映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ジャンパー ~Jumper~」

2008年06月26日 | 映画~さ~
2008年 アメリカ映画

「瞬間移動が出来るという特殊能力を持った人」=「ジャンプして別の場所に移動する」=「ジャンパー」

この映画のポスター、見たことありますか?なんかものすっごくSF風味の強い、『トータルリコール』のような映画なのかなと思ってしまうようなデザインだったのですが、実際の映画はもっと入り込みやすくもう少し現代世界に近い感じの作品でした。

ミシガン州の高校生デイヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)は、ある日凍った池(川?)に落ちてしまう。しかし彼はどういうわけだか冷たい水の中から、図書館に瞬間移動して命が助かった。これをきっかけに自分に瞬間移動の特殊能力があると知ったデイヴィッドは、家を出て、悠々自適に、お金は銀行から拝借し、自由な、しかし孤独な生活を送っていた。あの事故から8年。ずっと姿を隠していたデイヴィッドは、当時思いを寄せていたミリーに会いに、地元へ帰る。ミリーと再会したデイヴィッドは、彼女の長年の夢であったイタリア、コロッセオ観光へ連れて行くが、ファーストクラスの飛行機にホテルのスイートルームに宿泊、一般公開されていないような観光地にも連れて行ってくれるデイヴィッドに、疑念を抱く。またジャンパーは自分ひとりだと思っていたデイヴィッドは、同じくジャンパーであるグリフィン(ジェイミー・ベル)と出会う。さらにジャンパーを抹殺しようとする組織の存在を知る。


この瞬間移動、痛みや衝撃を伴うものらしく、易々とやってのけるというのでは無いところが(まぁ、慣れてしまうんだろうけど)面白いなぁ、と思いました。


なんと言ってもこの映画で一番いいのは、ジェイミー・ベル!『リトル・ダンサー』の主演の彼です。この映画大好きすぎて、感想が書けないままです。『リトル・ダンサー』以外で、彼がここまで重要な役どころで登場する映画をこれまで観たことがなかったのだけど、いやー、いい俳優さんになったわー。『父親たちの星条旗』でちょい役で出てるのを観て以来かも。ものすごく孤独だけど、飄々としていてつかみどころが無く、「ジャンパーは自分だけ」と思い込んできたヒヨっ子デイヴィッドを軽くあしらうイギリス人(アイリッシュ?)のグリフィンを見事に演じていました。この映画の軽快なテンポを作り出しているのは、間違いなく彼の演技。彼でなく別の俳優がこの役を演じていたら、全く違った映画になっていたと思う。

サミュエル・L・ジャクソンは、もういつもどおりのあの存在感。何をしても、「俺、サミュエル」なところはさすがとしか言えない。白髪坊主があそこまでにあう人っているだろうか。

実はものすごく驚いたのが、ヘイデン・クリステンセン。あの人、こんなに濃かった?『海辺の家』の恐ろしくなるほどの美少年だった彼が、なんだか大沢樹生(光ゲンジだった人ね)に見えて仕方なかったわ。いや大沢さんも世間的には二枚目なんだろうけど、なんていうの?過剰??毛穴からむせ返りそうな「美男子フェロモン」が出てそうな感じ? ええ、そうなの。私、あんまり濃い顔が苦手なのよね。それに、ヘイデン、角刈りだし。組を敵に回した若い衆が、その強力な力から逃げ惑う、見たいな。いや、違うけど。今思いついただけだけど。

デイヴィッドの凍った川に落ちる、命を狙われる羽目になるという人生の2大ニュースを生み出したマーク(高校の同級生)。あー、なんかさ、気に食わないやつって自分の人生の思い出したくない歴史に、頼んでもいないのに絡んでくるんだよなー。そしてこのマークの馬鹿っぽいところとか、誰にもどうしようもないところがなんと言うか、リアル。

恋人ミリー、きれいだったわ。ミリーの住んでるアパートのインテリアがまた素敵だったなぁ。現在、ヘイデンとミリー(役名)は本当に付き合っているそうです。


結構「がっかり」な感想を周りからは聞いていたのだけど、私はものすごく楽しめました。ただポスターのデザインはやっぱりどうかと思うけど。


おすすめ度:☆☆☆☆

「ハプニング ~ The Happening~」

2008年06月23日 | 映画~は~
2008年 アメリカ映画

「シックスセンス」「サイン」「ヴィレッジ」とちょっと独特のセンスの作品を作る、Mナイト・シャマラン監督の最新作です。今回の「ハプニング」はどんな不思議映画なのでしょう?

舞台はアメリカ・フィラデルフィア。ミツバチが突然姿を消し、いったい何が起こったんだろうね…と思っていた矢先、突然人々が次々死んでいきます!しかも何か病魔に冒されて、ではなく「自殺」していくのです。でも何が原因なのかわからない。とにかく人々は、その謎から逃げようとフィラデルフィアを出ますが、その手は田舎町にも伸びてきて人々を「自殺」に追い込んでいきます。


ね?何がなんだかさっぱりわからないでしょ?
でもね、これ結構面白かったです。「原因不明の何か」によって「次々に人が死んで」いって、「生き残った人たちは逃げ惑う」というのは、映画の鉄則。今年だけでももう何本も同じ鉄則を使用してます。その原因は「吸血鬼」だったり「新種のウィルス」だったり。そしてそういうのに感染した人は、今度は生き残っている人間を襲い始める・・・というのがお約束なのだけど、ここがシャマラン先生です。「自殺」するんです。その方法とか光景とか、なんだか今までに感じたことの無いような胸のざわつきを覚えます。ありふれた映画の鉄則なのだけど、細かいディテールが独特のシャマラン風味で、ほかの作品とは一線を画しています。

では俳優陣を見ていきましょうか。主演はマーキー・マーク…改め、マーク・ウォールバーグ。彼が学校の生物の先生役、というのがすでに無理のある設定で面白いです。実際、彼が登場したシーン、声出して笑っちゃいましたもの。見事な「出オチ」です。これ、なかなか出来ることじゃありません。どんなに理屈を並べても、学校の先生には見えないの。だってマーキー・マークだから。「これは無理があるわぁ。先が思いやられるわね」と心配したのですが、とにかく映画の内容と映像が独特だから、そちらに引き込まれてしまってマークが先生だろうがなんだろうが気にならなくなります。まぁ、確かに生命力は強そうよね、マーク。

そしてほかの俳優たちの「華のなさ」がこの映画ではいい方向に作用しています。「華がない」=「普通」→リアルな一般人 なの。この理屈、かなり無理やりですけど、映画を観ればわかっていただけると思います。「ああ、なんかこういう雰囲気の人っているよなぁ、たまに」って思う感じ。マークの奥さん(ゾーイ・デシャネル…でいいのかしら?的確に読めません)とか、同僚のめがねの先生とか。逃げた先で出会う夫婦とか。マークの奥さん、アメリカ人なんだけどなんだかイザベル・アジャーニを思い起こさせました。この方、『エルフ』に出ているらしい。ウィル・フェレルのクリスマス映画なんだけど、ああ、歌ってた人かなぁ。歌手でもあるみたいだし。

この映画を見る前に私が一番心配していたのは、「Mナイト・シャマランが出演しているのでは?」ということ。Mナイト・シャマランはこの映画の監督です。でもね、最近のこの方の映画では、なんと「自分が出演」しちゃうと言うことが多々ありましてね。特に前作の『レディー・イン・ザ・ウォーター』では重要な役どころとしてガッツリ出演。主役であるはずのポール・ジアマッティよりも、彼の印象の方が強く残るほど。でもね、彼が出演しなくてはならない理由なんて、私には探し出せないんです。きっと「だって、出たかったんだもん」ということなのでしょうけど。また、このお方インド系アメリカ人で、目鼻立ちくっきり。インド系なんだけど、整形前のマイケル・ジャクソン(BADとかBeat ITでブイブイ言わせてた絶頂期のころ)に似てるんです。あ、あくまで私にとってはですけど。そう、印象が強いの。強すぎるの。だから彼が映画に出演しちゃうと、彼の存在感が強すぎてバランスが崩れるのね。もう、これが心配で心配で。

でも皆さん、いいお知らせです。彼、ナイト・シャマランさん。今回は映画に登場していません!!!今回は監督のお仕事に集中されたご様子。映画も作品としてうまくおさまっています。


ところで、舞台はフィラデルフィアと書きましたが、実はわたくし、今作品の詳細をネットで調べるまで舞台はニューヨークだと思い込んでいました。だって、冒頭がセントラルパークなんだもん。だからニューヨークの学校勤務かと思ってたんだもん。でもウィキペディア曰く、「フィラデルフィア」が正解のようです。

日本では7月26日から公開。



おすすめ度: ☆☆☆☆

「スターダスト ~Stardust~」

2008年06月17日 | 映画~さ~
2007年 アメリカ・イギリス映画

「文句無くファンタジー」だとおもっていたら、実はコメディーでした。初めは主人公のトリスタン(チャーリー・コックス)の野暮ったくて威厳のなさに「なんでこいつが主人公の座を射止めたのかしら」とか、「そもそもトリスタンの親父からして軽そうななりねぇ」と思い切り毒づいていたのですが(心の中で)、コメディーだとわかった時点ですべてOK。トリスタンは髪の毛長くなってからがよいです。好みではないけど。(←聞いてない)

この映画、キャストがすごく豪華です。星役(…でいいのかしら)はクレア・ディーンズ。この人、北欧系?なんか、クラウディア・シファーみたいでした。海賊の親分がロバート・デ・ニーロ。しかもね、女装癖があるの。もっそ楽しそうにどれすきながら踊ってはりました。魔女役がミシェル・ファイファー。もうね、ミッシェルすばらしかった。彼女を見ていて『永遠に美しく』という映画を思い出したんだけど、でもあれはミシェルではなくてメリル・ストリープだったけど。美人セクシー女優と言われ続けていた経歴なのに、そうか、こんな役も出来るのか、と感心。汚くて、貪欲で、でも若い姿はものすごく美しくて。ニコール・キッドマンとかももう少し年齢が高くなったら、このくらいはっちゃけたコメディーが出来るようになるのかね?今のニコールは確かにきれいだけど、いろいろ整形して顔が引きつってるし、ものすごく「若さ」というのに執着がありそうで。今回のミシェルみたいな方向に行ってほしいなぁ・・・と映画に全く関係ないニコールを思い出しました。

そして、今映画のサイトを観て知ったんだけど、シエナ・ミラー出てたの?トリスタンが恋焦がれる相手がヴィクトリア(シエナ・ミラー)だったらしいんだけど、なんか金髪できれいな顔立ちの人だったら誰でもよかったんじゃないかと。あんなに登場回数多かったのに、私気づいてなかったし。いや、そもそも私はシエナ・ミラーの顔をしっかりと覚えていないかも。ジュード・ロウと付き合ってたころ(今も?)パパラッチの写真でしか彼女を見たことないし、代表作といえるような映画をまだ観たことが無いかだらと思うけど。あ、でもビッチぶりはうまく演技されてましたよ。演技なのか素なのか知りませんけど。あ、あたし、シエナのこと好きじゃないみたいね。これ書いてて気づいたわ。けけけ。

話の内容はしっかりとファンタジーなんだけど、ところどころにブラックジョークがちりばめられていて意外に面白かったです。


おすすめ度:☆☆☆★



****追記(6月18日)****

そうそう、エンディング曲がテイクザット(TakeThat)だったわ。再結成のアイドルグループね。イギリスではTakeThat大人気でね、再結成も大成功だったのよ。CMでも曲が使われてたし、現役時代を知らない小学生が口ずさんで歌ってたり。実はさ、あたくし日本で彼らのコンサート行った事あるんだけど、え?高校1年の時よ。文句ある?それがさ、確かチケット代が4,500円とかだったと思うんだけど、コンサートが30分で終わったのよ!!!舐められとる。見事に日本は舐められてたわ。・・・ってあたくしの恨み節はもういいですか?

「Black Sheep(原題)」

2008年06月08日 | 映画~は~
2007年 ニュージーランド映画

ご無沙汰しております、皆様。久々の更新です。今回ご紹介するのは、ニュージーランドの映画、『ブラックシープ』です。もう、なんていうんでしょう。ここまでグダグダな映画、久しぶりです。じゃあ前にみたグダグダ映画は?ときかれても・・・あ、『カジノ』かしら。まそれはまた別の機会に感想を書くとして。とにかくなんだかものすごかったです。途中、「ハァ・・・」とため息が漏れるほどのグダグダさ。

ブラックシープ=黒い羊、ですが、別に黒い羊が主人公ではありません。羊が吸血鬼化するブラック・コメディー・ホラーとでも言えばいいのでしょうか。正直「コメディー」とも「ホラー」とも言いたくないんですけど、この映画に関して。でもカテゴリー的にはコメディーでホラーだと思います。

なんかね、いろいろとわけがわからないんです。背景の説明まったくなしで突然物語が始まるの。それでうまいことスピードに乗って、話を進めてくれればそれでもいいんだけどさ、さっきも言ったようにグダグダ。もう、グダッグダなの。

ニュージーランドの牧場で育った兄弟2人。弟はよくお手伝いをするいい子だったのだけど、兄のアンガスがなんかおかしな野郎で、弟のかわいがっていた子羊を惨殺。それがトラウマとなって弟は羊恐怖症に。15年後、弟は牧場を離れ街に暮らしていた弟は、ある日牧場へ帰郷(何でかは覚えてません)。兄は牧場を受け継ぎ、ビジネス拡大のために羊を改良するための研究所も建設。しかしその研究所には動物虐待の容疑があり、ヴェジタリアンの動物愛護員?活動員?らが施設に潜入しあるものを入手。逃走時にそれを落として割ってしまい、出てきたのは羊の吸血鬼・・・。

この説明でグダグダ加減が少し伝わったでしょうか。何で兄は弟の子羊を殺したのかの謎だし、なんで羊の吸血鬼が誕生したのかも謎。そして「一応」コメディーと歌っているからには、それなりのギャグとか笑える部分をはさんでくるんだけど、何ていうの?・・・ニュージーランド的笑いのセンス?これが、クスリとも笑えない。そらこういうのが好きな人もいるだろうし、ニュージーランドの笑いを理解できる人もいるかもしれないけどさ。でも私にはもうテンで駄目。笑わそうとしているのもわかるんだけど、これがさっぱりよ。コメディーなのに面白くない。それってコメディーじゃないじゃん。

一緒に観てたイギリス人たちが「イギリスとニュージーランドの笑いのセンスがこうも違うだなんて…」とある種ショックを受けてたくらい、酷かった。日本人でこれを笑える人、ほとんどいないんじゃないか、と。ホラーとあるけど、無駄にグロさを出した表現も、映画の質が質だけに痛々しいのよ。

DVDのジャケットには、「『ショーン・オブ・ザ・デッド(Shawn of the Dead)』が好きな人にはたまらない面白さ!!!」って書いてあるんだけど、ふざけんなっ!!!と言いたい。だって、『ショーン・オブ・ザ・デッド』は傑作なのよ!マスターピースなのよ!!!この映画、気に入っているからこそいまだに感想をかけないでいるんだけどね。それをこんな映画が肩を並べようだなんて。比較するのが失礼だわ、ほんとに。

最初から最後まで、どうしようもなさ満載。グダグダ祭り。完全におすすめしません。


おすすめ度: 見るな!