時々雑録

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方言習得の速さ:八日目の蝉 (1)

2012年07月08日 | ことば
前から観たいと思っていた『八日目の蝉』がTVで放映されたので、観てみました。そのあと、図書館で借りて原作も。あれこれ感じたことがあって、少しずつ書いていきたいのですが、とりあえず方言から。関東生まれの赤ちゃん、恵理菜は、彼女を誘拐して逃亡した希和子に薫と名づけられ、逃亡のため、名古屋、奈良、香川(小豆島)と渡っていくのですが、それぞれの土地で、すばやく方言を身に着けていくように描写されていて、映画でも薫役の子が上手に「近畿~四国っぽい」(ホンモノとはちがうのでしょうが)ことばを話してました。

そんなに速く行った先のことばを身につけるものだろうか、と観たときは感じたのですが、思えば幼稚園に入って3ヶ月、娘は急速に「東濃ことば」を身につけつつあります。今や理由の「~で」とか、否定の「~ん」は当たり前。進行の「~てる」も、関東等の平板ではなく、「て」にアクセント核がある形で言います。幼稚園でも、ごく一部を除くと、おかあさんも、先生もみんなばりばり東濃方言、当然子供たちもそうなので、家で父母が標準語的(父は怪しいが)なことばを使おうとも無力。じきに、可能形も「れ」を入れて、「書けれる」「行けれる」と言い出しそう。

事はここにとどまらず。以前、裏のお宅のお嬢さんの影響で「なんでやねん!」を乱発するようになったという記事を書いたのですが、先日、いつもいっしょに遊ぶ女の子が「なんでやねん!」を、やはり意味なく連発しているのを発見。明らかにわが娘の影響。仲良く遊んでいる証拠で、とても喜ばしいことだと考えるべきなのでしょうが、ちょっと申し訳ない。。。

『八日目...』に戻ると、薫が方言を習得し、自然に使用しているというのは、その土地や人々になじんで幸せに暮らしていた、ということを伝えるにはこれ以上なく効果的でしょうから、作家さんも留意し、映画スタッフも丁寧に扱ったにした、というところなんでしょう。

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