ようやく五月晴れが続くようになりました。日曜日にはコンサート本番です。
昨年末に中央公論社より作曲家ノルベルト・グランツベルグ(ノルベール・グランズベール)の生涯を独占インタビューから一つの物語にまとめ上げられた読み物が翻訳出版されました。
ユダヤ人であったことからナチスの迫害に遭い、大勢の著名人の助力によって生き延びたグランツベルグと、フランスの至宝エディット・ピアフとの交流を中心に描かれています。
グランツベルグ作曲の大ヒット曲「パダン、パダン」
子供のころから音楽の才能を発揮していて、若くして成功しながら戦争によって演奏活動も出来なくなった日々、そして、2001年に亡くなるまでの長い年月が描かれています。日本語の翻訳がこの書物が世に出されてから10年もかかっていたことは残念でなりません。ただ、2009年に私たちが取りげたグランツベルグの2台のピアノのための「イーディッシュ組曲」について最後の2つの章を使って詳しく書かれていることはとても光栄に感じました。また、この曲を演奏した時に感じた音楽性がグランツベルグ本人のインタビューと重なっていたことをとても嬉しく思います。youtubeにこのときの演奏をアップロードしていますが、欧州の方からコメントが寄せられている理由も良く分かりました。
また、この本の初めの部分にグランツベルグの作曲した作品を自分の作品として発表しようとした音楽家がいたことが詳細に描かれています。ここで、またしても私は「残念な出来事」に書いたAさんを思い出しました。こうして、誠実でない人は永遠に語り継がれていくことになるのですね。
また、戦前戦後の欧州の音楽、映画の世界の裏話もたくさん紹介されています。興味のある方は是非ご覧になってください。
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ラフマニノフ 前奏曲嬰ハ短調 作品3-2「鐘」 [ピアノソロ/2台ピアノ(作曲家自身によるアレンジ版)] (Prhythm piano scores) |
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