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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
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フルート奏者・白川真理

手首

2021-09-13 22:02:24 | 気付き
前回の音楽家講座で、甲野先生の抜刀、納刀を見せていただいたことが影響していると思うのですが、9月になってから手首に関しての新たな気付きがありました。

そもそも、今の奏法に変化した原因は、抜刀術にある。

本当に、さわりをかすった程度にしか稽古していないのですが、それでも、先生が用意してくださった模擬刀で、抜刀した直後に、あまりの息の通りの良さに驚いたことが全ての始まりだった。

抜いた刀をフルートに変え、そのまま吹くと・・

つまりは、従来よくある様に、左足を前に出す構え方は私の様な150㎝程度の身長だと、かなりの体幹のねじれを生じさせてしまい、結果、息が浅くなっていた、、ということだ。

(クヴァンツのように2メートル近い身長であれば、これはこれで、有効な構えなのかもしれないけれど・・・どうなのかな?)

この話は2004年、新潮社から出版された『身体から革命を起こす』(甲野善紀・田中聡、共著)に詳しく書かれています。

この抜刀による構えがあまりに衝撃的変化で、メウロコだったので、そのご利益

「体幹をねじらないで構える」

ということばかりに目がいってしまっていたなあ、というのが今回の反省。

抜刀術の効用は、これだけじゃなかった。

思えば、もっとまじめに抜刀の稽古を続けていれば、もっと早くにずっとよりマシな演奏ができるようになっていたかもしれない・・・

でも、フルート程に面白い、と思えないのに、「フルートのために」と抜刀を稽古するのは、刀にも先生にも失礼な気がして、そのままに。

まあ、このようにしか行動出来ないのだからしょうがない。

抜刀術のもたらす身体の変化は、今回気付いた手首だけではないだろう。きっと。

あの手首になることで、身体が繋がる。

それはつまり四足歩行の名残にも通じる。

道具の形状や取り扱い方に身体の動きは付随するので、楽器によってはそのまま使う、という訳ではないにせよ、最初にこの手首の状態にすることで、腕の重さは軽減する。

だって、背中、腰に繋がるから。

フルートの場合、抜刀の手首は、そのまま使える。

灯台下暗し。

こんな簡単なことに気付くのに17年!?

やれやれ、と思うものの、気付けたのだから、良しとしよう。

そして、抜刀の効用は、まだまだこんなものではないはず。

薄っすらと感じるのは、やはり何もしないより、「浮き」が感じられるということ。

そもそも、浮かなければ抜けない?

と、久々に自主稽古中です。

とはいえ、「自分で納得できるのは我理であり、決してそれは真の理ではない」という教えも常に心しておかなくては。

まだまだほんの表層をああだこうだとやっているのだろうな、とは思うものの、それでも、大きな変化があるのは、嬉しいことです。