映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

『東京タワー』

2007年01月30日 | 
リリーさんの『東京タワー』です。ベストセラーだけど、少々乗り遅れ。いや、別にいいんですけど。

会話文が多くて、しかも福岡弁そのままの表記なのがとってもよかったです。
その時の会話が聞こえてくるような、その光景が鮮明に思い浮かぶような、だからと言ってこと細かい描写がをしているわけではないのだけど、とっても不思議な文体でした。

お母さんのこと、友達のこと。

この人の人柄なんだろうなぁ。大勢の素敵な人たちに囲まれていて。
まだ1回しか読んでいないので、また何度か読むと印象が変わるかも。
あまり「東京タワー」自体は私の印象には残らず。
「ぐるぐる、ぐるぐる」という表現が、何度も出てくるのだけど、これがいいスパイスになっていて、かつわかりやすい表現でもあり私は好き。

なぜか一番印象に残っているのは、リリーさんの原稿を取りに来た若い女の子が、お母さんが作った料理にはしもつけなくて、リリーさんが怒っているシーン。食欲旺盛の友達を呼び、「マスコミ志望のヤリマンが食べなかったから、よかったら食べて」みたいな台詞がすごくよかった。「マスコミ志望のヤリマン」って、今現在のフランキー節だなぁ、と嬉しくなってしまった。

アンダーグラウンド人種のリリーさんの現在の姿と、本に書かれている自伝的小説が同一人物とは思えなかったんだけど、その一言↑でなぜか安心した私でした。

とっても読みやすい一冊です。


お薦め度:★★★★