『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

第99回 音楽家講座 in 鶴見 10月20日(火)

2020-10-21 02:27:33 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
音楽家講座のある日は雨になることが多いのですが、今回は珍しく良いお天気となりました。

先生の「左と右で別人になる」の技はさらに進化されていて、毎回驚かされています。

今回はなかなかの盛況。

個別指導希望者も多く、全員が受講できるかどうか心配したのですが、大丈夫で一安心。

ベース、口笛、チェロ、ジャズピアノ、日常での姿勢に関しての質問、パソコンワークに伴う肩こりの解消法、龍笛、ギター。

どなたも、ご助言いただいた後、瞬時に響きが変化する。

こうしたシーンはもう何百回も見てきているのに、毎回、感動するし、ワクワクする。

先生のご助言や「ひも」が凄いのは大前提として、それを受けて瞬時に変化する個々の心身が美しいと思う。

最近、音楽というより人の存在自体が美しいと感じることが多くなってきたのは、おそらくコロナの影響だろうし、年を取ったということなのかもしれないけれど。

電車の遅れで、先生の到着が10分程遅れたので、繋ぎとして、私の前回からの進展をご紹介した。参加者の皆様にも、その響きの変化ははっきりと分かったようで、これまた嬉しい。

でも、この新たな進展をもたらしてくれた釣り合いの為のセッティングもまた、新たな「小成」に過ぎないと肝に銘じておこう。

だって、2004年の大発見の「小成」から現在に至るまで16年もかかってしまったのだから。

先生には、事前にご報告していたけれど、今回の講座の中でも「小成は大成を阻む」と仰っていたではないか・・

定番の紐に加えて、今回面白かったのは奏者の脚を先生がゆすって動かすというもの。

本来「みちのく山道」というごつごつしたボードの上で稽古すると良いとのことだけれど、それがない場合は・・と。

演奏が、より楽しそうで上機嫌な表情になったのだった。

さらに鎖編みの紐の四方襷で、より響くように。

また、前回も仰っていた「自分の音に教えてもらう」という方法。

録音し、それに合わせて、自分の身体が動くところを探す。

数年前、先生がバリを訪れた時、その後しばらく毎晩、舞っていらした時期があったが、それは自分の中から自発的な動きを導き出す、というもの。

「緊張するというのもひとつの才能」

という言葉にもハッとさせられた。

腰かけた相手を起こす腰から繋がる腕の作り方の応用で、過去にヴァイオリニストには弓を持つ時にやっていただいていたのを、今回はチェロでも。

これまた驚く程の変化。

さらには、龍笛での高音のための「虎拉ぎ」。

ギターのピックの持ち方のご助言は数年前の合宿以来で懐かしい。

私の新たなセッティングに伴う演奏方法は、まだ日にちが経っていないせいか、結構身体に負荷がかかっている気もする。

気もする、というのは、演奏している最中は、全く違和感もなく(鈍いからだろうけど・)むしろ、より長時間吹けるようになっているので、練習しすぎてしまっているのかもしれないが、夜眠る時など急に肋間神経痛的な痛みを感じる日が増えた。

今回は、そのあたりを先生に質問したかったのだけれど、色々と面白すぎて、すっかり失念していた。

でも、沢山のヒントをいただいたので、早速色々と試すのが楽しみである。


このような状況下、こんな暮らしがいつまで続くのか、先の見えない中、心身を蝕まれてしまう危険も沢山だ。

還暦を越えた私でも、わ~っと叫びだしたくなるような、その一歩手前の感覚が襲ってくることもあるくらいだ。

とはいえ、まだ私の世代は、過去の沢山の経験という蓄積と想い出がある。

でも、若い世代や子供たちにとって「集う」ということすら困難になっていることが気の毒すぎる。

特に音楽やダンス、演劇等、舞台芸術に関係する者にとっては受難の時代となってしまった感すらある。

そんな中、この音楽家講座で、甲野先生と触れることが何かしらの一助となれば嬉しい。そして参加された皆様から、さらにその周辺へと、こうしたエネルギーが伝わり広がっていければ、と思う。

「従来のメソードを鵜呑みにせず、自分の奏法を探す」

ということは、音楽に限らず、実は実人生を生きるのに最適なやり方ではないか、と遅ればせながら本日気が付いた。
 
とにかく生き延びましょう!

ということで、次回は同じ鶴見の会場にて、11月26日(木)の開催です。

そういえば、本日最後にお伝えするのを忘れてしまったけれど、次回は遂に100回目。

合宿や、オープンにしていなかった頃の講座までカウントすると、実際には、もうとっくに100回は越えているのだけれど、数字に弱く、正確な回数はアバウトで、申し訳ないです。

でもまあ、一応、ほぼ100回記念ってことで!

・・

写真は・・いつもガラケイのピンボケですみません・・

・「もう持ちたくない」の先生の杖の手の表情。


・背中!!


・ギタリストに巻いた紐


・ピアニストに巻いた紐








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