ピアノ連弾 2台ピアノの世界

世界中のピアノ連弾、2台ピアノ作品を演奏しています!

第163回 2台のピアノの午後 「メモワール・ド・パリ」を開催しました。

2014-01-27 13:25:18 | 日記

今年最初のコンサート、第163回目となる2台のピアノの午後「メモワール・ド・パリ」を昨日無事に開催いたしました。

19世紀のパリの街のあちこちで歌われていた当時のオペラの名曲の数々をR. N. C. ボクサの編曲作品でお届けしました。会場にいらしたお客様も「知らない曲ばかりです」と仰っていましたが、既知の曲でなくてもすぐに音楽に心をゆだねることができる甘美な旋律と、2台のピアノの掛け合いの楽しさにそんな不安も飛んで行ってしまったようです。

コンサートの前半はエロール、マイヤベーア、オーベールの3人の作曲家のオペラの作品から小品をお届けしました。どの旋律もオペラの場面が目に浮かんできます。ヒロインが好きな相手に想いを込めて愛を歌いあげていく様子すらピアノの音色だけで表現しているボクサの編曲が見事です。

後半は19世紀のパリのオペラ界を席巻していたボワエルデューのヒット作の1つ、「パリのジャン」全編を網羅したメランジです。ボワエルデューの作品はピアノ界ではあまり取り上げられませんが、「ポプリ・アン・デュオ」にも編み込まれている「バクダットの太守」はマンドリンの演奏会では現在も頻繁に取り上げられますし、各オペラの全編の楽譜も数多く入手可能です。このメランジを当時のオペラを見た人が聴いたら間違いなく感激してしまうことでしょう。記憶に残る親しみやすいメロディーが次から次へと紡ぎだされてきます。そして、当時のパリの7つの流行歌を1つの作品にまとめ上げた「ポプリ・アン・デュオ」の壮麗な音楽がコンサートを締めくくります。特筆すべきはナポレオン王妃ジョセフィーヌの連れ子でナポレオン三世の母親でもあるオルタンス・ド・ボアルネの作曲した「シリアに向かって」です。ボクサのどの編曲作品にも言えるのですが、広く世相を見渡した視野の確かさが後世の私たちにも伝わってきます。ボクサの「ポプリ・アン・デュオ」をこうして取り上げることによって、2台ピアノの作品群に「オルタンス・ド・ボアルネ」の名前を書き加えることができたことを光栄に思います。演奏時間の長いこの2つの作品もボクサの編曲は聴く人を飽きさせることはありません。「全然時間を感じませんでした。終わり方も恰好良かった」との感想をいただきました。

演奏終了後のピアニストとお客様の対話の時間にもいろいろな質問や感想をいただきました。「知らない曲でも楽しめることがわかって良かった」という感想が嬉しかったです。今現在有名な曲、話題になっている曲だけを演奏すると、毎回同じ作品ばかり取り上げなくてはなりません。しかし、私たちのように新作や、有名でなくても優れた作品を紹介する演奏家はいつの時代にも存在したはずです。これからも1曲でも多くの作品を演奏して、2台ピアノ作品の奥深さや楽しさを後世に伝えていこうと思います。

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クレメンティ=リーデル 2台のピアノのためのソナチネ ピティナのミュッセより発売中!

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ワーグナー=レーガー オペラ名曲集 [2台ピアノ版]
クリエーター情報なし
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