと思います。
当事者主体のリカバリー志向のサービス提供には、どうしても当事者の力が必要です。
マディソンのSOARのような、当事者と専門職の融合チームが将来の姿になるでしょう。
専門職こそが偏見を払拭して、当事者に向き合うことが問われてくると思います。
時間はかかるかも知れませんが、当事者とPSWの未来像は大事にしたいと思います。
今年度はもう応募期間が限られていますが、ぜひ周辺の当事者の方々にご周知ください。
そして現場PSWの方々、実習受け入れ先確保に、どうかご協力をお願い致します。
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★日本社会事業大学通信教育科から
「ピア精神保健福祉士コース」開催のお知らせです★
日本社会事業大学通信教育科精神保健福祉士養成課程では、
今年4月の入学生から、精神科に通院・入院した経験のある人を対象とした
「ピア精神保健福祉士コース」を開講いたします。
通常の通信教育科のカリキュラムの他にオプションとして、
精神疾患を抱えながら、あるいは精神疾患を経験した人が、
支援者となるための方法を学びます。
以下にその概要を記しましたので御覧下さい。
また実務経験の範囲が広がり実習免除の枠が広くなった「地域事業所職員コース」
初めて福祉を学ぶ人にお勧めの「これから挑む福祉コース」
の別途オプションコースを開催いたします。
併せてホームページで詳細を確認下さい。
http://www.jcsw.ac.jp/tsushin/seishin.html
≪ピア精神保健福祉士コースとは?≫
このコースでは、現在精神科の治療を受けている方や過去に治療経験がある方が、
自らの経験を強み(ストレングス)として、
精神保健福祉士となるために必要なことを学びます。
同じ志を持つ仲間と思いを分かち合いながら、
学習を進めたい方にお薦めのオプションコースです。
◆入学資格はありますか?◆
入学資格は4年生大学を卒業した方、社会福祉士の資格を持っている方、
福祉系の事業所などで相談援助の経験がある方などです。
詳しくはお問い合わせください。
通信教育室:電話042ー496-3205
◆料金はかかるの?◆
通信教育科でかかる費用は必要ですが
(入学金、授業料、スクーリング代金、実習費用、教科書代金等)
オプションコースの授業は、料金はかかりません。
費用に関してはパンフレット等でご確認ください。
◆どんなことをやるの?◆
精神疾患を抱えながら精神保健福祉士として働いている先輩から話を聞いたり、
基礎知識を学んだり、自分の体験を仲間と共有したりします。
病を抱えながら元気で働く方法を、仲間とともに考えます。
必要に応じて、専任教員に相談しながら学べます。
◆どんなスケジュールでおこなうの◆
おおよそ2ヶ月に1回位の頻度で大学まで来ていただき、少人数で学びを深めます。
詳しくはホームページを御覧ください。
http://www.jcsw.ac.jp/tsushin/documents/PSW-OP2_001.pdf
◆申し込みはいつまで?◆
2012年2月29日(水)消印有効です。
お急ぎください。
○資料請求フォーム
https://www.postin-svr.com/entry/jcsw/index.asp
○電話042-496-3205
◆その他にオプションコースはないの?◆
「地域事業所職員コース」「これから挑む福祉コース」があります。
詳しくはホームページで!
http://www.jcsw.ac.jp/tsushin/seishin.html
※画像は、去年の大学祭の日のキャンパス中庭風景。