スランプに陥ってしまったピアニスト晴人の前に現れた少年睦月は、なぜか晴人を別人の名前で呼び、付きまとい始める。
睦月は一年前に姿を消した恋人「優貴」と晴人を間違えているようだが・・。
最初は睦月の「子犬」のようなかわいさがほほえましいんだけど、だんだん睦月の「狂気」が現れてきて、睦月の抱えている闇が見えてきて・・。
晴人は、天才と言われ将来を嘱望されていたのけど、初めてのスランプに戸惑い、将来を見失っている。でも、睦月とのかかわりが彼を変えてゆき、やがて睦月を救うためと自分のためにピアノに向かう。
ベタな展開だけど、泣けました~。雪代さん、こういうベタで泣かせる話、うまいよね~。それもだんだん上手くなってるって気がします。特に後半、「亡き王女のためのパヴァーヌ」からの展開がよかったです~。ボロボロ泣き
。そしてその後の二人の話「仔犬のワルツ」も、優しくて暖かくて泣けました。
ただベタな展開だけならこんなに気持ちも動かないと思うのです。文章の端々の細やかな心遣いが作品全体の雰囲気を上質なものにしているんだろうなあと思います。
雪代 鞠絵著
幻冬舎コミックス (2005.11)
通常24時間以内に発送します。
このところ忙しくてあまり読めてなかった上、当たり外れが激しくて、ちょっと「そろそろBLもなあ
」って思わないでも・・だったんだけど、やっぱいいなあ
当たり外れの「はずれ」については言及しませんが、火崎さんのを2作読んで、2作とも「さすが・・」と思わされました。
どっちも途中で本を置けなかった!いつも話の作り方に「なぜ?」という部分があって、そこが本を置かせない理由です。お話作りが本当にうまい方だなあと思います。もう100冊書かれているんですね。すばらしいです。そして「はずれ」なし!どれも面白くて、本当にせつなくて最後はハッピーエンドで・・
プロフェッショナルなBL作家さんってこういう人なんだろうなあ。
火崎 勇著
リーフ (2005.11)
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火崎 勇著
プランタン出版 (2005.8)
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