『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

肘・当て位置・埋める

2020-07-16 13:08:05 | 気付き
梅雨の日々の中の貴重な晴れ間の様に、ダウンした気分の日々の中にも、サーっと光が刺す様な歓びがあります。

練習の中での気付き。
そして、レッスンでそれを応用した場合の生徒さんの音の変化。

やはり、フルートっていいなあ、と今更だけど思えるのは、こんな状況下だからこそか。

忘れっぽいので記録を兼ねてアップしていますが、自分自身の為の覚書なので、わかりにくいところは御容赦を。

左肘を胴体につけたまま構えるというのは体力筋力のないお子さんや年配の初心者がやりがちな構え方ですが、ある意味理にかなっている。

腕にかかるフルートの重さを胴体で引き受ける、というのは合理的な選択だ。

もちろん、その結果、首が下を向き過ぎて負荷がかかるのでよろしくはないのですが。

先人の「卵一つ分開ける」という教えは正しいと思う。

卵とはいっても色々で、常識的な鶏の卵で良いと思うけれど。
・・しばしば駝鳥?というのも見受けることがあるので・・

そこでの助言は「身体から肘を少し離して」というものだけれど、その離すやり方が、ポイントということに気付いたのでした。

自覚はなくやっていたことが明確に。

胴体にくっつけたままの肘をただ上げるのは、その結果、当然ではあるけれど、肩が上がる。

フルートを持たずにやってみてもわかると思うが、どんなに僅かであっても、ちゃんとわずかに上がってしまう。

腕というのは器用な分、出しゃばりだ。
なんでも自分で出来ると思っている。

でも、たまにはさぼらせてやる。

代わりに働いてもらうのは胴体。

私の「羊座り」や「セミの羽化」は、この肘の取り扱いにも役立っている、ということである。
腰、背中と腕を繋げる作業の時に胴体が後ろに引かれることにより、肘から離れる。

もちろん、そのままではまだ下を向いたままの首でよろしくないのだけれど、それを解消するために、膝、腰でその角度を引き受けるように移動。
「屏風座り」に似た、軽くスクワットをやり続けている体勢となるけれど、下半身を隠してしまえば、10㎝ほど身長は低くなるものの、すっとした上半身が得られる。

結果、足腰の参加を得ることも出来て、良いことづくめ。

大きな仕事は大きな筋肉に。

云わばフルートを二頭上腕筋ではなく体幹で持ち上げていることになる。

先に述べたように、腕は器用ででしゃばりなので、何処にでもフルートを連れていけてしまう。

その先は「ものを食べる」ことに慣れている口元。

つまり大概の間違いの始まりは、「腕のでしゃばり」に起因しているのである。

口元に近ければ近い程、その柔軟性は損なわれることになる。

しかしながら、この構え方であれば腕の肘から先のサイズに導かれた無理のないその人本来の位置に導かれる。

「ここに来い」ではなく「楽器と人の共同作業」なのだから楽器だってご機嫌は良くなるはずである・・?

そして、さらにその結果「埋める」となるのだけれど、その「埋める」に関する気付きが昨晩のレッスンでありました。

埋める場所の変化。

あと、ハミングも。
通常のハミングとオペラ歌手のハミングの違い。

より少ない息で音を出せるようになった結果なのか、埋める場所が変化したからこそのハミングなのかは不明ですが、まあ、とにかく本当に不思議で、面白いです。

目に見える部分の説明は「物理」で間に合うけれど、身体の内側のことは不明。

だからこそ、面白い。

昔、火起こしの世界記録ホルダー関根秀樹先生から教えていただいた南の島の民族の鼻笛のことを思い出す。

その民族では男性が女性にプロポーズする時に鼻笛を奏でるのだそう。
何故鼻?

「口は嘘を付くから」

・・フルートは鼻で吹く楽器といっても良いのかも・・

さらに思い出したのは同じく関根先生から教えていただいたトルコの笛、ネイ。

これは斜めに吹く笛で、マホメットがネイに秘密の教えをささやいた、と言われている民族楽器。

・・フルートは斜めに吹く笛といっても良いのかも・・

いずれにしても、水平垂直思考からの脱却というのが大事だし、難しいということで。






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