いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

詩 乳母車

2019-08-29 22:07:48 | 思い出の詩


乳母車

母よ-------
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花色のもののふるなり
はてしなき並木のかげを
そうそうと風の吹くなり

時はたそがれ
母よ わたしの乳母車を押せ
泣きぬれる夕陽に向かって
凛々とわたしの乳母車を押せ

赤い房あるビロードの帽子を
つめたき額にかぶらせよ
旅急ぐ鳥の列にも
季節は空をわたるなり

淡くかなしきもののふる
紫陽花色のもののふる道
母よ わたしは知っている
この未知は遠く遠くはてしない道








最新の画像もっと見る

コメントを投稿