王様の絵日記

猫好き漫画家の毎日のあれこれ

こんなかんじになりました。

2014-07-29 15:32:36 | お仕事
ツイッターの方でやろっかな告知しました、ネーム絵と完成原稿の比較にございます。
見た人によく爆笑されるんですが、すこぶるぶるぶる真面目に描いてるんでありますよ。

まず、ツイッターでたくさんRTして頂いてた、なんだか愉快な馬さん
(ゲゲ亭に「これ馬人間やん!!」と言われましたが違います。馬です。)
がいるページを、まるっとお見せしましょ。

ネームはこちら


完成原稿はこちら


ちなみに、人間と馬の絵は、全て私が描いております。
(背景や馬具、仕上げはアシさん)


もいっちょまるっと。

ネーム


完成原稿



コマの流れや構図がほぼ一緒なの、分かって頂けますでしょうか。
ネームを組む、私の脳内画像はほぼ完成原稿状態で見えております。

つまり脳内画像をおもいっくそシンプル再現するとネーム絵になり、完全再現すると完成原稿になると言う。
んだから、いつもちゃんとネーム絵を横に置いて、それを見ながら原稿を描いてます。




ネーム絵の人間は、イケメンズほど愉快な気がします。





「弁慶の髪は何で逆立ってんの?」
とゲゲ亭にきかれましたが、これは勢い余って靡いてる図でありますぬ。



特に愉快な気がする、佐藤兄こと継信さんをピックアップ。






ネームで、髪が靡いてますね。







ネームはなぜか点目です。
現在の状況の関係で、ずっと一環してシリアスな表情の継信兄。
シリアスなだけになんか愉快です。
右コマの盥は角盥というやつでして、よく見たらネームでもちゃんとツノが生えてます。
…一本だけど。






シブメンオヤジ、御館もなかなかいけてる気がしますよ。

ちなみにネームを描く速度はだいたい1時間に12~15枚、つまり1ページあたり5分弱で描いてる計算になります。
セリフを書き写す時間込みなんで、絵は1コマにつき、せいぜい数秒~数十秒で描いてるかんじですかね…。

考える時間なぞほとんどありません。
脳内で見えたまんまを、ずばずばと写してる感じですぬ。

比べて完成原稿にかかる時間ときたら…。
完成絵もコピーみたくつるっと写し出せたら、どんなにか楽でありましょうねん(遠い目)。


こんな感じの「義経鬼」第6話46ページ掲載のプリンセスGOLDは、8月16日発売でっす。
今回は、かなりアレコレ見せ場が多いですよ。
コミックス1巻とともに、どぞどぞよろしく!!

義経鬼~陰陽師法眼の娘~ 1 (プリンセスコミックス)
クリエーター情報なし
秋田書店
アマゾンはこちら。

コミックス1巻の続き、第5話が読めるGOLD7月号も、まだアマゾンならゲットできます。
表紙と巻頭カラーを頂いてますが、これらのカラーはコミックス収録ありません。
お手元に置いておいてやろうと思う方は、手に入るうちに是非是非。

プリンセス GOLD (ゴールド) 2014年 07月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
秋田書店



さあて、編集部のお盆休みまでに「蛍」と「天下一!!番外編」のお仕事、頑張ります。
励ましのお言葉、ご意見、ご感想、ツイッターにでも拍手にでも投下してやって下されば、作者大喜びではりきります。


ポチッと応援してやって下さい!

お礼イラストに、信長さまやお小姓ズが出てきます。

「天下一!!」6巻、完結巻でっす。
天下一!! (6) (ウィングス・コミックス)
クリエーター情報なし
新書館



既刊コミックスもどうぞよろしく!!
星紋の蛍(1) (幻想コレクション)
クリエーター情報なし
祥伝社



天下一!! (5) (ウィングス・コミックス)
クリエーター情報なし
新書館
天下一!! (4) (ウィングス・コミックス)
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天下一!! (3) (ウィングス・コミックス)
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新書館
天下一!! (2) (WINGS COMICS)
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新書館
天下一!! (1) (WINGS COMICS)
碧也 ぴんく
新書館
花族ワルツ (2) (バーズコミックス ガールズコレクション)
クリエーター情報なし
幻冬舎
花族ワルツ (1) (バーズコミックス ガールズコレクション)
クリエーター情報なし
幻冬舎

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「義経鬼」のこと、「石谷家文書」のこと。

2014-07-03 18:58:09 | お仕事

「義経鬼」と、その続きが読める「プリンセスGOLD」、ともに発売中であります。
7月16日になると、新刊コミックスと新しいGOLDが発売になって、どちらも手に入りにくくなると思いますんで、買ってやるぜというありがたい方は、お早めにどうぞ!

継信兄と皆鶴のこの表紙の図書カードプレゼントもございます(多分15日頃〆切で)。
携帯からもご応募できるようなんで、買って下さった方は是非是非ご応募を。

図書カードは人数が多いので、めっきり当たりやすいようです!
穴が開いてもよろしければ、高確率で雑誌金額分近くリターンできますよ!



コミックスとゴールドの内容については、前回のブログをご覧ください。
ペーパー付きのアニメイト通販→特設ページはこちら。

まだまだ1巻は序章ですが、何故この(義経2人羽織というか…ら○ま2分の1というか)設定にしたのかという種明かしは、物語の後半にならないと見えてきません。

キャラたちのドラマも、これから出てくる予定の登場人物たちも、とにかく描きたい事描きたい人ばかり。
描きたいシーンのあれこれも、今からもう目に浮かんでいたりもします。

この物語ならではの「義経伝説」を、全て構築してお見せできるよう、そこまで無事に描けるよう、どうかどうか応援して頂ければと思います。
こんな厳しい状況の世の中ですんで、1人でも多くの方に読んで頂くしか、物語を描き続け完結させる術もなく。

毎回、展開から細かなセリフまで一緒に練って下さる担当さんともども、エンタメな物語を作って参りたいと思いますんで、どうぞどうぞ、よろしくお願いします。


そんな担当さんの手作りポスターとか。


そして、ご意見ご感想なども、拍手でもツイッターでもOKですんで、どうぞ、ポテッと。

義経鬼~陰陽師法眼の娘~ 1 (プリンセスコミックス)
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アマゾンはこちら。

プリンセス GOLD (ゴールド) 2014年 07月号 [雑誌]
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先日林原で新たに発見された、本能寺の変10日前の書状を含む一級史料「石谷家文書」には大変わくどきしましたです。

読者さまから「そんな凄い発見なんですか?」「長宗我部元親が関係あったんですか?」というご質問があったんで、ざっぱながら私見をちっとだけ。
歴史に詳しい方はお分かりの事ばかりかもしれませんのと、認識不足勘違いも思っくそあるかもしれませんが、どうぞご容赦下さい。

「長っ!」「面倒臭ぇ!」と思われた方は、以下の青字部分はまるっとスルーでよろしくお願いします。
(ほぼ自分理解用なんで、漫画ではこういう面倒なのは大半エピに変換してお見せしますんで!)


上様がそれまでお任せにしていた長宗我部の四国支配を、天正9年あたりに急にセーブしようとして、それに対して元親が「えーやだ」と言ってるらしいというところまでは、過去の研究ですでに分かっていた事でして。
日向守がその板挟みになった挙句、本能寺の変ったんでは…云々という説は(本当はもう少し複雑に人物等が絡むんですが)「四国説」といいまして、以前からあったんです。

そして、今回新たに出てきた5月21日付の文書は、元親の「分かりました、上様の言う通りにします」っていう内容のものらしく。
つまり、元親は恭順の意を示したにも関わらず、上様は四国侵攻をやめなかった、という事が分かってしまったようなのです。


日向守が急に家康の饗応を降ろされて、中国攻めの助っ人を命じられたのは5月の17日ですんで、この書状はそれには直接関係はしてなさげです。(とはいえこうなったらこのあたりの事が関係ゼロだったとは思いにくいですが)

ただ、日向守は家康接待の任を降ろされた後も、何故か居城の丹波亀山城には帰らず、26日まで安土城の対岸にある坂本城に留まっておりまして(「天下一!!」で、虎ちゃんが船漕いで明智襲撃を狙ってたあたり)。
何故坂本にいたのかは謎だったんですが、もしかしたらその書状を受けて、ギリギリまで四国出陣を止めようと粘ってた可能性もあるのかなあ…と勝手に思ったり。


日向守が丹波亀山の居城に戻った2日後の28日、上様は予定通り三男の信孝を四国に向けて出陣させ、自らは翌29日に上京しました。
安土饗応後、堺に向かった家康に同行していた筈の織田家現総領の信忠も、父に合わせるように上京。
父子二代の織田家当主が、ほぼ丸腰で京都に揃ってしまったわけです。


丹波亀山の日向守の元に信孝出陣の報が届いたのは、早くても28日遅くか29日ではないかと思いますし、おそらく直後に上様と信忠が揃って在京してる事を知ったものと思われます。

1582年の5月は小の月なんで、翌日はもう6月1日。
日向守はこの日、中国に向かうはずだった軍の行き先を、本能寺へと変えます。


細かい部分はもっともっと複雑な筈ですし、多分これから専門家の方々が前後のこと含めて詳しく解明して行って下さると思いますが、単純にこのあたりの日付だけ見ても、自分の中ではパシッとピースが嵌ってしまった。

ここ7年ばかりずっと、本能寺の変について調べたり、整理したり、考えたりしてきまして、少なくとも黒幕はいないだろうとは思っていたのですが、今回の発見で四国問題がかかわっていそうな事だけは、すこんと納得できてしまったです。
結局、一番ドラマ性が少なくて一番説明がめんどいせいか、本能寺関係の創作物では比較的スルーされがちだった説が、一番現実的だったって事かなあ…。


そんなこんなとか、前後の色々とか、ふと気づいたら一握りほどの知識の中で考え込んでしまったりしてます。
「是非も無し」って、じゃあ上様はやっぱり理由が分かった上で言ってるよね、とか、何で織田家中の人はこの事に触れてないんだろう、とか。

でも、上様はやっぱり上様だわとか。
計算をきっちりしながら、ここという時には譲らない。

きっちり天下を狙っていた戦国武将で、その一瞬の隙を突いた日向守も、やはり凄い戦国武将だわ。
板挟みになりながらも、野心が無かったとは思わないやとか。

思わず担当さんにメールを送ったら、「でも『天下一!!』の上様像とはブレてないんですよね?」というお言葉が返って来たんですが、今後研究が進んで、もしこれが本能寺の変の結論になっても、自分の中の上様像は全くブレませんです。

合理主義とやんちゃとユニークと、時々魔王テイストが同居する、私にとっては最高にかっこいいカリスマ戦国武将です。


謎である事がロマンでもある歴史事件に、ひとつの結論が見えてきそうで何となく落ち着かない気がするんですが、様々なご意見を持った専門家の方々による研究が新たなステージに入るのかも、と思えば、新たに読める楽しみも増えるってものです。

7月19日には林原美術館で展示が始まるそうなんで、次の仕事が明け次第特攻しますよ。
いやあ、岡山に住んでてよかったと、珍しく郷土愛(?)を噛みしめたのでした。


ポチッと応援してやって下さい!

お礼イラストに、信長さまやお小姓ズが出てきます。

「天下一!!」6巻、完結巻でっす。
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