時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

第三世代で決心

2011年05月24日 | 
思い出せる限り、私は商品の第一世代を買って所有したことはなかったと思います。数世代を経て生き残り、改良が進み、価格も下がってきてやっと、それでも慎重に考えて買う(またはやめる)という感じ。たんに買うお金がないから、ということもありますが、道具そのものに興味があり、それを使ってみる、所有してみることに楽しみを見出すタイプではなく、むしろ、自分がやりたいことが明確にあって、それに必要だと判断しない限り、できるだけモノを所有したくない、ということもあります。

ですが今回、電子ブックリーダを持ってみることにしました。本日到着。買ったのはAmazon kindleの第三世代、3G、6インチ版(=15.24cm、スクリーンの対角の長さ)。値段は189ドル(現在のレートでだいたい¥15,500)。理由は、ようやく英語で本が速く読めるようになったのでいろいろ読みたいけれど、もう置く場所がない。むしろ捨てねばならぬくらいで、紙の本を増やすのは不可能。移動中に読みたい。とくに仕事のため、検索機能等を使いたいので電子ブックに切り替えたい。本を買うとき輸送がないので早く手に入る、ちょっと安い、ちょっとエコ、など。

届いたものを開けてみた最初の印象は「小さい!」。約250gと、重さも大きさも新書程度でしょうか。文庫本と並べてた写真を載せました。論文のリーダとして使わないのだからと、大きいサイズ(対角9インチ)のKindle DXにしなかったのですが、正解だったように思います。カーソルを合わせると辞書項目(Oxford)が開くのは、めちゃくちゃ便利。文字も読みやすいし、目が疲れなそう。ページの切り替えが遅いなんて評価もあったけど、じゅうぶん速いと思うなあ。とりあえず大満足。

PDFにハイライトやコメントをつける機能がないので、電子化された論文を読むのには使えないことを承知で買ったのですが、電子出版される各分野の専門書は現時点でもかなりあり、今後も増えそう。これを使って読めるもの、読みたいものはいくらでもあります。

買うかどうか決定するに当たって調べたところ、iPadと比較する試みがちらほら。でも、多くの人が指摘するとおり、両者は全く違うニッチを狙ったものではないでしょうか。去年日本で、iPadを手にする機会がありました。多機能なのでしょうが、われわれ研究者にとってノートパソコンの代わりにはならない。読書用に携帯し、取り出すには重すぎ、大きすぎ。さすがはAppleで、所有したくなる魅力はあるようにも見えるけど、私には中途半端な製品だと思いました。iPadが優勢なのは、齋藤美奈子さんが『趣味は読書』の序文で述べていたとおり、世の大勢が「読書をしない人」たちだからでは。Amazonはあんなもんに対抗しないでほしい。少なくとも今のKindleの、読書に特化した路線は必ず維持してほしいです。

紙の質感は捨てがたいとか、カラーが出ないとか、パラパラとめくって面白そうなところを探すことができない(できるのかな? まだ不明)とか、難癖を付けようと思えば付けられる点はまだ多いかも。でも、今後、書物が電子リーダで読まれる傾向に歯止めがかかることは考えられないので、Kindle等、電子リーダの開発競争は続き、改善は急速に進み、今の抵抗感もいつの間にか忘れ去られるでしょう(一部のダイハードを除き)。そこで適切な判断をするためにも、使ってみるタイミングになった、と判断しました。 ......まあ、つまりは、こうやって、ぐぢぐぢ理由付けをしないと決心できないということなのですが。

さっそく、最初の図書購入をやってみました。私は前から読みたかったダーウィンのOn the origin of species(これはタダ)。序章を読みましたが、150年も前に書かれたにしては英語に違和感がなくて、読みやすい。嫁さんはレイチェル・カーソンのThe sense of wonder。日本語を読むために使うことは全く考えていませんでしたが、「青空キンドル」というサイトで青空文庫をKindle用のPDFにできるとのこと(このサイトの開発・維持をなさってる方々、素晴らしい!!)。そこで娘には、これを使ってアンデルセンの「おやゆび姫」。朗読したら、じっと聞き入っていました。今の彼女にはちょっと長いと思って途中で打ち切りましたが、遠からず前文朗読して聞かせられるかもしれません。

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