自分の内気な性格のために、行くのが憂鬱だったお嫁ちゃんの実家の法事。
お嫁ちゃんのお父さんの三回忌でした。
まだまだ悲しみにくれたままのお母さん(55歳)は、お坊さんの読経の最中もずっと泣いていました。
お嫁ちゃんのお母さんは、一人で電球も変えたことがなかったと言う人なので、きっと旦那さんを人一倍頼っていたのでしょう。
寂しい気持ちがひしひしと伝わって、何か気のきいた慰めの言葉でもかけたら良かったのでしょうが、何と言ったら良いのかわかりませんでした。
会食が始まると、お嫁ちゃんのお母さんも明るい声で話しかけてきてくれました。
「旦那さんは出張?月に何週間もいない時があるんだね!」と言うので
「うん、いないと楽だよ。一人だとご飯も簡単でいいし、出張から帰ったら次はいつ行くのかなって心待ちにしちゃうよ」と答えてしまいました。
「生きているからそう思えるんだよ。ほんとにいなくなっちゃったら寂しいよ」と、お母さん。
あー、なんてバカなことを考え無しに言ってしまったんだろう。
あちらの親戚の中にいてずっと緊張して、頭が麻痺してしまったのかもしれません。
お母さんとは子供が小さな頃からの知り合い(息子とお嫁ちゃんは同級生)なので、話しかけてくれてなんだか助け船が来たみたいに気が緩んでしまいました。
お嫁ちゃんのお母さんは明るく優しい人なので、いつもと同じに微笑んでいましたが、言ってはならない事でした。
どうやって謝ったら良いのかも考えつきませんが、二度とこんな事がポロリと口から出ないように、もっと思慮深くなりたいです。