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『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

私、最近までミュージカルを見ない人でした

2005-12-15 | グランドホテル ザ ミュージカル
1931年当時のMGMの「影の支配者」というアーヴィング・サルバーグ、『グランドホテル』映画版を作るとき、「普段 映画を見ない人も見たがる作品を撮ろう」と言っていたそうです。公式ブログでの紫吹淳さんのインタビューでも「ミュージカルを見たことのない人達に見てもらいたい」というお話。

 3月9日付けの「一般って・・・」でも書いたアダム・クーパーも、『危険な関係』パンフレットで同じことを語っています。「観客の顔ぶれがいつも同じ」バレエ界から外に出て、ミュージカル、オリジナルのダンス作品、ストレートプレイと、新しい観客の前に出て行く彼の活動は、あまり劇場に行かない人でもご存知なのではないでしょうか。また、先日のギエムの公演もいつもより男性の姿が多く見受けられました。観客に迎合するということではなくて「おもしろい」ものを提供する、ジャンルを超える力を持っている表現者って素敵ですし、ギエムの男性ファンってなんだか愛すべき存在だなと思います。

 さて、藤木孝さんの「ごきげんよう」出演、大ファンだというマリア・カラスの話になると、まるで恋人のことを訊ねられたような表情をしておられました。一目見て素人ではないとわかるような洗練された容姿と、青年みたいな透明感が魅力的です。日本にもこんな形での「成熟」があるんですね、この方の『リチャード三世』見てみたかったな~。『グランドホテル』では藤木さんが最初に登場されるとのこと、絶対遅刻は出来ません。

 藤木さんのディーヴァ、マリア・カラスも「ファンでない人でも知っている、聞いた事がある」という存在の最たる例ですね。ジャンル、なんていうのは人間の深いところではそうこだわらなくてもいいことなのかもしれません。ちなみに私も青山航士さんを知るまでは舞台でミュージカルを見たことはなく、洋の東西を問わず古典好きでしたが、『ウエストサイドストーリー』のタイガー、そして群舞を見て、20世紀の産物らしいMusicalの表現領域の大きさ、自由さに感激しました。紫吹さんのおっしゃるように、色々な方が訪れる魅力的なホテルのような作品になるといいですね。

 覗くたびに長居してしまう、マリア・カラスの公式ページは こちら
 Photo albumにある、ヴィスコンティとカラスの夢の顔合わせ『ヴェスタの巫女』の写真や椿姫の衣装がものすごく素敵です。皆さんのお気に入りはどれでしょうか。