『ルドルフ RUDOLF The Last Kiss』原作"A Nervous Splendor"は、ブラットフィッシュが手綱を握る馬車でルドルフが外出するところから始まりますが、その行き先がマイヤーリンク。ウィーンの街を南下し、鉄道に乗りバーデンで下車、さらに馬車で美しいウィーンの森の中を進むと、1887年にルドルフのために造られた狩猟の館があるというわけですが、世間から隔絶されたようなこの館が、彼にとって精神を休める場所だったようです。マイヤーリンク事件の現場を訪ね、ウィーンの森の美しさを堪能する観光コースとしても人気があるようですね。
原作では、このときルドルフは、少年時代から毛嫌いしていた同い年のプロイセンの皇太子ウィルヘルム(帝劇版では岸祐二さん)が、プロイセン(ドイツ)皇帝になり、その声明を読んだ、という設定になっています。先のプロイセン皇帝フリードリヒ3世は、在位わずか3か月で亡くなったため、息子であるウィルヘルムはわずか29才で皇帝の座に着きました。自分が最高位に付くためには肉親の死を待たなくてはいけない、という王子たちの複雑な心理を「プリンスの悲劇」と呼ぶそうですが、犬猿の仲の皇太子が若くして皇位につく一方で、オーストリア帝国の政務から排除されている我が身をルドルフがどう思っていたかは想像に難くありません。鳥類の研究家としても評価されていたルドルフですが、ウィーンの森の美しさもこのときは慰めにはならなかったかもしれません。
原作では、このときルドルフは、少年時代から毛嫌いしていた同い年のプロイセンの皇太子ウィルヘルム(帝劇版では岸祐二さん)が、プロイセン(ドイツ)皇帝になり、その声明を読んだ、という設定になっています。先のプロイセン皇帝フリードリヒ3世は、在位わずか3か月で亡くなったため、息子であるウィルヘルムはわずか29才で皇帝の座に着きました。自分が最高位に付くためには肉親の死を待たなくてはいけない、という王子たちの複雑な心理を「プリンスの悲劇」と呼ぶそうですが、犬猿の仲の皇太子が若くして皇位につく一方で、オーストリア帝国の政務から排除されている我が身をルドルフがどう思っていたかは想像に難くありません。鳥類の研究家としても評価されていたルドルフですが、ウィーンの森の美しさもこのときは慰めにはならなかったかもしれません。