いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

大著「山本五十六」読了

2019-05-11 21:48:17 | 読書

阿川弘之の大著、「山本五十六」を読み終えた。
多分、5回目くらいだと思う。
最初に読んだのは高校生時分で、山本五十六の歴史的評価は
まだ揺れていたと思う。
戦後33年目のことであった。
今では、彼の評価も安定し、
賛否両論あっても、時代のふるいにかけられたと思う。
当時は、若者に反戦気分が盛んで、
戦争時の英雄にも、相当のスペースは与えられていなかった。
阿川弘之は、高校、大学時代の先輩でもあり、
優れた小説家として、憧れていた人である。
戦前、山本五十六は、米内光政、井上成美とともに
海軍三羽烏といわれた。
3人とも、アメリカとの戦争をやめさせようと、
苦心惨憺した。
山本五十六は、連合艦隊司令長官として戦死し、
米内光政は、戦後、首相として、日本の改革を主導した。
また、井上成美は、責任をとって、
三浦半島で小さな英語塾をひらいて暮らした。
山本五十六の人間的な姿、スケールの大きい仕事ぶりは、
賞賛に値する。
部下や友人、やすらきを求めて交わった女たちに、心から慕われた。
一生の友は、海軍兵学校以来のクラスメート、堀悌吉である。
堀は、はやくに海軍からはねだされたが、
五十六の友人として、彼の死後のことまで世話をした。
真の男と男の友情が、一生を通じて変わらなかった、
稀有な例である。
阿川弘之が、200以上の資料、100人以上の人にあたって
仕上げた大作「山本五十六」は、今後の世界をひっぱる若者たちに、
是非読んでほしい物語である。