時々雑録

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誘拐は誰が悪い:八日目の蝉 (2)

2012年07月09日 | 
昨日につづき、『八日目の蝉』から。映画を初めて見た際、反射的で単純な感想もあれこれ持ったのですが、その一つが誘拐のシーン。親は家を留守にするのですね。0歳児を置いて。鍵もかけず、しかも毎日決まった時間に。そりゃあいくらなんでも無用心すぎる、ありえないだろー、と。で、いっしょに見ていた嫁さんに、「産まれてから4年近く経つけど、うちは、誘拐されるかもしれないような無用心なことは一度もしてないね」と言ったのですが、そこで変わる彼女の顔色......

言われるまでもなく思い出しました。娘が0歳のときのこと、Bloomingtonのダウンタウンへ、当時同じアパートにいたおばあちゃん(仏系アメリカ人)、Ninaさんと食事に行きました。足の悪いおばあちゃんを先におろし、嫁さんが支えてレストランへ。私は駐車場に車を停め、後から店に。以下は本当に交わされた会話。

私 「おまたせ~」
嫁 「かえでは?」
私 「あ、車の中!」
嫁 「やだ~(怒気)」

あわてて戻ってみると、車の中、チャイルドシートに縛り付けられたまま、私のほうを見る娘。もちろんカギはかかっていましたが、その間おそらく2~3分。たまたま狙いを付けていた人がいて、ドアをこじ開けられていたら、アメリカのことだから、もう二度と会えなくなっていた可能性が限りなく高い。生きてる可能性も低い。そうなっていたら、わたしゃー今ごろどこでどうしているか、生きているかすら確信が持てません。娘はアメリカ人の子供という扱いをされたでしょうから、それをむざむざ誘拐された監督不行き届きな日本人は、国外退去を命じられていたかも。何も起こらず、ここにこうしていられるのは、ただ運がよかっただけ。

行った店も覚えてます。Applebee's。行った座席すら思い出せる。嫁さんも、決して忘れないと言ってます。結婚以降、ここまでで最大の失態。私には前科がありました。懺悔。。。

『八日目......』に戻ると、お話の都合上、あの子は誘拐されねばならなかったので、うかつな親に登場してもらったと。ちょっとありえないくらい無用心だと思いますが、上記の件のせいで、ちょっと主張しにくくなってしまいました。

先日、娘の幼稚園では、専門家を招いて「連れ去り防止訓練」を催したそうで、その日の帰り、娘が説明してくれました。

「今日ねー、ひなんくんれんがあった」(ん? ああ、連れ去り防止ね)
「くるまにのって、おねえちゃんが、二人来てねー」(おうちまで、乗せていってあげるって言った?)
「お菓子あげるよ、って言ってた」(.........)

果たして彼女は何かを学んだのか、実際にはまんまとお菓子に釣られて誘拐されてしまうのか、確信は持てません。

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