映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

『パシフィック・リム ~Pacific Rim~』

2013年08月08日 | 映画~は~
2013年 アメリカ映画



イギリスでは一足お先に公開された『パシフィック・リム』。普段、SFとかロボット関係の映画は苦手でほとんど見ないのですが、この日はなんだか色々とありまして…気晴らしが必要!しかも純粋に、何の小賢しさなく楽しめるものがいい!と思っていたところ、この映画の公開を思い出したわけです。

御年35歳。一般的日本人として、ロボット漫画や実写に親しみながら大きくなった者として、これらを題材にした映画となれば親しみもわくというもの。というか、深い物語を追う必要はなく、とにかく映像として脳味噌を使わずに楽しめそうというのが、この日は大事だったわけです。さらにいうと、この作品の監督が、パンズ・ラビリンスの監督だったというのも追い風となり、さっそく観に行ってきました。



一言で言いましょう。ロボット漫画や実写で大きくなった人は、間違いなく楽しめます。


そしてもう一言。昔見た実写、アニメ、そのままです。



もうはじめから、ずっと轟音鳴りっぱなし。戦いっぱなし。子供のころに見たあのアニメや実写ってこうだったよね、とちょっと懐かしくなったり。それを心より愛した有名監督が、それなりの予算を使って本気で作るのだから、面白くないわけがないんです。正直、ここまで楽しめるとは思っていませんでした。

あ、面白いと言っても、本当に…深みとか、映画化の意味とか考えないでください。昔のあの懐かしさが現代版になって戻ってきたという面白さです。もう、最初から最後まで、隅から隅まで、懐かしのアニメ・テレビの実写番組のエッセンスが満載!私世代なら、どのロボットや怪獣が、どの漫画や番組から影響を受けて作られたかというのも分かるはず。


ゴジラとかウルトラマンとか、日本にいたらいつでもテレビでやっていて、それが子供番組の基本だと思って当たり前に見ていたから何とも思わないかもしれませんが、こういうものを作り出すことって本当に偉大だ、と映画見ながら感心しました。イギリスに住んでかれこれ6年ですが、こういう子供番組ってイギリス、ヨーロッパにはないんですよ。だからこそ日本の番組がそのまま放送されて、そして日本と同じように子供たちを虜にしているわけです。

一応、一般的な日本人(中年)としてこういうたぐいの番組を見ていたとはいえ、大して詳しいわけでもない私ですが、例えば「このロボット、○○に似てる」、「この怪獣のデザインは、この番組から影響を受けてるようにみえるなぁ」というものが盛りだくさん。鑑賞後に日本で発行されているネットの記事やインタビューを見ていたら、ビンゴ!あのデザイン、監督の大好きな○○から影響を受けているのね~、と一人納得&満足させていただきました。



日本の子供向け番組から影響を受けて作られた映画って沢山ありますよね。『ロボコップ』、『トランスフォーマー』、『インセプション…この中だと、この『パシフィック・リム』はロボット系として『トランスフォーマー』と同じ系列と見ることができるかもしれませんが、私個人的にはもう10倍くらい『パシフィック・リム』の方がお勧め!というのも、この映画、すごく純粋なんです!!!

観客を楽しませるため(と言われている)唐突で意味のないラブシーンとか、本編に関係のない無理やりな色恋沙汰とかが全くもってない。(←これが『トランスフォーマー』嫌いの一因。)

子供向けロボット実写番組を、大人がそれなりの予算を使って本気で作った。日本人にとっては目新しさも驚きも何にもないんです。だっていつもテレビで見ていたものそのままだから。「『へ~んしんっ!』とか言ってないで、その間にさっさと攻撃しなさいよ!!!」といい大人としてはヤキモキしたりするのですが、そういうところもそのまんま。本当にそれ以上でもそれ以下でもないんです。本当に本当にそのまんま。でもそこがいい。すがすがしいほど飾り気なし!!!見ていて気持ちがいい!!!


あえて残念なところを上げるとしたら、菊池凛子さんの髪型(カラー)でしょうか。真黒なおかっぱ頭に青のハイライト…『バベルで女子高生演じた時も、こんな感じの髪型でしたよね。凛子さんは決して悪くはないんです。でも、これってアジア人以外の外国人が考える「日本人のおしゃれ」なんですかね?なんか、「またこれかよ」感を感じてしまいました。まぁ、いいんだけど。


映画の内容とは関係ありませんが、数ヶ月前にヤフージャパン(元はアメリカで発表された記事の翻訳版)に俳優についての考察が掲載されていました。それはここ数年、イギリス人俳優たちの台頭が目覚ましいというもの。アメリカ映画でアメリカ人役なのに、イギリス人俳優がそれを演じているというケースが増えている、というもの。『パシフィック・リム』も例外ではなく、主役ローリーを演じるチャーリー・ハナム、司令官役のイドリス・エルバはイギリス人でした。




『パシフィック・リム』、監督の日本への愛が溢れています!一日本人として、ここまで猛烈で純粋な愛を表現されて、嫌なわけがありません。

クールジャパンって正直どうなの?という声も聞きますが、日本のアニメ、おたく文化は私達が頭で考えている以上に絶大で強烈で、日本が誇るべき文化の一つであることは間違いない!…と外国在住の私は日々感じるのです。


日本では、2013年8月9日(明日)公開です。





おすすめ度:☆☆☆☆


注:子供のころ、戦隊ものや怪獣ものに全く興味がなく、見たこともない、という人には不向きです。


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