1日1話・話題の燃料

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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

2/1・ミスター映画、ジョン・フォード

2013-02-01 | 映画
2月1日は、米国の映画監督、ジョン・フォードの誕生日。
ジョン・フォードといえば「西部劇の神さま」、ハリウッド映画の神さまである。
自分の感覚としては、自分の好きな映画監督たちが敬愛した映画監督、といった感じになる。

ジョン・フォードは、1894年2月1日、米国メイン州に生まれた。
両親はアイルランドからの移民で、ジョンは、11人きょうだいの下から2番目である。
父親は農場、漁業、ガス会社、酒場など、さまざまな事業を試みた人物で、市会議員にもなった。
ジョンより12歳年上の兄フランシスが、先にカリフォルニアへいき、映画の仕事についていてた。
フランシスはトーマス・エジソンなどの無声映画100本以上に出演したという。
ジョン・フォードはメイン州のポートランド高校をでた後、兄のいるカリフォルニア州へいき、映画関係の仕事を志した。
ジョンは、当初、兄の助手としてスタートした。 彼は兄の映画の雑用係、スタントマン、俳優、カメラマンなど、なんでもこなした。
俳優としてはじめて映画出演したのは、20歳のときだった。
23歳のとき、初の監督作品「台風」を発表。
以後、ハリウッドを代表する映画監督として「男の敵」「駅馬車」「若き日のリンカン」「怒りの葡萄」「タバコ・ロード」「わが谷は緑なりき」「荒野の決闘」「三人の名付け親」「黄色いリボン」「静かなる男」「ミスタア・ロバーツ」「荒鷲の翼」「西部開拓史」など、数々の名作を世に送った。
第二次大戦中は、軍に志願し、映画撮影班として従軍し、ドキュメンタリー映画「ミッドウェイ海戦」「真珠湾攻撃」などを撮影した。ジョン・フォードは、太平洋戦争の転換点となったミッドウェー沖海戦の戦場にいあわせたのである。
1973年8月、カリフォルニア州パームデザートで没。79歳だった。

自分は、ジョン・フォードの作品はそんなにたくさんみていない。
ジョン・フォードといえば「駅馬車」だが、この映画は、映像のスピード感、テンポのよさ、筋の展開のみごとさなど、やっぱりよくできた娯楽映画だと思う。映画作りのお手本のような映画である。
ただし、いささか古い時代の映画なので、ネイティブ・アメリカンを悪役にすえ、白人を正当化して主役におき、話をわかりやすく単純化する時代性が、いまみると、さすがにつらい。
そこで、自分としてはむしろ「わが谷は緑なりき」の、いつまでたっても古びない、温かい、ヒューマニスティックな味わいが好きである。
まさに、ミスター映画と呼ぶにふさわしい巨匠だった。
(2013年2月1日)



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