皮作家kinari さんは福島県の浪江町に住んでいました。
私の娘ほど若い友達で、私は「大ちゃん」と呼んでいました。
大ちゃんは震災当時まだ20代後半で、30代の旦那さんと5才の息子ちゃんと3人暮らしでした。
立ってはいられないほどの地震があった時は大ちゃんは家に、旦那さんは海岸近くの職場に、息子ちゃんも海岸からわずか200mの児童館に、そして大ちゃんの実家も海岸のそば、
地震後に児童館へと車で向かったそうですが、途中で警官に「すぐそこまで津波が来ています」と先に行くことを止められてしまいました。
でも、児童館の息子ちゃんは先生方が機転を利かせ指定された避難場所よりもっと遠くの高台に避難していて無事でした。先生方のおかげです。
ほんとうに良かったです。
ご主人も無事でした。
息子ちゃんも旦那さんも実家も流されたかもしれないと思った時の大ちゃんのことを考えると、私の娘や孫の姿とも重なって胸が痛みます。
(孫ができてからはなおさら、震災で流されてしまった母子の話などをテレビで見ると不安に陥ります。)
その後、大ちゃん家族は避難所生活をしばらくしていましたが、外で遊べない息子ちゃんの今後とかを考えて、佐賀県鳥栖市に引っ越しました。
今は鳥栖市で皮作家として頑張っています。
そんな大ちゃんから昨年プレゼントをもらいました。
素敵なペンケースとキーケースです。
毎日持ち歩いているので、キーケースは味が出てきました。
そして、震災後鳥栖市に避難した母親達で綴られた「鳥栖のつむぎ」と言う本も送ってくれました。
皮作家kinari さんとして大ちゃんの書いた文章も載っています。
大ちゃんは料理上手で賢い人です。
震災5年目の昨日はどんな思いで過ごしたのかな…
5年前の震災後、大ちゃんに何日も連絡が取れなかったので、もうこの世にはいないんじゃないかと思いながらも、彼女が料理を載せているcook padに「無事ですか?」とコメントを入れた日がとても遠い日に感じます。
「鳥栖のつむぎ」図書館にもあるかもしれませんので、機会がありましたら読んでみてください。