映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ブラッド・ダイヤモンド」

2007年09月20日 | 映画~は~
しばらくの間、最近1年以内に観た映画の感想をアップしていきます。

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『ディパーティット』を見て以来、ディカプリオを見る目が変わり、楽しみにしていた『ブラッド・ダイヤモンド』観て来ました。『タイタニック』のイメージをなかなか払拭することができず、10年ほど苦しい時代が続いていたレオ様ですが、いい味出てきました。相変わらず童顔だけど、歳相応の落ち着きや皺が渋さに変わって、いい方向に来てます。彼にほれ込んでずっと使い続けてきたマーティン・スコセッシやデニーロは、彼の才能を誰よりも信頼し、見抜いていたのか…。

友人のミクシーの日記に「彼はいつかオスカーを獲る」とあったけど、本当にそう思うわ。いつかとって欲しいと思う、いい俳優になりました。
ジェニファー・コネリーの配役は、映画が始まった時は「他の女優でもいいんじゃない?」なんて思いましたが、話が進むにつれ彼女を起用したことが映画に大きな成功をもたらしていると確信します。『グラディエーター』で素晴らしい存在感を発揮していたジャイモン・フンスーの配役、抜群です。彼のこれからの活躍に期待!!!


内容はといいますと、アフリカで起こる内戦、それを引き起こす先進国の消費社会の構造、政治、ジャーナリズム、NGOやUNの限界…さまざまな世界的問題群がうまく描かれています。うろ覚えだけど、アフリカではこの映画の上映禁止を訴えた国もあったとのこと。「世界にアフリカに対しての誤解を与えかねない」と。映画を見て納得。

なんだか大学時代の卒論シーズンに逆戻りしたかのような気分を味わいました。この世から戦争や暴力はなくならないということ。仮に可能性があったとしても、限りなく0に近い。アフリカの貧困や難民問題は今に始まったわけじゃない。何年も、何十年も前から。その火種は何100年も前にすでに存在していたもので、今すぐに解決できるものなんて1つもない。すべてに原因はあり、そして世界中のすべてがそれに加担している。私たちの知識や意識がないだけ。でもそれらがなければ、私たちの今の生活は、実は何一つ可動しない。

映画は圧倒的で、私はディカプリオの演技がどうこう言う前に、その内容にとにかく言葉を失ってしまった。映画は映画。だけど、実際は映画以上に最悪で救いようのない現実がある。現実はどんなによくできた映画や小説よりも汚くて酷い。
だからこそ、この映画は見る価値がある。


お薦め度:★★★★★


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