映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ ~A Street Cat Named Bob~』

2017年09月05日 | 映画~は~


*画像はこちらから http://variety.com/2016/film/reviews/a-street-cat-named-bob-review-1201906400/

2016年 イギリス映画


ロンドンの『ビッグイシュー』販売員だったジェームズとトラ猫ボブの実話を元にしたお話です。

ジェームズさんが書いた『ボブという名の猫』という本が元になっているのですが、イギリスでは2012年に発売されて以来ベストセラーで、続編や子供向け絵本など関連商品もかなり多く出ています。


簡単にお話の内容を説明しますと、元ホームレスで生活の再起をかけてロンドンの街なかで『ビッグイシュー』という雑誌の販売員をしているジェームズが、ある日怪我をした猫に出会います。彼はなけなしのお金でその猫を介抱しながら飼い主探しをするも、飼い主は現れず。ある日その猫は出勤するジェームズを追ってバスに飛び乗ります。もともと飼うつもりはなかったものの、これをきっかけにお互いがかけがえのない存在に。数々の困難に見舞われますが、ボブの存在はジェームズの再起を後押しします。


映画なんですが、もう本当に本のまま。誇張も省略もなく、そのまま素直に映画になっています。ですから、原作本を読んだ方も、しっかり楽しめます。


…正直に言うと、特にここで付け加えることのない映画でした。


つまらないということではなくて、先程も書きましたが、本のままだから。そこはこれ以上ないほど素直にほんのまま。本当に忠実。ジェームズ役の俳優さんは、本物より若干男前ではありますが(笑)。しかも、ボブ役は本物のボブが演じていますし、これ以上には作りようがない出来ではないでしょうか。


でも、逆にこういう映画って最近珍しいかもしれません。動物を扱った映画ですが、特に子供向けというわけでもなく、ほんとうの意味で年令に関係なく誰もが楽しめる一本。これ、貴重ですよね。


あと、個人的に気になったのは、ベティー役のルタ・ゲドミンタス(多分こんな感じの名前)。この人、イギリスのテレビ番組ではたまに見かけるんですけど、役によって全然雰囲気違う!イギリス人の俳優さんって、あんまり「これが私よ!」という感じの人っていない気がします。どういうことかというと、「普段はけっこう普通」というか。だからこそ、役によって全く別人に見えたり、その振り幅がものすごい人が多い気がします。


それから、映画には全然関係ないんですけど(笑)、『ビッグイシュー』って日本でも販売員の方をよく見かけると思うんですけど、日本での知名度ってどうなんですかね?日本の知り合いには「全然知らない」という人も何人かいてけっこう驚いたんですよ。少なくとも15年前にはビッグイシューって日本に上陸していたし、当時から大きな駅前とかだと販売員の方をよく見かけたので、「皆さん、おなじみの!」くらいの認知度だと思っていたら…地域差もあるのかもしれませんが。


映画に関係ないついでに、ジェームズとボブはイギリスでは本当に誰もが知っている存在です。ふたり(?)は今もホームレス・チャリティー運動に力を入れていて、特に『ビッグイシュー』関連のイベントだとけっこう頻繁に参加していたりします。ちなみに、私も今年の春にあるイベントに参加する予定で、さらにそのお二人が激励にやってくる!という二人に会える絶好のチャンスを目の前にしながら…直前にわたくし発熱でイベント参加できずということがありました。


って、どうでもいいですね。


最後に映画の話に戻りますが、実話であること、そして話もわかりやすいこともあり、本当にどなたにもおすすめです。サラッとも見れるし、しかしイギリス(ロンドン)のホームレスチャリティーや販売員たち、一般の人達の生活の一端も垣間見れますし、さらにロンドンが好きな人にはおなじみの街並みも楽しめます。誰もが素直に楽しめる、実は意外と貴重な作品・・・だと思います!




日本では、2017年8月26日から公開中!




オススメ度:☆☆☆☆