『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

緊急特別企画 音楽家講座 in 鶴見 12月21日(火)

2021-12-22 11:00:32 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
良いお天気の中、急に決まった開催にも関わらず、熱心な皆様が集ってくださいました。

いつもの音楽ホールではなく、リハーサル室での開催。

先生にきちんとした控室をご用意できないのが申し訳なかったのですが、男性用更衣室に椅子を置いてしのいでいただきました。

毎月お会いしていても、その変貌ぶりに毎回驚かされていましたが、今回は3カ月ぶりの音楽家講座。

新たな境地、技のお話を沢山うかがうことができました。

語彙力不足で申し訳ありませんが、とにかくすごい!としか言いようがない・・


・身体を上げながら足裏を自由にする。これにより自分が抜ける。
・板は面だと弱いが、側面だと強い。この強い面が当たるように変化。
・ブラインドが立つ感じ。身体を二枚おろしで、左右にずらせる。
・どれだけ、本当に自分の身体を信じることができるか・
・この信頼がないからこそ、必然性のない筋トレやストレッチに励んでしまって、むしろ不自由な身体になってしまう。
・筋トレ、ストレッチはかえって身体のバランスを崩す。
・身体全体の関連性で動かなければならない。
・本当に自分の身体が信じられないからこその弊害というのは多々ある。
・そもそも日常生活での身体の動きが足りない。物を持つ、縛る等。
・操縦する感覚で身体が取り扱えるようになるとよい。
・肩が浮くと気持ちも不安になる。
・掌のつぼ・鎮心は横隔膜を下げ、結果肩を下げる。
・怖いと思うのは生理現象だから、その身体の状況を変えて対応。

新たな手の内の紹介もありました。

火焔のニューバージョン。




少し離れたところから椅子に上がる、ということをやろうとされていたので、常連の皆様も、私も「ああ、虎拉ぎね、」と見ていたら、そうではなくで新火焔。

親指で小指をなぞりながら立てていく。
印象としては、虎拉ぎにさらにねじれが加わったように感じた。

これは、なんというか、虎が1頭から2頭になったような、さらに強力なもの。
椅子までの距離も、そういえば、いつもよりずっとありました。

とても脇に効いて、結果、ズルっと肩が下がる。

どんなパフォーマンスにも有効の凄い手の内。

肩は胸鎖関節に乗っているだけなので、面白いように変化する。

ここまでの前半だけでもお腹いっぱい、胸いっぱいでしたが、休憩後の後半も良いひと時となりました。


車椅子で大阪から参加されたギターの方は、左手が力み、演奏すると足が痛くなるとのこと。先生は真剣による祓いをとても細かく、手や指の筋を切っていくよう感じにやられていたのですが、その後の演奏は、最初の音からボンと響きが増して、左手がより動くようになっただけでなく、右手も喜んでいるのがわかる程。
「自分の手じゃないみたい」と喜んでおいででした。
子供の頃、薬害により筋委縮症となってしまい、数年前から車椅子の生活、とのことでしたが、柔和な笑顔が心に残る方でした。

ピアノの方は右手のコントロールが悪く、細かいパッセージがうまくいかない。
特に弱い音で速く弾くところが難しい、とのこと。
今回は指ひもで。


結果、別の楽器、別人になったか・という程の変化。ピアノの音色の粒立ちが格段によくなり、音楽が流れ、伝わり始めた。
「何故でしょう?」
「鍵盤に対する適切な圧力に変化するのでしょうね・・」

面白かったのは、その後のお話も。
紐を巻いたあとに、アイシャドウか何かで、同じように手に線えお描いて紐の時の感覚をなぞりながらやっても効果が持続するということ。

その線を徐々に薄くしていきながら稽古していくと、最後には消しても紐を巻いた時と同様の効果が、というもの。

「マジックではどうですか?」
「いやマジックよりアイシャドウの方がいいでしょうね。」
「何故ですか?」
「値段が高いじゃないですか。」
「え?そんなことが関係するのですか?」
「そりゃそうですよ。」

・・そうなのか?
アイシャドウというか、アイラインがよいかもしれません。
最近は使ったことないけれど、買ってきて試してみたいと思います。


楽器は持参されなかったのですが、ヴァイオリンの方からは

「肩甲骨と骨盤が動かない。」とのこと。

肩甲骨は鎖骨とセットなので、そこから動かすようにしていくとよい、とご助言。

さらに上腕骨内側上顆をリーダーにして動くとよいと。

ここは、あの「浮き構え」の時のリーダーでもある。

ここでまたストレッチの弊害についてのお話。

のばすと元に戻ろうとするので、特に入念に意味なく伸ばすのはよくない。

心理的に必然性を感じることなしに、むやみにやらない。
どういう必然性があるか、目的があるのかを定めての動きが大事。

そのためには、杖などでの稽古が良い。

腕のコイル化というのが面白かった。
固定電話の受話器の線がクルクルと邪魔にならないようにコイル状になっているが、それと同じように、杖を操る時に、腕がコイルのようになる、との比喩。
まさにそんな感じ!
先生の杖の動きはさらに切れを増して、舞いの様に美しかった。


先生にずっと関心があり『身体から革命を起こす』を読んで、実際に会ってみたいと思い飛び入り参加された方からは、何か日常で誰でも出来るような稽古法は?という質問。

先生は壁の前に立ち、背中や首が曲がらないように、そのまま前に倒れるというのを提案。
こうすることで、肩が下がる。

意外に難しく、ともすると頭が前に傾いてしまいがちなので、お手本の写真を撮らせていただきました。ご参照ください。



さらには裸足で外を歩く、というもの。
人を選ぶ稽古法ではあるけれど画期的に身体、そして心が変わるそう。

私などは、不向きだと思う。
だって、足裏や踵がガサガサになりそうじゃないですか!

ところが、これをずっと実践されて、先生との共著も上梓されたH氏の足裏は、今や犬猫肉球の様になっているとのことでびっくり。

固い地面に接地するたび、浮きをかけるようになってきて、ある意味「浮いた身体」になられたのだろうと思う。

まずは、庭や公園、砂浜などで試みるのが良いだろう。

Hさんを始めとし、稽古人の中には街中で実践されている方もいるそうだが、職務質問される率はかなり高いとのこと。

「まあ、街中で裸足で歩いたり走ったりしている人は犯罪を犯した人か、もしくは犯罪の被害にあった人かのどちらかでしょうから、そりゃあ、ほっておいてはくれませんね。」

これは鬱などのメンタル改善にも効果があるそう。

さらには、鬱に効くのは猪の肉だそう。

どんなにぐつぐつに熱く煮ても、猪の肉は火傷しないのだそう。
脂が多いせい?と思っていたら、そうではないとのこと。
でも最近は猪とはいっても豚と掛け合わせたようなものもあり、それだと火傷してしまうので、ご注意を。


最後にジャズピアノの方がひもトレビフォーアフターを体感したいとのことで、鎖紐により四方襷で。




アフターは様々な雑味がとれてスっとした澄んだ高級なお酒の後味の印象で、その変貌ぶりにびっくり。

身体が上手く連動するようになる。
この紐でくすぐったがりまで治るのだそう。
心理と身体は曰く言い難い関係で、その接点に入ると意識が飛び、裏の自分、もう一人の私が全てを行ってくれるようになる。

火事場で一瞬で炎に包まれるような発動。
意識的に意識しない状態を生む。
自分ではない誰かが、天使が降りたって、招き寄せているような。

そこには初めてみる世界、新たな凄い世界がある。
・・・
次回は来年2月15日(火)。
再び音楽ホールでの開催です。どうぞお越しくださいませ!

写真は火焔新バージョン、指紐、壁と対峙。





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