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『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

『TOMMY』とマスコミ

2007-01-26 | TOMMY
 顔合わせ、本稽古開始に続いて、いのうえひでのりさん、湯川れい子さん、ROLLYさんの対談がイープラスで公開され、今週末にはテレビ特番と、『TOMMY』の話題、尽きませんね~。
 ブロードウェイでもリハーサル段階でマスコミを招待するのが習慣で、来てもらえるように懇願することも良くあるらしいのですが、この"Tommy"は、前評判が高く、取材申込をふりわける作業をしないといけなかったそうです。MTV初のブロードウェイ取材も敢行されたとかで、かつてロック青年だったアメリカのお父さん達も燃えたでしょうね~。日本のお父さん達にも是非燃えていただきたいです
 映画版『TOMMY』でも、BW版でも、三重苦の「ピンボールの魔術師」トミーが完治したことを告げる号外が配られますが、イギリスでは56年にやっと報道規制が終わり、扱われる記事が急変したそうです。第二次世界大戦中はもちろん、戦後も国内外の政治的な記事が中心だったのが、人々の好奇心を刺激する様々な事件をあつかうようになり、大衆紙である「タブロイド」の発行部数は飛躍的に伸びたといいます。"Miracle Cure/奇跡の完治"の号外も新しい時代を告げている、ということでしょう。
 また、55年にはCM収入で運営するテレビ局ITVが登場、国営放送のBBCのライバルとなり、テレビ業界も一気に活気付いたそうです。60年代初頭にはいると、BW版スタッフ曰く「イギリスの家庭は白黒テレビの光で浮き上がる」ようになり、本格的なマスコミの時代が到来したということです。
 知れば知るほど「なるほど」な『TOMMY』、現代に生きる私たちをとりまく様々の状況がどこからこうなったのか気付かせてくれます。アルバム発表時には24才だったピート・タウンゼントが、こうした作品を書き上げたことも、この時代のMiracleという気がしてしまいます。


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