ピアノ連弾 2台ピアノの世界

世界中のピアノ連弾、2台ピアノ作品を演奏しています!

2台ピアノの午後 ライネッケの午後 ~没後百年によせて~

2010-05-15 17:17:11 | 日記
第119回の2台ピアノの午後「ライネッケの午後~没後百年によせて~」が無事に終了いたしました。熱心なドイツ音楽ファンのお客様もいらしてくださいました。






プログラムより

第 一 部

1. カール・ライネッケ
CARL REINECKE [1824-1910]

[A] 祝典序曲 作品148  
(作曲者による2台ピアノ用編曲)

FESTIVAL OVERTURE OP.148 [1877]
(ARRANGED FOR TWO PIANOS BY THE COMPOSER)

[B] クラインの劇「ゼノビア」の為の序曲 作品193  
(作曲者による2台ピアノ用編曲)

OVERTURE TO KLEIN’S DRAMA “ZENOBIA” OP.193 [1887]
(ARRANGED FOR TWO PIANOS BY THE COMPOSER)

[C] 盛式序曲 作品223  
(作曲者による2台ピアノ用編曲)

PROLOGUS SOLEMNIS IN THE FORM OF AN OVERTURE OP.223 [1893]
(ARRANGED FOR TWO PIANOS BY THE COMPOSER)

本年(2010年)は,カール・ライネッケの没後百年の記念年です.ライネッケは,バッハの時代から脈々と続くドイツ音楽のよき伝統を継承しながら,重苦しさのない,爽やかなロマンティシズムにあふれる名曲を数多く書き残しました.同時代のメンデルスゾーン,シューマン,ブラームスらと親しく交流したことはもとより,グリーグ,シンディング,ヤナーチェク,アルベニス,スヴェンセン,ワインガルトナー,ブルッフといった優秀な弟子たちを育てた名教育者でもありました.私たちは,数年来,折にふれてライネッケの2台ピアノ作品を演奏してきました.没後百年の記念年に開催する今回は,ライネッケの中期・後期作品に集中して取り組むことと致しました.名匠らしい円熟した筆致の光る,暖かく心なごむ音楽をお届け致します.プログラムの前半には,各々に性格の異なる3篇の序曲をご紹介します.いずれも,ライネッケが長年に亘って常任指揮者を務めた名門,ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートで発表され,同時にライネッケ自身によって2台ピアノ用編曲も作られたものです.

第 二 部

2. カール・ライネッケ
CARL REINECKE

[D] 二重奏曲 変ロ長調 作品216a
(管楽八重奏曲 作品216 作曲者による2台ピアノ版)

DUO FOR TWO PIANOS IN B FLAT MAJOR OP.216a [1892]
(ARR. FOR TWO PIANOS BY THE COMPOSER FROM THE WIND OCTET OP. 216)

I. ALLEGRO MODERATO
アレグロ・モデラート

II. SCHERZO
スケルツォ

III. ADAGIO NON TROPPO
アダージオ・ノン・トロッポ

IV. FINALE
終曲

[E] 2台のピアノの為の4つの小品 作品241
FOUR PIECES FOR TWO PIANOS OP.241 [1898]

I. ETUDE
練習曲

II. MINUET
メヌエット

III. SCHERZO IN CANON FORM
カノン形式のスケルツォ

IV. ALLEGRETTO GIOJOSO
楽しいアレグレット

ライネッケはピアノデュオへの愛着も深く,初期から晩年まで,ピアノ連弾,2台ピアノ作品の作編曲を多く手がけました.「二重奏曲」(作品216a)は,ライネッケの室内楽の代表作の一つとして現代でも演奏される機会の多い「管楽八重奏曲」(作品216)をライネッケ自身が2台ピアノ用に編曲したものです.持ち前ののびやかなメロディはもとより,高度な対位法や転調法が随所に織り込まれた,深い滋味に富む大人の音楽です.コンサートは,小粒ながらピアノデュオらしい愉楽にあふれた「4つの小品」でしめくくられます.私たちはこれからもライネッケ作品に積極的に取り組んで参りたいと思います.


過去の演奏会の記録はHPをご覧ください。
http://www16.ocn.ne.jp/~pccpiano/