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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

2025年1月15日(水)ヴァレッタ

2025-01-24 00:22:54 | 旅行

2人とも早朝4時に目が覚めましたが、まだ周囲は暗く、強い雨と風は相変わらずで、散歩にはちょっと・・

日本から持参した、青汁(笹と生姜の飲むお灸)をゆっくり飲んで、この日の予習をしたり部屋で写真を撮ったり。






朝食は7時からで、会場は天井が高く海に面した大きなガラス張り。

バイキング形式の料理もとても美味しく、何よりシャンパンもある。
毎朝、朝日が昇るのを眺めつつ朝シャンとなりました。

昨日よりは多少はマシになったとはいえ、悪天候で、雨。
地中海の海風はなかなか半端なく強く、折り畳み傘はあっという間に御猪口となり骨が曲がってしまいました。
バスでヴァレッタまで行き、観光。




曇天ではありましたが次第に雨も小降りとなりました。

ハチミツ色の石灰石(ライムストーン)はよく見ると(よく見なくても)化石が沢山。



トリトンの噴水、ゲートを抜けて、アッパーバラッカガーデンに着いた頃には雨もやむ。

高台から海と向かいにあるスリーシティーズを見渡す。
緑も豊富で、猫も。
マルタでは思っていた程、猫との遭遇はなく、このこを含めて計4匹。
みな、中々クールな風情で、自立した感じがかっこよかった。



そしてヨハネ大聖堂へ。

地味な外観からは想像もつかない豪華絢爛さに圧倒。
これでもかといった感じの圧が強く、異教徒としては疲れてしまうくらい。
多分プロテスタントだったら、それ以上ではないか?




でも豪華絢爛な様々な工芸品の中、流石、カラヴァッジオの絵画は圧巻の芸術だった。




その後は騎士団長の宮殿、武器博物館、とここまでがツアー。
こちらもそれなりに豪奢なのですが、最初に見たヨハネ大聖堂があまりに凄かったので、ちょっと地味に感じてしまったくらい。

午後からはフリータイムで、まずは、ランチ。
メインストリートをふらふら歩いていると、とても美味しそうな魚を食べている人が居て、それにつられて小さなイタリアンに。
疲れていて食欲もあまりなかったので、魚一皿とそれにサービスでついて来るポテト、パン、ワインで。お魚は新鮮で、身も締まっていて、香ばしく、どれもとても美味しかったです。二人で34€程。








その後はカーサ・ロッカ・ピッコラというお金持ちの御屋敷だったところへ。
入場料が二人で19€と高かったけれど、アンティーク好きとしては楽しめた。
夫には不評で「ただの人の家じゃん」的な反応・・まあ、高すぎるなとは思う。





これが一番欲しいものだった。




その後、今後コンサートに行くオペラ劇場と教会2つの場所を下見し、歩き回り、海沿いの通りのベンチや広場のベンチでまったりするも、とにかく街中にトイレがなく(公共のものはあるけれど、1€もするのに、無人でとても汚く入れるものではなかった・・)結局はトイレのために、カフェに入らなくてはならない、という感じ。

下見その1・・マノエル劇場
外観があまりに普通のアパートの入口みたいで、加えて周囲が工事中でわさわさしていたので写真は無し。

下見その2・・セント・ポール教会

マノエル劇場から更に北の海側に下っていく途中にある、尖塔を持つ教会。
一人2€で見学出来るので入場。しばし椅子で休息し、お土産物なども売っていたので、オリーブの木の石鹸皿10€、同様のオリーブを咥えた鳩の形のブローチ3€など購入。
スッキリとシンプルな造りだけれど、ここでパレストリーナのパパエマルチェッリを聴けるのかと思うととても楽しみ。



下見その3・・セント・ドメニコ大聖堂

こちらは南側の海の方にある教会。
入場は無料で誰でもウェルカムでしたが、豪華で美しく驚きました。
知られていなくても、こうした教会はおそらくマルタには沢山あるのだろうと思います。ここではナポリ楽派などの神聖モテットを聴く予定で、楽しみ。

セント・ポール教会の北側の海沿いを散歩。
本当にもう、どこもかしこも絵になる街である。


ヘタウマが可愛い猫の絵の植木鉢もありました。






下見を済ませて、一安心し、中央の広場のベンチで一休み。
このベンチにはその後もたびたびお世話になりました。


夫がスタバに行きたいというので、スタバに。
店員さんの女の子に「日本から?私は日本と日本食が大好き!いつか行ってみたいです!」と話しかけられる。
お店の人は皆、シャイな笑顔で感じが良い。

もちろん、ここでトイレに行ったのだけれど、トイレの番号を聞いて、それを入口の電子錠に打ち込んで入る、というもの。
他のレストランやカフェではなかったけれど、この形式は多いのだそう。

ここで同じツアーで一人参加されていた男性Iさんとばったり会い、夫は一緒にゆっくりしていくというので、シメタ!とばかりに、ここで解散し夫とは夜に劇場であうことにして、ソロに。


ルンルンと楽しく街歩きし、色々なお店をひやかし、時々買い物もし、楽しく過ごす。
街にはSaleの文字が溢れていて、気分も上がる。
結局たいしたものは何も買わなかったのだけれど、マルチーズレースとフィリグリーのお店をじっくり見学して、大体の価格、品質など事前勉強。

ポルトガルではフィリグリーをセットで買ったけれど、結局あまり身に付けることもないので、今回はパス。それに何故か以前から家にあるフィリグリーがマルタクロスだったことがわかり今回里帰りさせて身に付けていたので、これでもう満足ということに。

折り畳み傘が壊れてしまったので、新たにとても可愛い赤の折り畳み傘を15.6€で購入。(でも、これもこの日の内に突風で壊れてしまい残念・・)人生の税金と思い諦める。

様々な路地を歩き回り、ようやく7時00分となりマノエル劇場へ。
到底劇場とは思えない質素で小さな入口から入るも、流石に中はバロック!
ミュンヘンやロンドン、ウィーンの大劇場とは比べようもないけれど、小さな小屋ならではの親密さがあり、愛らしく天井も美しい。
それに伝統あるバロック建築でバロック音楽というのは日本では決して味わえない。




・・・演奏は個人の感想ではあるけれど、まあダンスはいらないんじゃないか?
といったところ。
ヴァイオリンのチューニングが見切り発車で、大丈夫か?と思った不安感は的中。
・・なんだかなあ・・
でも、女性歌手二人は素晴らしく、本場の伝統の声。
低音群、オルガンも良かった。
でもダンスがなあ::
4人の女性が白いタイツ姿で、空手の様なテコンドーの様な振り付けで踊り、最後には赤い絵の具を自分に塗りたくる、という前衛的なもので、なんでも母性の神聖さと共に、その奥底にある暴力的なものにも視点を当てた、とのことだけれど、でも、スタバトマーテルだよ??
と言いたかった。何故これが取り上げられたのかが不思議。
多分・・だけれど、楽隊的にも、あまり気乗りがしなかったのではなかろうか・・
で、見切り発車??

とても楽しみにしていたのに、演出、演奏共に今一で、ややがっかり。
隣に座ったアメリカ人女性が話しかけてきて、お互いに「なんだかねえ」と。
でも、こうした新たなアバンギャルドな試みは今に始まったことではなく、この姿勢がつまりはバロックということで良いのかもしれないね。

料金も土間席中央あたりで、一人20€だったことを思えばまあ満足。
でも通常料金の倍額だったら怒っていたかも。

ちなみに響きはとても良かった。
あとで現地ガイドのHさんに聞いたところでは、舞台と客席の間に水を張る仕組みがあって、それで響きが良くなっているそうだ。確認はしていないけれど。

ああ、でもダンスなしの、ちゃんとしたペルゴレージを聴きたいものである。
日本、それもこの東京や横浜で普通に聴くことが出来る様々な演奏会のクオリティの高さを改めて思い出しておりました。

その後、スーパーでチーズ、バター(とても美味しい!)ルッコラ、生ハム、など仕入れ、自力で噴水横のバス停からバスに乗りホテルまで。
これもちょっとした冒険で楽しかった。





ワインではなく、持参したアールグレイで軽めの晩御飯に。
アルコールが体調管理の為にはよくないということがわかった昨年秋冬だったので、今回も控えめにすることに。

朝から夜まで、2万歩以上と、よく歩き回った一日でした。







マルタ共和国 10日間滞在 1月13日(月)~22日(火)

2025-01-23 22:46:45 | 旅行
昨年3月の南イタリア・シチリア旅行がもう人生最後の海外旅行かな・・
とも思っていたのですが、夫も私もすっかり味を占めてしまって、
「お互い、元気で動けるうちに・・・」ということで、シーズンオフのマルタ島に行ってまいりました。

今回はツアーではあるものの、3分の2以上はフリータイムの自由な日程。
東京都23区の半分程の広さの小さな島で、何処に行くにも便利なこと、そして何よりとても治安が良いということで、「同じホテルに連泊して暮らすように過ごす」というのが魅力でした。
フリータイムが多い分、多分値段も通常より安かったのではないかしら。

なんせ、昨年のツアーでは「下車観光」にがっくり。
マッシモ劇場も、サンカルロ劇場も目の前に立つだけで、本当に残念でした。

なので、今回の一番のリベンジのミッションは、劇場の中に入場すること。
更には、そこで音楽を聴く事も可能かも?と調べ始めました。

首都バレッタにはヨーロッパで3番目に古いという小さなオペラ劇場「マノエル劇場」があるということをつきとめ、シュピールプランなどないか?とネット検索していたところ、丁度、1月には「バレッタ・バロックフェスティバル」というイベントがあることがわかり、その上、日本からでも、予約可能なサイトに辿り着くことが出来ました。

ネットでのこうしたことは不得手ですが、もう必死で何度も試みる。
今は自動的に日本語翻訳にもなるので、とても助かりました。

biglobeでは途中まで入れても、最後の購入は出来ずあきらめかけたのですが、Gmailでは無事、席も選ぶことができました。
その上なんと60歳以上は半額!

観光初日の15日はマノエル劇場で、ペルゴレージのスタバトマーテルと現代演出のダンスとのコラボというユニークなもの。

翌日16日は同じくバレッタの聖ドメニコ教会でナポリの作曲家達による様々なモテットを。

そして19日はバレッタの聖ポール大聖堂で、海沿いに立つ高い尖塔のある教会で、バレッタのランドマークにもなっている教会。
パレストリーナのパパエマルチェッリとグレゴリオ聖歌を交互に、というこれも面白いプログラムでした。

全てのミッションも無事コンプリート出来ました。
そして、マルタでやりたかった様々のことも。
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シーズンオフということで、往復の飛行機も空いていて、3席を2人でゆったり使うことができました。

加えて、エミレーツは食事も美味しく、客室乗務員もみな笑顔で親切。
トイレの掃除も行き届いていて、昨年のイタリアとは雲泥の差。

成田からは自力でドバイへ。
成田はともかく、ドバイは広い飛行場ということで、この自力乗り換えが一番心配でしたが、とても目立つ掲示板に従っていけばすんなりと辿り着けるようになっていて一安心。





ドバイの乗り換え搭乗口付近で、関西から参加された11名と添乗員Kさんと無事落合い、乗り換えてキプロス経由でマルタのヴァレッタへ。
成田からは私達と母娘で参加されたYさんの4名、合計15名と少人数なのもよかった。

みな旅慣れていて、コミュニケーション力の高い方達ばかりで、今回もとても楽しく過ごすことが出来ました。

添乗員のKさんは細やかな心配りで、サポートしてくださり、現地ガイドのHさんもその内容もさることながら知的で穏やかな語り口が素晴らしかったです。

直行便がないので、時間はとてもかかりますが、ドバイの飛行場なども見られて楽しく、うつらうつらしていると機内食。それにルネッサンスから現代にいたるまでの音楽を英語で解説しているエミレーツお勧めプログラムもあり丁度往復の時間を使って全て聴く事が出来ました。英語はそれほどわからなくても、自分の知識とのすり合わせで想像がつくといったところ。何よりお勧めの一流の演奏から、夫々の時代の装飾の入れ方や、表現の仕方など、色々学べて、飽きることがなかった。

もちろん、Kポップのストレイキッズもあって、こちらもしっかり楽しみました。
映像なしで聴くのは初めてでしたが、音だけでもとてもカッコイイのを再認識。

ホテルはヴァレッタからバスで30分弱のセント・ジュリアンというリゾート地。
部屋からは海が見え、天井も高く、ゆったりとした広い部屋に大満足。
バスタブもゆったりと足を延ばせる大きなものでした。

「ゴールデン チューリップ ビバルディ ホテル」ということで、インテリアにはヴァイオリンのリトグラフやビバルディの関連のポスターなども。
ベランダのフェンスもチューリップの形。

到着後すぐに現地でのバスの乗り方、タクシーアプリに関してのレクチャーがあり、その後は、全員で近くのマルタ料理のお店へ。

でも14日のマルタ到着日は大暴風雨で、傘も壊れ、「この先ずっとこんな感じだったらどうしよう?」(全員がそう思ったことを後々知る。)と先行き不安。

でも、ニンニクの効いたオマール海老のスープも、肉の肉巻きという珍しいブラジオリもみなとても美味しくマルタのワインも野性味のあるハウスワインで、とても美味しかったです。





明日のヴァレッタ観光に備えて、ホテルに戻って荷ほどきし、爆睡。
ベッドリネンがとてもきめ細かいすべらかなコットンで、気持ちよく眠りにつくことができました。


(告知)Flute meets Minipiano 4月24日(木)19時 鶴見区民文化センターサルビアH.3階音楽ホール

2025-01-10 12:27:58 | 音楽・フルート
(告知)

Flute meets Minipiano

初代ルイ・ロット/白川真理 と 64鍵盤ミニピアノ/砂原 悟
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初めてミニピアノの音を聴いた瞬間、何故かとても懐かしく感じました。
もしかしたらこの世に生まれる前に聴いていた響きだったのかもしれません。
初代ルイ・ロットとのデュオは幸せなマリアージュになることと思います。(白川)
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2025年4月24日(木)19時開演
鶴見区民文化センターサルビアホール3階音楽ホール
全席自由3000円 未就学児不可

曲目
・踊る人形/ポルディーニ
・精霊の踊り/グルック
・シチリアー/ペルゴレージ
・ヴァイオリンソナタK304ホ短調/モーツァルト
・ミニピアノソロ(曲目未定)
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・アルルの女よりメヌエット/ビゼー
・瞑想曲(オペラ『タイス』より)/マスネ
・白鳥/サンサーンス
・コンクール用小品/フォーレ
・夢/ドビュッシー
・シランクス/ドビュッシー (Fl.Solo)
・ビリティス/ドビュッシー

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昨年、合わせ練習を重ねる中、共に企画を練ってきた、初めての試みです。
ミニピアノのハープやリュートを思わせる繊細な響きが似合う作品を選びました。

春の宵にぴったりのプログラムです。
どうぞお越しくださいませ! 白川真理





1月の設え

2025-01-04 22:32:03 | テーブルコーディネート
古伊万里クローズアップのお正月だったので、ずっとしまい込んでいた古伊万里の覗き猪口のことも思い出し、これをセンターピースに。



骨董市にはまったばかりの30代?確かどれも当時千円くらいで買えたものばかりですが、こうして改めてみると、ザツではあるけれど手書きの色絵が味わい深い。

少し上等な手の染付の古伊万里の豆皿の上に載せました。

母から受け継いだ黄交趾 の急須はとても古いもの、ということしかわからないのですが、水漏れしてしまうので、昔直しに出したところ、何らかの理由で、難しいということで戻ってきてしまい、それからはずっとオブジェとしてしか使えていませんでした。

でも、今回初めて楊枝入れにすることを思いつきました。

袱紗も敷いて、一見お茶のセットみたいになりました。





コンサートでいただいた沢山のお花は日頃お世話になっているご近所の皆様にもお裾分けし、後は外の軒下に。

暖房の効いた室内よりも長持ちするし、ピピもイタズラできないので。
何より、どの植物が猫にとって危険か危険でないか、という情報もまちまちで、心配だし、猫によっての得手不得手もある、ということもあり、それなら、もう部屋に花を飾るのはあきらめよう、ということで、この技を編み出しました。部屋の中からも、道行く人も楽しめる。

重量のある鉢カバーや、壺?、そして風で落ちても割れないステンレス製のワインクーラーなどを花瓶にしました。
全く手入れもしていない冬枯れの庭がサッと明るくなり、ここだけ春に。



寒さは増しましたが、陽射しには既に春の気配も。
花粉症ではありますが、やはり春が待ち遠しいこの頃です。