王様の絵日記

猫好き漫画家の毎日のあれこれ

火曜の夜です

2010-01-26 23:58:15 | お仕事
おばんです。碧也です。
現在6ページ目を彩色中です。


えーっと…。
漫画家20年、色々な修羅場を潜ってきましたが
こいつぁ屈指のキッツイ仕事でありんす…。

1日15時間機械の前に座っても、1枚上がるか上がらないかって何事…。
そんなに手は遅い方じゃないんだけど、あれー…



漫画ってモノクロームの世界だからクリアできてた部分も
結構あるんですねとしみじみ。


例えば、フランス軍事顧問団のブリュネさん。
とってもイケメンな彼のホトガラをいくら見つめても…。


髪と目と、モールとファーがモフモフのお洒落な軍服のカラーリングがさっぱり分りません。


今更フランス軍史まで調べる時間の余裕ねえっすカラ!

年末年始と走り回って集めたり借り集めたりした資料をひっくり返して探したら
1枚だけ着彩された図があったんで、このカラーリング信じますよ。
髪と目は心の眼で見えた色塗りますよチクショーメ。

他にも銃のパーツをちょこまか塗り間違えたり
五稜郭外壁の石垣と土塁の絶妙のコラボレーション(全部石垣にする
お金が無かったって本当ですか…)にぶち切れそうなったりしながら
毎日牛の歩みで色を塗り続けております。


考えてみたら、フルカラー歴史漫画ってなんてイカレた企画なんだ!
イェイ!




それでもですね…。

ちらちらと画面に出てくる京都新撰組のあのだんだら羽織に
初めて鮮やかな浅葱色を塗った時は

ちょっと鳥肌立ちました。
…感動で。

やっぱり新撰組って、間違いなく自分のルーツのひとつなんだなと
しみじみ思いましたよ。


「八犬伝」にしろ、新撰組にしろ、自分のルーツとも言えるものに
仕事で携わらせて頂けるのは、とても幸せな事なんだなあと思います。


だからオイラ頑張るんだ!
ヨレヨレでも!
ヘロヘロでも!



本日のこぼれ話。

箱館時代の土方さんは、幾度か新撰組の方々に「母」という言葉で表現されています。

はて。
男に「母」に例えられる男とは、いったいどのような存在であろうか。

女にはイマイチ分らない感覚ですので、身近な男であるところのわが夫に訊いてみましたらば。



「別に性的な意味じゃないと思うよ」

(そんな事はわかっておる…下手にBL献本慣れしたわが夫よ)


「だから、オカンみたいな人だったんとちゃう?」

「オカンみたいてどういう事?」

「いつも自分らをちゃんと見てくれてる、分ってくれる人やて事やろ」



…なるほど。


そういう意味では京都新撰組の頃から、土方さんの細やかとも言える動きは「母」っぽかったかもしれませんですね。
京都時代が孟母(というより猛母)なら、箱館時代は慈母。
立場や状況の違いがその変化を生んだのかなあと、考えていたら色々切なくなりましたが。



余談ですが、昔仕事場で確か「ツキアイゲノム」だったか何だったか、「エゴグラム」ベースの性格診断が流行った事がありまして。
細かい事は忘れちゃったのですが、診断結果でいくつかのタイプのキャラに分かれるのですが、それによるとアシさんたちは全員揃って「ジェネラル(将軍様!)」、オイラは「キャプテン」というキャラになりました。

女たちが揃って将軍だの主将だのという野郎様な結果を出していた時、たった一人の男であるところのわが夫のキャラは。


「オカン」。


…割烹着にオバちゃんパーマのオカンキャラ。



確かに、仕事に半分以上頭を持って行かれたままご飯を頬張る妻に向かって

「ご飯食べてる時はご飯に集中しなさいよ」

とか

「よく噛んで飲み込みなさいよ」

とか

声をかけて注意を促す(オイラ過去に2度喉を切って吐血した事がありますからね)わが夫は、われら仕事場の女の誰よりも細やかな気配りと気遣いができる人なわけでして。

そんな夫が言うのだから、土方さんも結構なオカンだったのかもしれないと、箱館エピソードのあれやこれやと照らし合わせて考えながら思ったりしたものでした。

以上、本日のこぼれ話でした。




拍手、拍手コメント、いつもありがとうございます。
更新していなくても毎日パチパチ頂ける拍手は、皆様のエールだと思い、とっても励まして頂いております。
また一週間頑張ります。

年賀状のお返事、まだしばらくかかりそうです。
どうか待ってやって下さいませ。


文庫版「ささら さや」(全1巻)発売になっております。
まだお読みでない方、この機会にどうぞです。




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定期更新

2010-01-19 23:46:53 | お仕事
おばんでございます。
週に一度、火曜日の夜のブログ更新でございます。

えーと、本日仕事終了直前から、ようやく着彩作業に入りました。
当初の予定から10日遅れ(!)でございます。

普段、モノクロで24ページ描くならば、ネームから脱稿まで、10日もあれば充分いけます。

ところがこの漫画。
なんと下描きからペンまで、20日近くかかってしまっているという。

なんという牛歩。
まあカラー用の作画はモノクロ用と違って描き飛ばせないのでもともと時間かかるのですが、それにしてもかかりすぎだ…


理由はまあ色々考えられまして

1・描いた事無い時代と場所なので、いちいち資料をひっくり返してロスタイム

2・小道具(銃・刀等はじめ軍装関係)が多く、しかも連合軍なせいで
  人によってコスチュームや小道具がばらんばらんで大混乱

3・やたらモブが多い

4・おまけに戦争中だったりするからさあ

5・史実美形の土方さんと格闘して超ロスタイム

…と、まあこんな感じで下描きにも時間がかかりつつ、更にアシさんズがそれぞれの自宅macでペン入れをして、ネットでデータをやり取りするという、初のデジタル作業だったりしたので、普段のペン作業より若干手間取った感じはあるのですが。

しかし、アシさんズは背景コミスタ初作画にも関らず、アナログと比べても全く遜色ない見事なペン画を上げてきてくれましたよ。

やれるもんですねえ。さすが絵描きだ、みんなすごい。


でもまあ何とかペンまでは片付きましたので、これからはひたすら塗り塗りです。
…今度は牛歩ペインター君と戦いつつ…。


それにしてもこの漫画、色味がねえったら…。
何しろ野郎ばかり三千余人で海を渡った箱館ギムナジウム(命名・猪川朱美嬢)が舞台でございますからね。


「先生、ここ障子が破れてないの変じゃないすか」

「そうなんだけどさあ…ここに破れ障子ってさあ…」

「ですよねー…せっかくかっこつけてんのに…」


とまあ、何ともアレな感じのギムナジウムなんですが、そんな五稜郭のロスマリネ(をい)土方歳三を、なんとかかんとかかっこよく仕上げるべく頑張っておりますので、どうぞ温かく見守ってやって下さいませ。



ずっと光画面を見ているせいか目も頭も霞み気味で、数日前からやたらと石垣の海ばかり思い出しております。

天国の色、べレインブラーウ。
あかん。彼岸にちょっと近づいてるかも。
…うふ。

そんな中、年賀状お手紙の第二便も送っていただきました。
ありがとうございます。パワーを頂いてます。
「天下一!!」も「デアマンテ」も土方さんも、できるだけ良いものに出来るように頑張らなきゃなーと思います。


コメントや拍手コメントも、いつもありがとうございます。
トイレの心配なんかまでして頂いて、すみません。
できるだけ我慢せず行くようにしました。


では今夜だけは寝ます。
また来週まで、ひたすらに頑張りますね。

※追記!
「ささらさや」文庫、1月22日頃発売っぽいです!
描き下ろしはカバーと、中学生になったユウ坊のイラスト。
原作の加納さんの書き下ろしコメントも頂いている模様ですので
本編まだお読みでない方、一冊にまとめて新たに収納用にという方
是非是非。
お近くの書店でみつからない方はネット書店にてお求め下さい!


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初更新

2010-01-12 23:46:34 | お仕事
あ、あけましておめでとうございま…

……という日付でもないんですが、本年初更新です。


今年の仕事場のしめ飾り。
寅年なんでトラちゃんつきにしてみました。
もうじきとんど焼きなんで、氏子やってる神社の境内でお空に帰っていきます。



もいっちょ、いつも元日夜にお参りしている巨大神社の参道で見つけたトラトラトラ。
可愛いんで買ってしまいました。
この他、カレンダーもトラ、トイレの日めくりにもトラ。

虎ちゃんだらけで楽しいんであります。

本日、編集部から皆様の年賀状が転送されてきました。
ありがとうございました~
トラや虎ちゃんのイラストや皆様のお写真、いっぱいでとっても楽しかったです!
季節はずれに虎ちゃんとお小姓ズ年賀状が届くと思いますので、気長にお待ちくださいませ。



年明け早々雲隠れ状態になってましたが、予定通り2日から働いてます。
マンガ日本史土方歳三、現在コミスタにてペン入れ中。

ぶっちゃけこれ、想像以上にもんんん~んのすごく大変な仕事です。
下描きからして、普段の3倍かかってるってどうなの…
毎日、寝る時間は勿論、トイレの回数すら削ってひたすら絵を描いてますが、順調に……遅れ続けてます。

週に一度、火曜の夜だけ、鍼に行った後の夜は休む事にしました。
…が、後は夕食作る時間とコーヒータイムを除いて、ずっと働いてます。

救いと言えば、知らないうちに〆切りが1ヵ月延びてた事。
3月アタマが〆切りなんで、1月末までこの調子で絵を描いて、2月に一度「天下一!!」の仕事をして、それからまた塗り続ける生活に戻ると思います。


なんかすごい疲労困憊してるみたいで、今朝方

「ヴヴヴ~~ヴヴヴ~~」

という物凄い唸り声を上げ続けてたらしく、ダンナ様が慌ててオイラの布団(頭から被ってたらしい)を捲ると、白目剥いてたとか。


「エクソシストみたいだった…」

とな。


…いや。

2月末、無事生きて脱稿を迎えたいものです…。


あ、年賀状でも「春の新刊祭りを楽しみにしてる」と言っていただいたりしたんですが、すみません、間違ってました…。
5月~6月にかけての発売になりそうなので、正確には「初夏の新刊祭り」となります。
ヘロヘロしながらですが頑張りますんで、どうぞよろしくお願いします。


しばらくこんな感じで、更新は毎火曜日の夜ごとになるかもしれませんが、色々土方さん関係のネタ等を出していきますので覗きにきて下さい。



はっ、もうこんな時間。
火曜日だけはマトモな睡眠で体力回復を図る予定なので、もう寝ます。
コメントのレスはもうちょっとお待ち下さい。
どこがで時間見つけてレスします。


ではおやすみなさい。
寝ておきたら、また一週間働きます。

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