王様の絵日記

猫好き漫画家の毎日のあれこれ

お芝居を観た。

2007-11-12 04:04:19 | 日記

ウィングス1月号(今月末発売号)プレゼントの直筆年賀状を描きました。

絵柄は首にねずみ玉を巻いた江漢です。
鬼外関係のイラストのプレゼントは、本当にこれが最後になるかな。
記念にどうぞ、ご応募してやって下さい



一昨日の土曜日、「ワールド・トレード・センター」というタイトルのお芝居を観てきました。

場所は伊丹のアイホール、劇団は「燐光群」。
数年前、「C・V・R(チャーリー・ビクター・ロミオ)」というタイトルの、墜落飛行機のコックピットを延々と描いた作品を観て以来、公演と仕事のスケジュールが合えば観に行く劇団であります。
今回のお芝居は岡山にも来るんだけど、仕事の都合でちょっと無理そうなので伊丹までGO。

この劇団は「社会派」と言われるような題材をよく扱ってまして(イラク戦争とか地雷撤去とか引きこもりとか)、またそんな重く固い題材を坂手洋二さん(同郷!)の緻密な脚本と、緊張感のある演出で見せるのが非常に巧いのであります。

今回はまさに「9.11」、ワールドトレードセンターで起きたあの事件に材を取りながら、その事件の当事者や現場ではなく、マンハッタンのミッドタウンにある日本人向け情報紙の編集部に集まる日本人たちを描いた物語でした。

現実感があるような無いような日本人たちの会話の混沌の中から、やがていくつかのテーマがすっきりとあがってくる構成の巧さはさすが。各々の人物の背景まできっちり考えて、作りこんであるからこそ出来る技なんだと思います。

終盤、登場人物たちのうちの数人が、事件から数年後の自分達や編集部の状況について語り始めます。個性豊かな登場人物たちのうち、比較的目立たなかった(実際、そのシーンまで私は一度も彼に注目しなかった)準編集部員の青年の、「僕が今何をしているかは、言いたくありません」という言葉から始まる独白を聞いているうち、突然涙が溢れて止まらなくなりました。

どうしてなんだろうかと、後々考え直してみたんですが、結局彼の存在が一番自分に、もしかしたらごく一般的な日本人たちに最も近かったのではないかと思ったりしました。
常日頃から何か思想があったり、世の中と自分の関わりについて深く考える事もなく、英語をカタカナに置き換えて自己流に解釈しながら生きている、ごく平凡な日本人。それが突然大きな事件を目の当たりにして、何かしなけれはならないような気分になって、中途半端に触れてしまったりする。

おそらく何かを見て、何かをした後、彼が辿りついた「諦め」とも「悟り」とも「自戒」ともとれるような思いは、私が日々何かを考えた時によく辿りつく答えでもあり、「それでも人はただ生きていくんだ」という思いや願いに繋がっていくものでもあるような気がします。

何しろ分りやすいメッセージを分りやすい台詞でばーんと語るようなタイプのお芝居じゃないので(そういう芝居なら多分一回でお腹いっぱいになってるだろうけど)、色々と間違って受け取ってるかもしれません。でも間違ったら間違ったで、それもまたメッセージなのではと、こういう舞台を観るたびに思うのです。

今回も色んな事を考えさせてくれてありがとうございました。
まあ考えるだけで何もしない、典型的な凡人ではあるんですが…。

このお芝居、下北沢のスズナリに始まって、伊丹の後は岡山、北九州、名古屋、金沢、川崎と回るようです。
お近くで興味を持たれた方は是非。


帰りに尼崎に回り、塚口駅前にある「タント」というパスタ屋さんで食事。
ここは碧也かかりつけの鍼の先生おススメのパスタ屋さんなのです。

ダンナ様は「アサリの白ワインスープパスタ」、碧也は「きのこのジェノベーゼ」。ちょっと太目の麺は最初から最後まできっちりアルデンテ。ガーリックの香りがよく効いた、とっても美味しいパスタでした。


「ところでブログ用の写真は撮らんで良かったん?」
「あっっっっ!!」


…また忘れました。どうも食い意地が張ってて。


伊丹のダイヤモンドシティの特設会場の「駄菓子屋さん」でこんなの購入。



真央ちゃんが大好きなブタメン。

てのひらサイズのちっちゃいカップ麵。あんまりちっちゃくてびっくり。
食べ盛りの中学生なら4つくらい平気で食べられそうなおやつサイズ。
これ1個食べて嬉しそうにしてた真央ちゃんにちょっとホロリ
味はちゃんとカップ麺でした。
コメント (2)
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